第3期(令和9年度から13年度)オーテピア高知図書館サービス計画案 令和8年9月 ■目次 第1章 第3期計画の策定について…1ページ 1 位置付け 2 第3期計画の期間 3 第3期計画の推進体制と進捗管理 3-1 推進体制 3-2 進捗管理 第2章 第2期計画に基づく取組の成果と課題…3ページ 1 第2期計画の概要 2 取組の分析・評価 2-1 サービス指標の達成状況 2-2 利用者等へのアンケート調査 2-3 「サービス計画」意見交換 2-4 オーテピアの中心市街地活性化への寄与に関するアンケート調査 3 高知県の図書館等の状況 4 社会情勢の変化や施策に関する動き 第3章 第3期計画の基本方針…20ページ 1 基本方針と取組の方向性 2 SDGs(持続可能な開発目標)との関連 第4章 基本方針の実現に向けたサービス・取組とサービス指標…24ページ 1 施策体系 2 各サービスの取組 2-1 地域を支える情報拠点機能の充実 2-2 暮らしや仕事の中でのさまざまな課題解決への支援 2-3 利用者に応じた図書館サービスの充実 2-4 連携・支援及び図書館活用の促進 3 サービスを横断する取組・サービス提供体制の強化 3-1 司書の専門性の向上 3-2 サービスの周知・普及(広報・連携) 3-3 中心市街地活性化への寄与・周辺文化施設との連携 3-4 大学や民間・ボランティア等との連携・協働 3-5 災害対応への事前準備 4 サービス指標 参考資料…52ページ 1 策定の経過 2 用語説明 1ページ ■第1章 第3期計画の策定について 1 位置付け (1)オーテピア高知図書館(高知県立図書館・高知市立市民図書館本館)は、県民・市民の課題解決を支援する情報拠点として地域に貢献することを目指す図書館です。この「目指す図書館の姿」は、平成23年に策定された「新図書館基本構想」(以下「基本構想」という。)と、「新図書館等複合施設整備基本計画」(以下「基本計画」という。)において示されたものです。 (2)オーテピア高知図書館サービス計画は、この基本構想と基本計画に基づいて、図書館法及び「図書館の設置及び運営の望ましい基準」(以下「望ましい基準」という。)、国や県、高知市が策定する教育振興基本計画をはじめとする関連計画等との整合性を図りながら策定するものです。 (3)この計画は、効果的かつ効率的な図書館サービスの実施及び図書館サービス水準の維持・向上を図るために、図書館サービスなどの基本的な考え方と具体的な内容及び方策を明らかにするものです。 (4)この計画は、「望ましい基準」第二の1−1−(1)に基づく「事業計画」としても位置付けるものです。 図書館の設置及び運営上の望ましい基準(平成24年12月19日文部科学省告示第172号)[抜粋] 第二 公立図書館 一 市町村立図書館 1 管理運営 (一)基本的運営方針及び事業計画 1 市町村立図書館は、その設置の目的を踏まえ、社会の変化や地域の実情に応じ、当該図書館の事業の実施等に関する基本的な運営の方針(以下「基本的運営方針」という。)を策定し、公表するよう努めるものとする。 2 市町村立図書館は、基本的運営方針を踏まえ、図書館サービスその他図書館の運営に関する適切な指標を選定し、これらに係る目標を設定するとともに、事業年度ごとに、当該事業年度の事業計画を策定し、公表するよう努めるものとする。 3 市町村立図書館は、基本的運営方針並びに前項の指標、目標及び事業計画の策定に当たっては、利用者及び住民の要望並びに社会の要請に十分留意するものとする。 二 都道府県立図書館 6 準用 第二の一に定める市町村立図書館に係る基準は、都道府県立図書館に準用する。 2 第3期計画の期間 令和9年度から13年度までの5年間とします。 (*)を付けた用語については、巻末の「参考資料」に用語説明を掲載しています。 2ページ 3 第3期計画の推進体制と進捗管理 3-1 推進体制 オーテピア高知図書館は、県立図書館と高知市民図書館が共同運営する図書館であることから、それぞれの役割分担を明確にしたうえで、連携して計画の推進に取り組みます。 また、計画の推進にあたっては、関係機関等との連携強化を図り、効果的かつ効率的な図書館サービスを提供します。 計画の推進体制 ○ オーテピア高知図書館 オーテピア高知図書館は、高知県立図書館と高知市民図書館が連携・調整しながら一体的に運営。 オーテピア高知図書館サービス計画推進委員会がオーテピア高知図書館を点検・評価。 高知県立図書館協議会・高知市立市民図書館協議会がオーテピア高知図書館に対して諮問に応じ意見を述べる。 ○ オーテピア オーテピア高知図書館と高知みらい科学館及びオーテピア高知声と点字の図書館が連携・調整。 ○ 利用者との関係 オーテピア高知図書館が利用者(県民・市民、企業・行政・学術研究機関等)に対してサービスを提供、支援。 ○ 関係機関との関係 オーテピア高知図書館が専門機関・支援機関・大学・団体等と連携。 ○ 市町村立図書館等との関係 オーテピア高知図書館が市町村立図書館等と連携。 3-2 進捗管理 第3期計画に基づくサービス・取組の進捗状況については、図書館法第14条に基づき設置されている「高知県立図書館協議会」「高知市立市民図書館協議会」に報告のうえ意見をいただくとともに、図書館の専門家等で構成する「オーテピア高知図書館サービス計画推進委員会(注1)」から点検・評価をいただき、PDCAサイクルによる内部評価と合わせ、サービスの改善及び新たなサービスの展開につなげていきます。計画期間中に、計画と社会状況・進捗状況に大きな乖離が生じた場合には、計画の見直しについても適宜検討を行います。両会議で示された意見・評価等の結果については、図書館のウェブ・サイトで公表します。 また、アンケート調査を定期的に実施することで、利用者の要望や満足度を把握し、サービスの向上につなげます。 (注1)本計画の効果的かつ着実な実施並びに図書館サービスの改善及び新たなサービスの展開に関する協議を行うことを目的として平成31年に設置。図書館専門家及び学識経験者で構成。 3ページ ■第2章 第2期計画に基づく取組の成果と課題 1 第2期計画の概要 「第1期計画(平成29年度から令和3年度)」に基づく取組の成果と課題を踏まえ、令和3年10月に第2期計画が策定されました。第2期計画では、コロナ禍を契機とした社会の変化への対応、県市両図書館の独自機能の向上などを強化・充実のポイントとし、これに基づいた取組を進めてきました。 〇第2期オーテピア高知図書館サービス計画(令和4年度から8年度) 基本理念(基本構想・基本計画における新図書館の目指す姿) これからの高知を生きる人たちに力と喜びをもたらす図書館 基本方針 1 情報提供機関として地域を支える図書館 2 県民・市民の資料要求に応え、課題解決の支援ができる図書館 3 セーフティネットの役割を果たす図書館 4 図書館利用に障害のある利用者に配慮した図書館 5 進化型図書館 サービス・取組 1 オーテピア高知図書館の基礎的サービス(横断的な取組) 各サービス・取組に共通した図書館サービスの基本 (1)資料・情報の提供(貸出し・閲覧・予約・レファレンス) (2)情報リテラシーの向上支援 2 地域を支える情報拠点機能・課題解決支援機能の充実 課題解決支援や地域資料に関わるサービス・取組 (1)ビジネス支援サービス (2)健康・安心・防災情報サービス (3)行政支援サービス (4)高知県関係資料の収集・保存・提供 3 利用者に応じた対象別の図書館サービスの充実 上の1・2のサービス・取組を利用者に合わせて提供するもの (1)児童サービス (2)ティーンズ・サービス (3)多文化サービス (4)図書館利用に障害のある人へのサービス 4 連携・支援及び図書館の活用 県市両図書館の独自機能や他機関等との連携・協力に関わる取組 (1)市町村立図書館等への支援(県立図書館機能) (2)高知市全域サービスの拠点(市民図書館機能) (3)県立学校図書館等との連携・協力(県立図書館機能) (4)大学等の教育・研究機関等との連携・協力 (5)中心市街地活性化への寄与・周辺施設との連携 4ページ 2 取組の分析・評価 2-1 サービス指標の達成状況 第2期計画では、以下の4項目を総括的なサービス指標とし、設定した目標の達成に向けて施策を推進してきました。 �@ 年間個人貸出点数 年間個人貸出点数の推移 令和3年度:1,134,070点 令和4年度:1,103,351点 令和5年度:1,069,907点 令和6年度:1,031,572 令和7年度:989,350点 令和8年度(目標値):1,150,000点 【分析・評価】 個人貸出点数は、令和3年度をピークとして減少傾向となっています。コロナ禍の収束による社会活動の活発化や幅広い年代での読書離れの加速、少子高齢化など、複数の要因が考えられます。県民・市民のニーズに応える新鮮で多様な資料を継続的に提供していくとともに、企画展示や出前図書館(*)など、利用促進のための働きかけにも、より一層力を入れていく必要があります。 �A 年間レファレンス件数 年間レファレンス件数の推移 令和3年度:27,627件 令和4年度:20,621件 令和5年度:20,368件 令和6年度:19,605件 令和7年度:15,286件 令和8年度(目標値):31,000件 【分析・評価】(4ページから5ページにかけて) レファレンス(*)件数は減少が続いています。