植物分類学の父 牧野富太郎

新種の発表
1889年、牧野富太郎は大久保三郎と連名で、日本で初めて新種 「Theligonum japonicum Okubo et Makino(ヤマトグサ)」を発表した。そ の後、牧野は生涯で1500種類以上の植物の新種・新品種を発見・命名して いる。


【植物の学名】
植物の学名は、「属名」+「種小名」+「命名者」で表されること が多い。例えば、ヤマトグサ(Theligonum japonicum Okubo et Makino)の場合、学名のうち「Theligonum」は属名(ヤマトグサ 属)、「japonicum」が種小名(「日本の」という意味)、 「Okubo et Makino」が命名者を表している。 なお、「ヤマトグサ」は和名という。


図鑑の出版
1940年、牧野は『牧野日本植物図鑑』を出版する。この図鑑の編集をする のに、約10年の歳月がかかったという。牧野のほか数名が描き、牧野が校 閲したとされる正確で簡潔な植物図がこの図鑑の特長となっている。ま た、学生版として、フィールドに持ち歩けるサイズの図鑑など、さまざま なタイプの図鑑が出版されている。

植物図
牧野の植物図は、単に1つの植物をスケッチしたものではなく、多数の個 体を観察し、その個体が典型的・標準的なものであるかを考慮して描かれ ているという。また、植物の全体像だけでなく、花弁、おしべ、めしべ等 の器官の拡大図や解剖図なども描かれている。

植物採集会
牧野は全国各地で植物採集会を行ったり、植物同好会を設立したりと、ア マチュアの植物愛好家の育成にも力を注いだ。
また、植物学の普及のため、一般向けの書籍等も多く出版している。