図書検索機の利用方法等への理解が進んだ結果、資料の所蔵の有無を確認する所蔵レファレンスが大幅に減少したことが主な要因ですが、近年は事項に関するレファレンスについても減少傾向となっています。生成AI(*)の普及が利用者の情報探索行動に影響している可能性も考えられます。レファレンス件数の減少は全国的な傾向で、都道府県立図書館では、ピーク時の平成16年度と比較して約35%減少しています。当館で実施した各種アンケート調査では、サービスの認知度が高まってきているものの、利用には十分につながっていない傾向が見られることから、信頼性の高い情報の提供に加え、利用のハードルを下げる取組も必要です。 �B 県民1人あたりの年間貸出点数 県民1人あたりの年間貸出点数の推移 令和3年度:4.9点 令和4年度:4.8点 令和5年度:4.9点 令和6年度:4.8点 令和7年度:4.7点 令和8年度(目標値):5.2点 【分析・評価】 オーテピア高知図書館の蔵書の充実、協力貸出(*)・相互貸借(*)による市町村立図書館等への資料提供の増加、市町村における新図書館整備の進展等により、県民1人あたりの貸出点数は、オーテピア開館前と比較して大幅に上昇し、全国平均の水準へと近づいています。詳細を見ると、高知市と比較して高知市以外の市町村の伸びが緩やかであることから(15ページ参照)、県立図書館機能である市町村立図書館等への支援を通じて、県内全域の読書環境の改善・充実に引き続き取り組む必要があります。 �C オーテピアの年間入館者数 オーテピアの年間入館者数の推移 令和3年度:766,467人 令和4年度:839,370人 令和5年度:924,593人 令和6年度:962,948人 令和7年度:991,111人 令和8年度(目標値):1,000,000人 【分析・評価】 コロナ禍で大きく落ち込んだ入館者数は年を追うごとに回復しています。令和7年度に当館が実施した「オーテピアによる中心市街地活性化への寄与に関するアンケート」では、オーテピアへの来館と商店街での消費行動には関連性が認められ、入館者数の増加は中心市街地活性化にもプラスの効果を与えると考えられます。まちの賑わいづくりに貢献するためにも、施設の魅力を高めるとともに、商店街や周辺文化施設等と連携・協力した取組を実施していく必要があります。 6ページ 2-2 利用者等へのアンケート調査 第2期計画に基づく取組を分析・評価するとともに、利用者及び関係機関・団体等の図書館サービスに対する満足度やニーズ、図書館の強み、課題などを把握し、第3期計画策定の参考とするため、6区分・8種類のアンケート調査を実施しました。 1 利用者満足度調査 対象:来館者 主な目的:サービスの認知度や満足度・ニーズの把握、課題解決支援型サービスの定着度の把握、図書館の強みや課題の把握 2 関係機関・団体アンケート 関係機関・団体アンケート 対象:課題解決支援分野の関係機関・団体 主な目的:サービスの満足度やニーズの把握、未利用機関等に対する効果的な働きかけの方法についての検討、調査を通じたサービスの周知 3 関係機関・団体アンケート 学校アンケート 対象:県立学校、高知市立学校 主な目的:サービスの満足度やニーズの把握、未利用機関等に対する効果的な働きかけの方法についての検討、調査を通じたサービスの周知 4 バリアフリーサービスアンケート 対象:図書館利用に障害のある人 主な目的:ニーズや利用上の課題の把握、サービス対象者の情報行動に沿った効果的な働きかけの方法についての検討、調査を通じたサービスの周知 5 行政職員アンケート 対象:県・高知市の職員 主な目的:サービスの満足度やニーズの把握、未利用職員に対する効果的な働きかけの方法についての検討、調査を通じたサービスの周知 6 市町村アンケート 市町村立図書館アンケート 対象:県内の市町村立図書館 主な目的:支援に関する取組の満足度やニーズの把握、各市町村が目指す図書館サービスの方向性の把握 7 市町村アンケート 図書室等アンケート 対象:図書館未設置町村の図書室等 主な目的:支援に関する取組の満足度やニーズの把握、各市町村が目指す図書館サービスの方向性の把握 8 外国人アンケート 対象:県内在留外国人 主な目的:ニーズや利用上の課題の把握、サービス対象者の情報行動に沿った効果的な働きかけの方法についての検討、調査を通じたサービスの周知 ※実施状況や結果の詳細は、「『オーテピア高知図書館サービス計画』に基づくアンケート調査報告書」を参照のこと 7ページ ○ アンケート結果の概要 �@利用者満足度調査 ?「本・雑誌の品ぞろえ」に対する利用満足度は非常に高い。一方、「電子書籍サービス」や「データベース(*)の提供」については、「わからない/利用したことがない」の割合が高く、電子媒体の認知度・利用度が低い。 ?調査を行ったサービスの中で利用度が最も高いのは「レファレンス・サービス」(35.4%)で、次いで「図書・雑誌を近隣の図書館に取り寄せて借りるサービス」(34.4%)である。 ?「図書館が暮らしや仕事の疑問・困りごとの解決に役立ったことがあるか」の問いに対しては60%以上が「ある」と回答した。 ?今後期待するサービスは、「本・雑誌の品ぞろえ」が91.3%と圧倒的に多く、次いで「レファレンスに対する司書の専門性の向上」が71.7%となっている。その他のサービスはおおむね60%台、「電子書籍の充実」は57.6%であった。 �A 関係機関・団体アンケート調査 ?各サービスの認知度は、高い順に「貸し施設」(89.6%)、「レファレンス・サービス」(78.8%)、「データベースの提供」(70.8%)となっている。 ?利用度では「チラシやパンフレットの館内配置」(60.3%)、「貸し施設」(55.3%)が高く、認知度で上位だった「レファレンス・サービス」(11.5%)、「データベースの提供」(14.2%)は低い。 ?満足度では「イベントを開催する際の関連本展示」と「出前図書館」を「大いに満足」とする回答がそれぞれ89.5%、83.3%と非常に高い。その他のほぼ全てのサービスでも「(大いに・だいたい)満足」が100%となっている。 ?図書館の活用が業務に役立つと「思う・おおむね思う」が71.1%、「思わない・あまり思わない」が12.2%となっている。 ?情報の入手方法は「インターネット」(87.0%)が最も多いが、「書籍の購入」(68.7%)も比較的多い。「専門新聞・雑誌の購入」は前回調査から大きく減少した。 ?今後期待するサービスは、「本や雑誌の品ぞろえ(紙媒体)」(53.0%)、「本や雑誌の品ぞろえ(電子書籍)」(41.7%)、「図書館の場や資源を活用した広報活動」(32.2%)の順となっている。 �B 学校アンケート調査 ?各サービスの認知度は、高い順に「貸し施設」(99.0%)、「電子書籍サービス」(98.0%)、「団体貸出」及び「学校見学の受入れ」(95.9%)である。 ?利用度では「団体貸出」(67.0%)が最も高く、次いで「学校見学の受入れ」(54.3%)、「レファレンス・サービス」(44.0%)となっている。 ?満足度については「レファレンス・サービス」「学校見学の受入れ」「児童図書選定支援コーナー」は「大いに満足」の回答が80%前後と高い。その他のほとんどのサービスも、「(大いに・だいだい)満足」が100%となっている。 ?情報の入手方法は「インターネット」(86.7%)が多いが、自校の図書館(94.9%)、オーテピア高知図書館(66.3%)、市町村立図書館(55.1%)など、図書館の利用も多い。 8ページ �C バリアフリーサービスアンケート ?サービスについては、「知らない」(58.4%)、「知っているものはあるが、利用したことがない」(27.9%)、「利用したことがある」(13.7%)の順となっており、認知度・利用度ともに低い。高知市外在住者では「知らない」(69.4%)がさらに高い。 ?サービスを利用しない最大の理由は、「図書館に行くことが難しい」(17.3%)、「図書館を利用する必要がない」(14.3%)、「地元の図書館を利用しているから」(11.2%)の順となっている。 ?オーテピア高知図書館に来館したことが「ある」と回答した人は54.1%で、前回調査から20.5ポイント増加しているが、高知市外在住者では「ない」と回答した人が過半数(50.9%)となっている。 ?今後利用したいサービスは、「宅配貸出サービス」(74.4%)が最も多く、「対面音訳(*)サービス」(12.8%)は少ない。 ?情報の入手方法は「家族・知人」(63.3%)、「テレビ」(58.0%)、「インターネット」(49.4%)の順となっている。 �D 行政職員アンケート ?各サービスの認知度は、高い順に「貸し施設」(82.3%)、「レファレンス・サービス」(58.3%)、「チラシやパンフレットの館内配置」(51.9%)である。「知っているが利用したことはない」と回答した割合は、「レファレンス・サービス」(49.0%)が最も高い。 ?利用度が10%を超えたサービスは「貸し施設」(39.4%)、「チラシやパンフレットの館内配置」(15.5%)のみである。 ?情報の入手方法は「インターネット」(93.2%)、「個人で書籍等を購入」(37.6%)、「所属で書籍等を購入」(29.9%)の順となっている。「オーテピア高知図書館の利用」は17.9%であった。 ?「図書館活用が業務に役立つと思うか」という質問に対して71.7%が「思う・おおむね思う」と回答している。「役立たないと思う理由」としては、「図書館以外で必要な資料・情報を得ることができる」(33.2%)、「図書館を利用する時間がない」(18.4%)、「業務に図書館がどう役立つか想像がつかない」(14.7%)の順となっている。 ?今後期待するサービスは、「本や雑誌の品ぞろえ」(54.7%)、「電子書籍の品ぞろえ」(27.6%)の順となっている。 �E 市町村立図書館アンケート ?「よく利用する」割合が高かったのは「物流サービス」(93.3%)、「横断検索システムや相互貸借システムの提供」(86.7%)、「協力貸出」(76.7%)など、資料提供に関するものである。 ?満足度は、ほぼ全ての取組で100%となっている。 ?今後期待する取組としては、研修と資料提供に関するものが多い。 ?資料の品ぞろえで期待が大きい分野は、「就職・資格取得」(43.3%)、「医学・健康」(33.3%)、「バリアフリー資料(*)」(26.7%)、「情報・IT」(23.3%)、「外国語資料」(20.0%)の順となっている。 ?自館が今後重視するサービスとしては、「生活を楽しむことに役立つ資料の収集・提供」(100%)、「子どもと本を結ぶサービス」(96.6%)、「暮らしの安心に関する資料の収集・担当課と連携した取組の実施」「レファレンス・サービス」(93.1%)、「高齢者を対象とした図書館サービス」(92.9%)の順となっている。 9ページ �F 図書室等アンケート ?「よく利用する」割合が最も高かったのは「移動図書館による貸出」「物流サービス」(91.7%)で、「協力貸出」(63.6%)が続いている。逆に、「ほとんど利用しない」「内容を知らない」と回答した割合は、「協力レファレンス」「児童図書選定支援コーナー」(70.0%)が最も高く、次いで「横断検索システムの提供」「ブログによる情報発信」(40.0%)となっている。 ?今後期待する支援で最も多かったものは、「本の品ぞろえの充実」「移動図書館の運行・搭載する本の品ぞろえの充実」(100%)で、充実を期待する分野は、「趣味・娯楽」(75.0%)、「小説・エッセイ」(58.3%)、「絵本」(33.3%)、「料理・手工芸」(25.0%)の順である。 �G 外国人アンケート ?回答者の96.3%が20から30代で、86.2%が高知県での居住期間が3年未満である。滞在資格は留学(52.3%)、特定技能(11.2%)の順となっている。 ?オーテピア高知図書館に来たことが「ある」が62.0%、「ない」が38.0%となっている。来館したことがない理由は、「オーテピア高知図書館を知らない」(50.0%)、「図書館に行くことができない」「日本語が読めない・話せない」(ともに13.2%)の順となっている。 ?欲しい本(日本語の本)は、「日本語を勉強する本」(79.6%)が最も多く、「日本の生活・ルールがわかる本」(37.0%)、「小説・趣味の本」(36.1%)と続いている。外国語で書かれた本についても「日本語を勉強する本」(68.3%)が最も多く、次いで「小説・趣味の本」(41.3%)、「日本の生活・ルールがわかる本」(38.5%)の順となっている。 ?情報の入手方法は「インターネット」(88.0%)が最も多く、次いで「YouTube」(47.2%)、「学校(お知らせ・先生)」(27.8%)であった。 【分析・評価】 ?図書館の基盤的なサービスである資料提供(紙媒体)に対する評価は、回答者の属性にかかわらず非常に高くなっています。現在の資料提供に対する評価・信頼が今後の期待にもつながるという好循環が生まれていることが窺えます。一方、電子書籍等の電子媒体の利用度・期待度は紙媒体に比べて低く、認知度も十分でないことから、サービスの周知・広報が必要です。 ?レファレンス・サービスの認知度は徐々に向上しており、利用満足度も高くなっていますが、「知っているが使ったことはない」人も依然として多い状況です。レファレンス事例の紹介など、サービスの内容を可視化することで利用のハードルを下げる取組や、司書の専門性の向上が引き続き求められます。 ?課題解決支援サービスで連携している機関・団体からは、図書館の施設、集客力、豊富な資料などが高く評価・期待されていることが読み取れます。これらの強みと各機関・団体が持つ専門性を組み合わせることによって、情報を必要とする県民・市民に、より適切な情報が届けられるよう、協力関係をさらに深めていく必要があります。 ?県・高知市の職員については、図書館の有用性に関する理解は得られているものの、業務での積極的な活用には至っていない状況です。県庁・市役所内のネットワーク等も活用しながら、職員研修の場での図書館活用講座の実施やプッシュ型の広報などにより、活用についてより一層働きかけていく必要があります。 10ページ ?バリアフリーサービスや多文化サービスは、依然として認知度が低いことが課題です。バリアフリーサービスでは、利用しない理由に突出して高いものがないことから、図書館の存在自体が十分に認知されていないことが推測されます。多文化サービスについては、近年増加している技能実習生からの回答が少なく、図書館とサービス対象者がつながることの難しさが表れています。いずれのサービスについても、家族や学校、職場の人からの口コミ、関係機関・団体との連携、SNSなど、さまざまな方法を駆使して周知を図る必要があります。 ?県立図書館の独自機能である市町村立図書館・図書室に対する各種支援は、利用度・満足度とも高くなっています。回答からは、市町村の図書館においても課題解決支援型のサービスへの関心が高まりつつあることが窺え、資料の充実を期待する分野として、医学やIT、ビジネス、外国語資料、バリアフリー資料など、変化のスピードが速い分野や、書店での購入が難しい分野が多く挙げられています。一方、図書館未設置町村では、趣味や文学、児童書など、読書を楽しむための基本的な資料へのニーズが依然として高く、市町村の多様化するニーズに応じた、よりきめ細かな支援が求められるようになっています。 2-3 「サービス計画」意見交換 専門機関等と連携した課題解決支援サービスの取組について、第2期計画の成果・課題や、第3期計画の方向性等について意見を伺うため、以下の4分野の機関・団体等の実務担当者と意見交換を実施しました。 期間:令和7年10月31日から令和7年12月4日 分野:�@商工・農林水産業 �A健康・福祉 �B防災 �C中心市街地活性化 区分:資料 サービス・取組:資料の収集・提供 いただいた意見(抜粋): ・詳細な業界の動向や数字を求めている。図書館が専門誌・機関誌の収集・提供することに価値がある。 ・過去の情報の正確な蓄積が図書館の価値。その情報を効果的に届ける仕組みの構築が必要。 ・利用者が自らの意思で風を読む力を獲得するために必要な良質な資料・情報を提供してほしい。 ・最新情報を利用者の目に触れる場所で提供してほしい。 区分:レファレンス・サービス サービス・取組:レファレンス・サービス いただいた意見(抜粋): ・業界分析を継続、かつ深掘りして専門性を高めてほしい。 ・業務関連情報の効率的かつ正確な収集に非常に有効で必要不可欠。情報の信憑性を担保する役割を期待する。 ・リサーチに関するアドバイスの提供や、図書館の調べもの支援機能、レファレンス・サービス等の周知を希望する。 ・図書館が「あらゆる分野の相談窓口」としての機能を持ち、適切な情報や支援機関へ案内することが大切。 区分:PR サービス・取組:図書館活用事例の広報 いただいた意見(抜粋) ・図書館に来ない層にも、図書館の利用に関する情報を届けられたらよい。 ・サービス一覧(団体向け)のポスターなどがあれば分かりやすいのではないか。 ・関連図書の展示や出前図書館によって図書館利用のハードルを下げ、Win-Winの関係を築けるとよい。 ・具体的な業務に図書館がどう役立つのか認識できていない職員もいるので、調べもの支援機能、レファレンス・サービス等の周知を希望する。 区分:連携 サービス・取組:各機関と連携したセミナー・相談会等の実施 いただいた意見(抜粋) ・これまでの連携イベントに満足している。図書館と他業種・機関との連携にも加わりたい。 ・どのような本があるか分からないため、相談員と司書の間で情報共有ができればよい。 サービス・取組:広報への支援 ・図書館を所属の活動や情報を発信する重要な拠点としたい。 ・幅広い年代にアプローチできるオーテピアを通じて広報・啓発をしたい。 ・図書館の持つ発信力と信頼性を生かして、県民に自主的な防災行動を促すことを期待する。 ・情報収集・発信等で相互連携・協力をしたい。 区分:情報リテラシー(*) サービス・取組:図書館活用講座の実施 いただいた意見(抜粋) ・図書やデータベース等を活用した業界動向・市場動向調査を実践することで、職員が図書館を実務で活用する方法を学ぶ機会となるかもしれない。 ・毎年、作ってもらった活用講座の動画を受講者に見せており、非常にありがたい取組。 ・誰かにやってもらうのではなく、「問題を自分たちでなんとかする」という意識の醸成がオーテピアの活用を通じてできればと考えている。 区分:アウトリーチ(*) サービス・取組:アウトリーチの実施 いただいた意見(抜粋) ・相互理解を深めるため、定期的な意見交換の機会を設けたい。 ・図書館サービスについて改めて知らせてもらえる今回のような意見交換の機会をつくってほしい。 11ページ 2-4 オーテピアの中心市街地活性化への寄与に関するアンケート調査 オーテピアの中心市街地活性化への寄与の効果について測定することを目的として、来館者を対象として、利用者満足度調査と併せて実施しました。回答の分析は、高知大学の大崎優講師に依頼しました。 実施日:令和7年8月19日(火曜日)、8月22日(金曜日)、8月24日(日曜日)    調査内容:中心市街地での周遊・消費行動について    有効回答数:1,407件 12ページ 【分析結果】 ?来館者のうち、中心市街地での消費行動に影響が大きいのは10代、60代、70代である。 ?60代と70代はオーテピアに来館したついでに買い物をする傾向が高く、10代は飲食のついでにオーテピアへ来館する傾向が高くなっている。消費額の中央値はいずれも1,000円である。 ?オーテピアでのシニア層を対象としたイベントの開催や、中心市街地で開催される若者向けイベントでの連携等により、地域への経済的な寄与度をさらに高められる可能性がある。 3 高知県の図書館等の状況 オーテピア高知図書館は、県内全域の読書・情報環境の改善に貢献する役割も担っています。各市町村での取組の成果もあり、県内の公共図書館の状況には一定の改善が見られます。資料費については、新しい図書館の開館に向けて、全国同規模自治体の平均を上回る予算を確保する市町村が複数出てきている一方で、整備計画のない市町村の多くは横ばい、もしくは減少傾向にあります。中山間地域を中心とした図書館未設置町村はさらに状況が厳しく、市町村の三極化が見られます。「高知県図書館振興計画」(高知県教育委員会)が目指す「住民が生涯にわたり地域で学び続けることのできる読書・情報環境」の実現のため、各市町村の状況に応じた継続的な支援が不可欠です。 (1) 蔵書数の推移 県内では、近年、新しい図書館の整備が続いており、蔵書数は県立・市町村立ともに増加しています(図1から3)。日本図書館協会の「公立図書館の任務と目標 図書館システム整備のための数値基準2023改訂」(注2)に基づく望ましい蔵書数の算定と比較すると、県全体としては上昇しているものの、人口区分別に見ると、小規模自治体を中心に依然として十分ではないことが分かります。(図4,5)。 都道府県別の年間図書受入冊数においては、高知県は平成20年度には46位でしたが、令和6年度には30位へと上昇しました。内訳を見ると、県立図書館1館で受入冊数全体の21.6%(全国2位)を占めており、県立図書館が県内全域の読書環境を下支えしている状況にあるといえます(図6)。蔵書総冊数については全国最下位が続いていますが、人口同規模県との差は徐々に縮小しています。 図1 県立図書館蔵書数 平成10年度:449千冊 平成15年度:517千冊 平成20年度:489千冊 平成25年度:640千冊 平成30年度:760千冊 令和6年度:924千冊 図2 高知市民図書館蔵書数 平成10年度:594千冊 平成15年度:720千冊 平成20年度:905千冊 平成25年度:949千冊 平成30年度:989千冊 令和6年度:1,189千冊 13ページ 図3 市町村立図書館蔵書数 平成10年度:高知市民図書館594千冊、その他の市町村立図書館872千冊、合計1,466千冊 平成15年度:高知市民図書館720千冊、その他の市町村立図書館1,027千冊、合計1,747千冊 平成20年度:高知市民図書館905千冊、その他の市町村立図書館1,113千冊、合計2,018千冊 平成25年度:高知市民図書館949千冊、その他の市町村立図書館1,262千冊、合計2,211千冊 平成30年度:高知市民図書館989千冊、その他の市町村立図書館1,438千冊、合計2,427千冊 令和6年度:高知市民図書館1,189千冊、その他の市町村立図書館1,636千冊、合計2,825千冊 図4 「望ましい基準」算定地との比較 平成10年度:基準値から算定した冊数6,248千冊、市町村立図書館の蔵書総数1,466千冊 平成15年度:基準値から算定した冊数6,258千冊、市町村立図書館の蔵書総数1,747千冊 平成20年度:基準値から算定した冊数4,853千冊、市町村立図書館の蔵書総数2,018千冊 平成25年度:基準値から算定した冊数4,739千冊、市町村立図書館の蔵書総数2,211千冊 平成30年度:基準値から算定した冊数4,714千冊、市町村立図書館の蔵書総数2,427千冊 令和6年度:基準値から算定した冊数4,701千冊、市町村立図書館の蔵書総数2,668千冊 図5 人口段階別「望ましい基準」算定値の達成率 人口5.2千人未満:自治体数a 8、基準値b 90,117、基準値から算定した冊数(a*b) 720,936、蔵書数(令和6年)265,032、達成率 36.8% 人口1万人未満:自治体数a 1、基準値b 115,557、基準値から算定した冊数(a*b) 115,557、蔵書数(令和6年)54,736、達成率 47.4% 人口2万人未満:自治体数a 8、基準値b 167,717、基準値から算定した冊数(a*b) 1,341,736、蔵書数(令和6年)555,831、達成率 41.4% 人口3万人未満:自治体数a 3、基準値b 214,717、基準値から算定した冊数(a*b) 644,151、蔵書数(令和6年)326,763、達成率 50.7% 人口4万人未満:自治体数a 2、基準値b 261,717、基準値から算定した冊数(a*b) 523,434、蔵書数(令和6年)320,572、達成率 61.2% 人口5万人未満:自治体数a 1、基準値b 308,717、基準値から算定した冊数(a*b) 308,717、蔵書数(令和6年)112,750、達成率 36.5% 人口30万人:自治体数a 1、基準値b 1,046,827、基準値から算定した冊数(a*b) 1,046,827、蔵書数(令和6年)1,189,069、達成率 113.6% 計:基準値から算定した冊数(a*b) 4,701,358、蔵書数(令和6年度)2,667,877、達成率 56.7% 図6 県全体の受入冊数に占める都道府県立図書館の割合(令和6年度) 鳥取23.0%、高知21.6%、青森19.6%、秋田18.5%、和歌山16.2%、長崎15.7%、島根15.5%、福井15.4%、京都15.3%、徳島15.0%、石川14.8%、香川14.3%、大分13.9%、鹿児島13.5%、富山12.8%、沖縄12.6%、岡山12.2%、佐賀12.2%、山梨10.1%、滋賀9.9%、宮城9.8%、山形9.1%、宮崎8.8%、福島8.8%、広島8.2%、群馬8.2%、岩手7.8%、熊本7.7%、岐阜7.4%、愛媛6.9%、奈良6.6%、三重6.5%、全国平均6.5%、静岡6.4%、大阪6.1%、山口5.5%、茨城5.0%、長野4.1%、新潟4.0%、福岡3.6%、北海道3.6%、栃木3.2%、千葉3.0%、神奈川2.8%、埼玉2.8%、東京2.1%、愛知1.7%、兵庫1.2% (注2)平成20年6月の改正図書館法に基づく新たな「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」の策定にあたり、文部科学省生涯学習政策局長からの委嘱を受け、「これからの図書館の在り方検討協力者会議」がまとめた報告書に示されている基準値。図書館がその任務を果たすために最低限必要なインフラの質と量を人口規模別に具体化したもの。2023年に最新の統計データを基に改訂。 14ページ (2) 資料費の推移 県立図書館と高知市民図書館は、オーテピア開館後、高い水準の資料費を維持しています(図7,8)。高知市以外の市町村では資料費総額は増加していますが(図10,11)、この伸びは新しい図書館を整備する市町村が押し上げた面が大きく、市町村立図書館の中で格差が表れつつあります。また、新図書館の開館後に資料費が大幅に減少する事例も少なくないことから、整備が一段落する今後の動向について注視していく必要があります。都道府県別の資料費については、平成20年度以前は最下位が続いていましたが、令和5年度は28位へと上昇しています。全国的に減少が長く続いていましたが、ここ数年は増加傾向が見られます。 図7 県立図書館資料費 平成10年度:36,264千円 平成15年度:30,151千円 平成20年度:25,718千円 平成25年度:80,322千円 平成30年度:108,220千円 令和6年度:107,020千円 図8 高知市民図書館資料費 平成10年度:74,557千円 平成15年度:87,427千円 平成20年度:60,267千円 平成25年度:72,999千円 平成30年度:82,246千円 令和6年度:82,115千円 図9 市町村立図書館資料費 平成10年度:高知市民図書館74,557千円、その他の市町村立図書館112,986千円、合計187,543千円 平成15年度:高知市民図書館87,427千円、その他の市町村立図書館74,387千円、合計161,814千円 平成20年度:高知市民図書館60,267千円、その他の市町村立図書館60,144千円、合計120,411千円 平成25年度:高知市民図書館72,999千円、その他の市町村立図書館80,313千円、合計153,312千円 平成30年度:高知市民図書館82,246千円、その他の市町村立図書館94,555千円、合計176,801千円 令和6年度:高知市民図書館82,101千円、その他の市町村立図書館110,383千円、合計192,484千円 図10「望ましい基準」算定値との比較 平成10年度:基準値から算定した額502,512千円、市町村の資料費決算額総計187,543千円 平成15年度:基準値から算定した額497,723千円、市町村の資料費決算額総計161,814千円 平成20年度:基準値から算定した額380,944千円、市町村の資料費決算額総計120,411千円 平成25年度:基準値から算定した額379,476千円、市町村の資料費決算額総計153,312千円 平成30年度:基準値から算定した額373,712千円、市町村の資料費決算額総計176,801千円 令和6年度:基準値から算定した額318,160千円、市町村の資料費決算額総計192,484千円 図11 人口段階別「望ましい基準」算定値の達成率 人口5.2千人未満:自治体数a 8、基準値b 5,640、基準値から算定した額(a*b) 45,120、令和5年度決算額総計(千円)15,636、達成率 34.7% 人口1万人未満:自治体数a 1、基準値b 7,310、基準値から算定した額(a*b) 7,310、令和5年度決算額総計(千円)5,544、達成率 75.8% 人口2万人未満:自治体数a 8、基準値b 10,720、基準値から算定した額(a*b) 85,760、令和5年度決算額総計(千円)43,637、達成率 50.9% 人口3万人未満:自治体数a 3、基準値b 13,740、基準値から算定した額(a*b) 41,220、令和5年度決算額総計(千円)17,073、達成率 41.4% 人口4万人未満:自治体数a 2、基準値b 16,760、基準値から算定した額(a*b) 33,520、令和5年度決算額総計(千円)18,478、達成率 55.1% 人口5万人未満:自治体数a 1、基準値b 19,790、基準値から算定した額(a*b) 19,790、令和5年度決算額総計(千円)10,015、達成率 50.6% 人口30万人:自治体数a 1、基準値b 85,440、基準値から算定した額(a*b) 85,440、令和5年度決算額総計(千円)82,101、達成率 96.1% 計:基準値から算定した冊数(a*b) 318,160、令和5年度決算額総計(千円)192,484、達成率 60.5% 15ページ (3) 貸出数の推移 県民1人あたり貸出数は、オーテピア高知図書館や複数の市町村での新図書館整備の効果により増加しています(図12)。ただし、県全体を牽引してきた高知市の貸出数が近年は横ばいとなってきていることから、1人あたり貸出数をさらに伸ばしていくためには、全ての市町村立図書館におけるサービスの活性化・利用促進が重要となります。全国平均を見ると、図書館数の伸びが鈍化したことやコロナ禍による図書館利用の落ち込みの影響等により減少傾向となっています。 図12 1人あたり貸出数の推移 平成10年度:高知市民図書館 4.09、その他の市町村立図書館 1.97、県民1人あたり貸出数 2.82、全国平均 4.49 平成15年度:高知市民図書館 4.63、その他の市町村立図書館 2.26、県民1人あたり貸出数 3.22、全国平均 5.13 平成20年度:高知市民図書館 5.04、その他の市町村立図書館 2.59、県民1人あたり貸出数 3.67、全国平均 5.44 平成25年度:高知市民図書館 4.60、その他の市町村立図書館 2.72、県民1人あたり貸出数 3.65、全国平均 5.42 平成30年度:高知市民図書館 6.43、その他の市町村立図書館 2.89、県民1人あたり貸出数 4.42、全国平均 5.13 令和6年度:高知市民図書館 6.89、その他の市町村立図書館 3.18、県民1人あたり貸出数 4.79、全国平均 4.75 (4) 図書館未設置町村の状況 県内では、令和7年度末時点で10町村に公立図書館がなく、図書館設置率は70.6%(全国36位)となっています。未設置町村では公民館図書室等で図書の貸出しなどに取り組んでおり、一部には常駐職員の配置や、蔵書の充実を図ることにより、図書館と同程度のサービスを提供しているところもありますが、設置市町村と比較すると非常に厳しい環境に置かれています(図13)。 図13 図書館設置23市町村(高知市を除く)の平均を1としたときの未設置町村の平均値(令和6年度)※県立図書館調べ 未設置10町村の平均値 購入冊数:0.14、資料費(決算額):0.10、個人貸出数:0.08、1人あたり貸出数:0.47、人口:0.18 16ページ 4 社会情勢の変化や施策に関する動き ○ 人口減少・高齢化の加速、地域経済の縮小への対応 コロナ禍で一時高まった地方移住への関心は、社会経済活動の正常化により転換点を迎え、東京圏への人口流入が再び加速しています。国は令和7年に策定した「地方創生2.0」において、若者や女性にも選ばれる地域づくり、関係人口の創出、AI・デジタルの社会実装などにより、誰もが安心して暮らし、働ける地方の創出を目標に掲げていますが、高知県では移住者数は増えているものの、進学や就職を機とした若年層の転出が顕著となっています。若者の流出は、少子高齢化の加速や労働人口の減少、公共交通・医療・行政サービスの縮小など多方面に影響を及ぼしており、地域経済の縮小にもつながっています。 こうした状況に歯止めをかけるべく、県の「第5期高知県産業振興計画ver.2」(令和7年)では、高賃金・高付加価値な雇用の創出による若者の定着、イノベーションの強化、「地消地産」などにより、県民所得を引き上げることを目標に取り組んでいます。高知市においても、「第1次高知市中小企業・小規模企業振興戦略プラン」(令和5年)に基づき、中小企業者等の経営基盤の強化や人材育成への支援、稼ぐ力の強化など、地域産業の存続と発展に重点を置いた取組を展開しています。オーテピア高知図書館は、リスキリングや資格取得、起業などに役立つ資料・情報の提供などを通じて、これらの産業振興の施策を情報面から後押しします。 ○ スマートシュリンク(賢い縮小)への対応 県では、上記の取組を進めつつ、当面は人口減少が避けられない現状への対策として、令和6年に人口減少対策のマスタープランとして「高知県元気な未来創造戦略」を策定しました。対策の一つとして、重複する組織・機能の「集合」と「縮小」、真に必要なサービスの「伸長」、新しいやり方の「創造」の「4S」により、持続可能な社会の実現を目指す「スマートシュリンク」に取り組むこととしています。 図書館への影響という点では、今後、地域の図書館までの移動手段の途絶や公共施設の機能縮小等により、図書館サービスの利用に困難が生じる人が増加する恐れがあります。全国で初めて(創造)、県市合築(集合)によりサービスの向上(伸長)を図ったオーテピア高知図書館は、スマートシュリンクを先駆けて体現した施設と言えます。今後も、自館の取組の成果を高めると同時に、高知県の資料・情報拠点として、市町村立図書館や各種専門機関等とも連携し、限られた資源を効果的・効率的に活用し、県内全域の情報環境の維持・向上に取り組んでいく必要があります。 ○ 健康長寿のまちづくりに向けた動き(16ページから17ページにかけて) 「第5次国民健康づくり対策(健康日本21(第三次))」を踏まえ、令和6年に県・高知市がそれぞれ策定した「第5期高知県健康増進計画」「第三期高知市健康づくり計画」は、健康寿命の延伸や働きざかり世代の死亡率の改善等を目標として掲げています。特に、市の計画では、検診などの直接的な取組に加え、「健康に関心が薄い人も自然に健康になれる環境づくり」を重点施策の一つとしています。 図書館は、赤ちゃんから高齢者まで、あらゆる世代の方が日常的に利用し、利用する中で健康に関する情報に自然に接することができるという特性があり、健康な人や健康に関心の薄い人に対する取組との親和性が高い施設といえます。また、図書館の蔵書数とその地域の高齢者の要介護リスクには相関関係があるとの研究もあり、これは、充実した図書館の存在が健康長寿のまちづくりに有益である可能性を示唆するものです。こうしたことからも、健康分野の施策を進めるうえで、図書館サービスの充実は非常に重要であるといえます。 ○ 在留外国人の増加と多文化共生の推進 人口減少に伴う労働力不足を背景に外国人労働者は年々増加しており、地域産業の重要な担い手となっています。令和9年には「育成就労制度」の施行が予定されるなど、外国人材を地域社会の一員として迎え入れる動きが加速しています。 県においても、令和6年に「第2期外国人材受入・活躍推進プラン」を策定し、受入れや定着促進の取組を進めています。 オーテピア高知図書館もこのプランに参画し、外国人材やその雇用主等に対する資料・情報の提供、市町村における日本語教室の実施に向けた協力、多文化理解講座の実施などにより、外国人と地域住民が共に安心して暮らせる高知県の実現に向けた取組を進めてきました。一方で、サービスの認知度が低いことが課題となっており、関係機関・団体や市町村立図書館等との連携及び広報の強化が必要です。 ○ デジタル技術の進化と情報リテラシーの必要性の高まり 生成AIをはじめとするデジタル技術の飛躍的な進化は、業務の効率化や生活の利便性向上など、私たちに多くの恩恵をもたらす一方で、偽情報の拡散、著作権やプライバシーの侵害、デジタル・デバイド(格差)(*)の拡大など、新たなリスク・課題も顕在化しています。 国は「デジタル田園都市国家構想」において、誰もがデジタル化の恩恵を享受できる「誰一人取り残されないデジタル社会」を目指すとしています。県も「第2期高知県デジタル化推進計画」(令和7年)において、デジタル技術の活用によって暮らしや仕事を変容させ、人口減少社会に挑戦する取組を推進しています。こうした取組の土台となるのは、私たち一人ひとりが必要とする情報を収集・評価し、適切に活用できる力、すなわち「情報リテラシー」です。特に、AIの普及により、利用者がAIの回答のみで満足し、情報の出典・根拠を確認しない傾向が強まっているとも指摘されています。図書館には、AI等の新たな情報探索手段を適切に利用できるように支援するとともに、信頼できる資料を収集・保存し、利用者が原資料や一次情報へさかのぼって確認できる環境を提供する役割が、引き続き求められます。 ○ 南海トラフ地震と自然災害の激甚化への備え 本県にとって最大の脅威である南海トラフ地震は、年々、切迫度が高まっています。令和6年8月には、初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表され、平時からの備えの重要性が改めて浮き彫りとなりました。また、自然災害の頻発、激甚化の傾向も顕著となっており、令和6年の能登半島地震では地震被害に豪雨災害が重なり、復旧活動が困難を極めたことは記憶に新しいところです。こうした大規模災害に対して、県民一人ひとりが日頃から正しい知識に基づいて自ら判断し、行動できる力を高めていく必要があります。 オーテピア高知図書館は、健康・安心・防災に関する資料・情報の提供をサービスの柱の一つとして取り組んでおり、今後も関係機関・団体と連携して、防災情報の普及・啓発をより一層進めていく必要があります。また、「オーテピア高知図書館事業継続計画(BCP)」の継続的な見直し等を通じて、災害への対応力を高めていくことも必要です。 ○ 「第4期教育振興基本計画」の策定(17ページから18ページにかけて) 令和5年に策定された国の「第4期教育振興基本計画」では、持続可能な社会の発展に向けて生涯学び続ける人材の育成、教育DX、子どもが持つ背景が多様化・深刻化する中で誰一人取り残されない教育の推進等が基本方針とされています。図書館等の社会教育施設については、社会教育の拠点としての役割を明確化して機能強化を図り、その際には、貧困の状態にある子ども、外国人、障害者とその家族、社会的に孤立しがちな若者や高齢者など、困難な立場に置かれている人々の社会的包摂の観点からの対応が求められるとしています。図書館は、誰でも自由に気兼ねなく利用できることから、近年、職場(学校)・家庭とは異なる第3の居場所「サード・プレイス」としても注目されています。図書館が持つ資料・情報と場の特色を、さまざまな事情・背景を持つ人の学びに生かしていく必要があります。 ○ 「第五次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」の策定 令和5年3月に閣議決定された国の「第五次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」では、計画の基本的方針として�@不読率の低減、�A多様な子どもたちの読書機会の確保、�Bデジタル社会に対応した読書環境の整備、�C子どもの視点に立った読書活動の推進が掲げられています。 県では「第四次高知県子ども読書活動推進計画(令和4年度から8年度)」、高知市では「第四次高知市子ども読書活動推進計画(令和7年度から11年度)」に基づき、学校・家庭・図書館等さまざまな場面での読書活動の推進や、情報活用力の向上などに取り組んでおり、オーテピア高知図書館も、県市が協力しながら両計画を推進しています。 ○ 「こども基本法」の施行と「こども大綱」の策定 令和5年4月、子どもの権利を守り、子どもを真ん中に据えた社会の実現を目指す「こども基本法」が施行され、同年12月には「こども大綱」が閣議決定されました。この大綱では、こども施策に関する基本的な方針として、子ども・若者を権利の主体として認識し、子どもや若者、子育て当事者等の意見を聴き、対話しながら共に施策を進めていくこと、ライフステージに応じて切れ目なく支援していくこと、貧困と格差の解消を図り、全ての子ども・若者が幸せな状態で成長できるようにすることなどを掲げています。法の施行と大綱の策定を受け、県は令和7年「高知県こども計画」を策定し、他の行政計画との整合性も図りながら、一元的にこども施策に取り組むこととしています。 ○ 「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画(第2期)」の策定 国の第2期「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画(読書バリアフリー(*)基本計画)」(令和7年策定)では、第1期での成果と課題を踏まえつつ、アクセシブルな書籍・電子書籍のさらなる普及・提供、生成AI等の技術の活用等が基本的な方向性として掲げられています。 県においても、令和7年1月に「高知県読書バリアフリー計画」を策定し、障害の有無にかかわらず、県内のどこに住んでいても気軽に読書ができることを基本方針として、行政・福祉・医療・教育の各機関が連携・協力し、必要な人に必要な資料・情報を届けるための環境整備に取り組んでいます。今後、高齢や障害等の理由で活字による読書に困難を生じる人が増加することが予想されます。全ての人に読書による学びが保障されていることは、包摂的な社会を構築する上で不可欠な基盤であり、図書館においても取組を強化していく必要があります。 ○ 書店振興と地域文化の維持に向けた動き 全国的に書店の減少が加速しており、一般財団法人出版文化産業振興財団による令和6年時点の調査では、書店が1つもない「無書店自治体」が全国で約28%に上るとされています(高知県は約47%)。 19ページ こうした状況を受け、国は令和7年6月、関係省庁が連携して「書店活性化プラン」を公表しました。プランでは、書店を「地域住民にとって、多様な作品に触れることができる地域の重要な文化拠点であり、さまざまな考え方を吸収し、受け入れられる国民性と深く結びついており、国力の源」と位置づけ、活字文化の振興や業界慣行の見直し、経営改善の支援等により、書店の振興に取り組むことが示されました。図書館との関係では、「�U−�A 書店と図書館における連携の推進」として、図書館における複本購入や新刊貸出の状況、地域の書店からの図書の購入及び装備費の扱い等について調査・検討していくとしています。 20ページ ■第3章 第3期計画の基本方針 1 基本方針と取組の方向性 オーテピア高知図書館は、開館前年度の平成29年度からサービス計画に則って取組を進めています。第3期計画においても、基本理念「これからの高知を生きる人たちに力と喜びをもたらす図書館」と5つの基本方針を概ね継承しつつ、デジタル化の進展等の社会動向、人口減少や高齢化の加速等の地域課題の解決に資する取組の充実・強化を図ります。 基本方針�T 情報提供機関として地域を支える図書館 (1)地域や住民の自立的な判断に役立つ多様な資料・情報を充実させます。 (2)紙媒体・電子媒体の双方を提供する機能を持つハイブリッド型図書館として、資料・情報の充実を図ります。 (3)高知県に関係する資料を充実させ、情報発信を行うことにより、高知県に対する理解や関心の向上に寄与します。古文書・古記録・古図書類はデジタル化を進めることにより、資料の保存と活用の両立を図ります。 (4)外国語の資料やバリアフリー資料等を充実させ、使用する言語や障害の有無等にかかわらず、誰もが資料・情報にアクセスできる環境の整備を図ります。 21ページ 【取組の方向性】 ○図書館にとって資料・情報は、全てのサービスの基盤となるものです。高知県の情報拠点としての役割を果たせるよう、紙媒体・電子媒体ともに、新鮮で多様な資料の収集・提供に取り組みます。収集にあたっては、障害がある人や県内で暮らす外国人が利用しやすい資料の充実についても十分に留意します。 ○高知県関係の資料は、高知県の図書館の責務として網羅的に収集していますが、近年、行政資料のボーンデジタル化が進んでいることから、電子的な資料の収集・提供のあり方について、関係機関・団体と共に検討を進めます。また、貴重資料(*)等については、デジタル化・アーカイブ化を進め、ウェブ・サイトで公開することにより、各方面での活用を促進します。 基本方針�U 県民・市民の課題解決の支援ができる図書館 (1)多様な課題に対して資料・情報の提供を通じた支援ができるよう、司書の専門性の向上を図ります。 (2)レファレンス・サービスの利用促進を図ります。 (3)対象に応じたさまざまな広報手段を通じて、課題解決支援サービスの周知・普及を図ります。 (4)県民・市民が資料・情報を活用して課題の解決を図れるよう、対象に応じた図書館活用講座等のプログラムを提供し、生成AI等の新たな情報環境を踏まえた情報リテラシーの向上を支援します。 (5)図書館が持つ「場」の力が県民・市民の学習に活用されるよう、専門機関・団体等と連携した取組を促進します。 【取組の方向性】 ○収集した資料・情報が十分に活用され、真に県民・市民の「力」となるよう、レファレンス・サービスをはじめとする課題解決支援サービスの認知度・利用度の向上を図るとともに、情報と利用者をつなぐ役割を担う司書の専門性の向上に取り組みます。 ○図書館は豊富な資料・情報を持つことに加え、誰でも気軽に利用できる敷居の低さも備えています。この特色を生かし、県民・市民が多様な学びの機会に出合えるよう、官民の専門機関・団体等と連携した取組を進めます。 ○情報があふれる現代は、より信頼できる情報を選択する力の重要性が増しています。他方で、デジタル機器に不慣れなために情報を十分に収集できていない人もいます。図書館は、利用者に応じた講座の実施等により、利用者一人ひとりが求める情報を収集・活用できるように支援します。 基本方針�V セーフティネットの役割を果たす図書館 (1)新鮮で多様な資料の提供や、課題解決支援サービス等の取組により、県民・市民が情報社会を生きるための基盤の整備・充実を図ります。 (2)社会人のリスキリングや資格取得を、図書館が持つ資料・情報を生かして支援します。 (3)さまざまな事情を抱える子どもたちに対して、図書館資料を活用した学習の場を提供するとともに、専門機関と連携して子どもたちの学習や活動を支援します。 【取組の方向性】 ○人生100年時代を迎えた現在、学校教育を終えた後も、働き方の変化やライフステージ等に応じて学び続けることが必要となっています。県民・市民が、地方で暮らしていても、年齢や経済状況、個々の事情にかかわらず、多様な情報に無料でアクセスでき、生涯にわたって学び続けられるよう、資料・情報の充実を図ります。 ○不登校の子どもの数は年々増加していますが、教室へ戻すことをゴールとする考え方から、多様な学習の形を肯定する方向へと社会は変化しています。そうした学習の場の1つとして図書館の資料や施設が活用されるよう、専門機関とも連携しながら取組を進めます。 基本方針�W 図書館利用に障害のある利用者に配慮した図書館 (1)誰もが支障なく利用できる図書館を目指します。 (2)さまざまな障害に応じたサービスが提供できるよう、専門機関と連携しながら、サービスの充実や司書の専門性の向上を図ります。 (3)障害のある人や在留外国人及びその支援者等を対象として、さまざまな機会や広報媒体を通じて、図書館サービスの周知・普及を図ります。 (4)障害や病気、その他の理由により図書館へ来館することが困難な人に対するサービスの充実を図ります。 【取組の方向性】 ○障害や病気、言葉の壁、地理的な制約等の理由で図書館への来館や利用に困難を感じている人に対して、ニーズに応じたサービスが提供できるよう、専門機関や市町村立図書館等とも連携・協力しながらサービスの向上を図ります。 22ページ ○バリアフリーサービスや多文化サービスは、認知度の低さが継続的な課題となっていることから、効果的な広報の手法について十分に検討し、サービスの周知・普及に取り組みます。 ○非来館型のサービスについては、オンラインサービス、郵送貸出、サービスポイントの見直しなど、利用者や地域のニーズに応じて、デジタル・アナログ両面でのアプローチを検討し、充実を図ります。  基本方針�X 県民・市民とともに成長する進化型図書館 (1)社会や県民・市民のニーズの変化に対応し、柔軟にサービスを創造・展開できる図書館を目指します。 (2)生成AI等の新技術について試行・検証し、有効性・安全性が確認されたものについては、段階的にサービスや業務への活用を図ります。 (3)デジタル技術の活用を図りつつ、アナログの価値も維持します。 【取組の方向性】 ○AIは、技術の導入自体を目的とするのではなく、業務の質の向上や、利用者と職員とのコミュニケーションを補う観点から研究し、研究の結果は組織知として共有・蓄積します。活用にあたっては、デジタル・デバイドを拡大させないよう配慮します。 ○図書館には、本に囲まれてゆっくり過ごす時間や人とのコミュニケーションなど、デジタルから離れる「デジタル・デトックス」を求めて訪れる人も多くいます。そうした従来からの価値も大切に守ります。 ◆県立図書館・市民図書館の独自機能の向上 <県立図書館> (1)市町村立図書館等の実情に応じて物的・人的な支援を行い、地域課題の解決に資するサービスの創出を支援します。 (2)県立学校図書館等との連携・協力関係を強化し、児童・生徒の学びと、教職員の教育活動支援の取組をサポートします。 <市民図書館> (1)本館と分館・分室・移動図書館のネットワークにより市内全域サービスを提供するとともに、職員の資質向上を図り、サービス水準の向上につなげます。 (2)高知市内の小・中学校等と連携し、学校図書館への支援や資料提供の充実を図ります。 23ページ 2 SDGs(持続可能な開発目標)との関連 オーテピア高知図書館の基本理念・基本方針は、SDGsの理念にも通じるものです。当館では、SDGsへの理解を深める資料の提供や情報発信を行うとともに、基本方針に沿ったサービスを進めることにより、17のゴールの達成に取り組みます。 〔SDGsのイラストがあります。〕 3 すべての人に健康と福祉を 4 質の高い教育をみんなに 8 働きがいも経済成長も 10 人や国の不平等をなくそう 11 住み続けられるまちづくりを 16 平和と公正をすべての人に 17 パートナーシップで目標を達成しよう 24ページ ■第4章 基本方針の実現に向けたサービス・取組とサービス指標 1 施策体系 基本理念 これからの高知を生きる人たちに力と喜びをもたらす図書館 (基本構想・基本計画における新図書館の目指す姿) 基本方針 基本理念を実現するため、基本構想・基本計画の中で目指す図書館像として示された5つの項目 1 情報提供機関として地域を支える図書館 2 県民・市民の課題解決の支援ができる図書館 3 セーフティネットの役割を果たす図書館 4 図書館利用に障害のある利用者に配慮した図書館 5 県民・市民とともに成長する進化型図書館 ◆ 両図書館の独自機能の向上 これらの方針を受けた13のサービス・取組 1 地域を支える情報拠点機能の充実 (1) 資料・情報の収集・提供 (2) 高知県関係の資料の収集・提供・保存 2 暮らしや仕事の中でのさまざまな課題解決への支援 (1) ビジネス支援サービス (2) 健康・安心・防災情報サービス (3) 行政支援サービス (4) 情報リテラシー向上のための支援 3 利用者に応じた対象別の図書館サービスの充実 (1) 児童サービス (2) ティーンズ・サービス (3) 多文化サービス (4) 図書館利用に障害のある人へのサービス 4 連携・支援及び図書館の活用 (1) 市町村立図書館等への支援(県立図書館機能)  (2) 高知市全域サービスの拠点(市民図書館機能) (3) 県立学校図書館等との連携・協力(県立図書館機能) 〇サービスを横断する取組・サービス提供体制 ・司書の専門性の向上 ・サービスの周知・普及(連携・広報) ・中心市街地活性化へ寄与・周辺文化施設との連携 ・大学や民間・ボランティア等への連携・協働 ・災害対応への事前準備 25ページ 2 各サービスの取組 2-1 地域を支える情報拠点機能の充実 (1)資料・情報の収集・提供 オーテピア高知図書館は、多様な資料・情報を収集・保存し、それらを的確に提供することで、地域課題の解決や県民・市民の自己実現を支える「知の拠点」としての役割を果たします。  利用者の知的欲求や調査研究に応えるため、体系的かつ幅広い資料の収集を推進します。併せて、誰もが必要な情報に円滑にアクセスできるよう、ハード・ソフトの両面から利用しやすい環境を整備します。また、一人ひとりの利用者に寄り添う誠意ある対応を基本とし、質の高いサービスを提供します。  さらに、非来館型サービスとして、電子書籍の拡充や、インターネットを活用した情報発信・提供を強化し、いつでも・どこでも学びを得られる環境を構築します。 【現状・課題】 地域を支える情報拠点として、利用者のニーズや社会の課題に即した資料・情報の収集・提供が必要です。 住民の高齢化や公共交通の廃止・縮小が進んでいることから、これまで以上に非来館型サービスへのニーズが高まる可能性があります。 高知県の資料センターとしての役割を果たすため、資料の増加に対応する収蔵スペースの確保が必要です。 【強化・充実のポイント】 利用者の多様なニーズに応えられるよう、幅広い資料の収集・提供を進めます。 電子書籍サービスなどの非来館型サービスのさらなる充実を図ります。 県市で重複して所蔵する資料の除籍を進めるなど、既存の書庫スペースの有効活用を図るとともに、外部書庫を確保し、運用を開始します。 サービス・取組 内容 〇資料 利用者の多様なニーズに応える資料の収集・提供 一般図書は、国内年間出版点数の5割程度を目指して収集します。併せて、収蔵スペースの確保にも努めます。 電子書籍の利用体験会を実施するなど、電子書籍サービスの便利さを知ってもらう取組を行います。 紙媒体の資料に加え、電子書籍や視聴覚資料、データベースなどの電子媒体の資料を充実させます。提供にあたってはデジタル・デバイドにも配慮します。 リサイクル資料の配布 図書館で利用しなくなった資料を、リサイクル資料として団体・一般の方に配布し、有効活用を図ります。 〇貸出し・リクエスト 県内全域への資料の提供 資料は、来館しなくても、市町村立図書館や大学図書館、図書館未設置町村の図書室等を通して貸し出します。 資料のリクエスト 当館に所蔵がなくリクエストされた資料は、収集基準や地域のニーズを踏まえて、入手可能な資料を積極的に収集します。収集が難しい場合も、図書館間貸出を活用するなどして、可能な限り要望に応えます。 サービス指標 リクエストの受付件数 現状(令和7年度)3,456件 目標(令和13年度)4,000件 電子書籍の閲覧回数 現状(令和7年度)53,829回 目標(令和13年度) 7.5万回 26ページ 2-1 地域を支える情報拠点機能の充実 (2)高知県関係の資料の収集・保存・提供  地域の課題を理解するためには、その背景にある地域の歴史・産業・文化・自然などについて多面的に知ることが欠かせません。オーテピア高知図書館は、高知県の資料センターとして、図書や新聞・雑誌、パンフレットなど、高知県に関する資料の網羅的な収集に取り組みます。特に、県や市町村、関係団体が作成する行政資料については、高知県の「いま」を知る重要な資料として、近年増加しつつあるボーンデジタル資料(*)も含めて、積極的な収集を行います。  収集した資料は利用しやすいように整理し、県民・市民をはじめ、高知に興味・関心のある個人・団体に幅広く提供します。併せて、担当司書が調べもののサポートを行うことで、課題の解決や高知の魅力の発見・発信へつなげていきます。  館が所蔵している古文書・古記録等の貴重資料については、適切な保存と利用者の利便性向上を図るため、順次、デジタル化を進め、ウェブ・サイトで公開します。さらに、県内に所在する地域資料(*)が散逸することなく適切に保存されるよう、関係機関等とも連携・協力して対策を進めます。 【現状・課題】 生成AIは、公開・デジタル化された情報が少ない地域固有の事項について根拠を十分に示せない場合があり、原資料を確認できる環境が不可欠です。 デジタル化した資料の提供をはじめ、各サービスの認知度が低いことから、広報を強化する必要があります。 地域資料の散逸防止が文化行政の課題となっています。ボーンデジタル資料の取扱いについても、対応を急ぐ必要があります。 【強化・充実のポイント】 ?職員の専門性の向上を図るとともに、信頼できる地域資料の収集と整理、レファレンス・ツールの充実等に取り組みます。 ?SNS等も活用しながら、サービスの周知や情報発信に取り組みます。 ?関係機関等との情報共有や収集の分担・調整を進めることにより、資料の散逸防止に取り組みます。ボーンデジタル資料の収集・提供方針を策定し、取組を進めます。 サービス・取組 内容 〇収集・提供 高知県関係の資料の収集・提供 高知県関係の資料を網羅的に収集します。特に、県・高知市・県内市町村が刊行する行政資料は重点的に収集します。「よさこい祭り」に関する資料は、県外で発行されるものも含めて収集します。 地域資料が散逸することのないよう、関係機関・団体、研究者等と連携・情報共有しながら対策に取り組み、図書館として保存すべき資料は収集を進めます。 ボーンデジタル資料について、整理や提供の方法を検討したうえで収集します。 貴重資料の保存・活用 貴重資料の保存 古文書・古記録等の貴重資料は貴重書庫で保存するとともに、虫害等のリスク管理を適切に行い、次の世代に継承します。 貴重資料等のデジタル化 貴重資料を良好な状態で保存し後世に伝えるとともに、多くの人が利用できるよう、デジタル化を進めます。デジタル化にあたっては、資料の稀少性や劣化状態などを考慮しつつ、資料の特性や技術の進展に合わせた方法で取り組みます。 デジタル化した貴重資料の公開・提供 デジタル化した資料は、当館のウェブ・サイトで順次公開します。公開した資料が学術的な利用のほか、ビジネスや地域おこしなどにも活用されるよう、積極的に情報発信を行います。そうした取組により、資料の新たな価値が発見・創出され、地域に還元されることを目指します。 貴重資料の展示 貴重資料の実物が閲覧できるよう、展示室での展示を企画・実施します。 27ページ サービス・取組 内容 〇レファレンス レファレンス・サービスの提供 高知県の情報拠点として、地域課題の解決に取り組む人の調査・研究活動を支援できるよう、職員の専門性の向上に取り組みます。 レファレンス・ツールの作成・提供 ブックリスト(*)やパスファインダー(*)などのレファレンス・ツールを作成し、利用者の調査・研究をサポートします。 レファレンス事例の公開 レファレンスの調査結果を、当館のウェブ・サイトや、国立国会図書館の「レファレンス協同データベース」(*)で公開し、調べものの参考に活用してもらえるようにします。 〇広報 サービスの周知 レファレンス事例やデジタル化した資料の紹介など、SNS等も活用し、県外在住者も想定した積極的な情報発信により、サービスを周知します。 〇連携 関係機関との連携・協力 関係機関・団体との情報共有を積極的に行い、レファレンスや利用者のニーズの掘り起こし、地域資料の保存等で協力します。また、近隣の文化施設と連携したイベントと企画展示の実施等により、双方の利用拡大や地域の賑わいづくりにつなげます。各施設が保有するデジタル化資料を一元的に公開する仕組みづくりについても検討を行います。 サービス指標 高知県関係の事項レファレンス件数 現状(令和7年度)824件 目標(令和13年度)1,250件 高知県関係のレファレンス事例の公開件数(一般公開) 現状(令和7年度)14件 目標(令和13年度)100件 28ページ 2-2 暮らしや仕事の中でのさまざまな課題解決への支援 (1)ビジネス支援サービス  デジタル技術の進化への対応や、求められるスキル・働き方の変化など、私たちは仕事をしていくうえでさまざまな課題に直面します。これらの課題について自ら学び解決していくことは、一人ひとりの働く意欲に、ひいては地域の活力にもつながります。  オーテピア高知図書館は、そうした課題の解決に役立つ最新の情報を提供します。また、専門機関との連携の強化を通じて、レファレンス・サービスの質及び司書の専門性の向上と、図書館で提供する情報の多様化を図り、高知で働く全ての人を情報面でサポートします。  さらに、図書館が持つ情報資源、司書の専門性、「場」の力などの強みを生かし、地元商店街等との連携・協力によって、中心市街地の活性化にも寄与することを目指します。 【現状・課題】 生成AIの普及が加速する中で、より信頼性の高い情報へのニーズが高まっています。インターネットでは入手困難な専門的かつ最新の情報の提供や、レファレンス・サービスの周知を強化していく必要があります。 広報がサービス対象者に十分に届いていません。関係機関との連携を強化し、より効果的な広報の方法について考える必要があります。 【強化・充実のポイント】 専門性の高い資料・情報の提供と、レファレンスや各種講座による活用支援を行います。 質の高いレファレンス・サービスが提供できるよう、司書の専門性の向上に取り組みます。 対象者別のきめ細かな情報提供や広報を行うことで、サービスの周知を図ります。 サービス・取組 内容 〇資料 資料の収集・提供 第一次産業から第三次産業までの事業やサービスに関する資料・情報を収集し、提供します。特に、人口減少対策や移住・観光、地域活性化、起業、事業承継、資格取得、AI等のデジタル技術など、地域課題に関係する分野の資料は積極的に収集します。 レファレンス レファレンス・サービス レファレンスの回答について事後検証を積極的に行うことにより、サービスの質の向上を図ります。満足度の高いサービスの提供を通じて、利用者からの紹介・口コミによる新たな利用者の開拓につなげます。 レフェラル・サービス(*)(専門機関・団体等の紹介) 図書館だけでは解決が難しいレファレンスは、各機関と連携を図りながら、課題の解決に向けて支援します。 情報リテラシー ビジネス支援サービス活用講座の実施 図書や新聞・雑誌、データベース等からビジネスに必要な情報を探す方法、情報の信頼性を確かめる方法等を学ぶ講座を実施します。講座の内容は動画でも配信し、遠方等の理由で来館できない人にも情報を届けます。 連携 セミナーや相談会等の実施 専門機関等と連携し、図書館を活用した就労等のセミナーや相談会を開催します。連携事業を実施する中で、ビジネスや農業分野等のニーズと課題を適切に把握し、必要とされる資料の収集や実践的なレファレンス・サービスにつなげます。 中心市街地の活性化に向けた協働 商店街や高知の観光に関する情報を収集し、観光客を含む来館者に提供します。また、地元商店街の一員として、まちゼミや土曜夜市など、商店街のさまざまな取組を協働して行うことで、双方の利用拡大につなげます。 29ページ サービス・取組 内容 連携 広報での連携 図書館での企画展示の実施や、連携機関の広報媒体での図書館サービスの紹介など、双方の強みを生かした多角的な情報発信を行います。 出前図書館の実施 連携機関が実施する講座やイベントにおいて出前図書館を行い、取組の充実を支援するとともに、図書館未利用者へのサービスの周知にもつなげます。 アウトリーチ 関係機関への訪問等を通じて、図書館の活用に向けた提案やサービスの周知を行います。相互理解を深めることで、継続的な信頼関係の構築や新たな取組の創出につなげます。 広報 図書館活用事例の広報 レファレンス等により図書館で得た情報がビジネスに役立った事例を収集し、対象者に応じたさまざまな媒体で広報します。 サービス指標 ビジネス・農業・産業分野の事項レファレンス件数 現状(令和7年度) 588件 目標(令和13年度)750件 30ページ 2-2 暮らしや仕事の中でのさまざまな課題解決への支援 (2)健康・安心・防災情報サービス  県・高知市では、健康・福祉・防災分野において、さまざまな目標を掲げて取組を進めています。例えば、健康分野では、健康寿命の延伸、がん対策、依存症の人への支援など、福祉分野では発達障害やひきこもりの人への支援、困難な環境にある子どもや女性への支援など、防災分野では南海トラフ地震対策や風水害、土砂災害への対策などが挙げられます。  オーテピア高知図書館は、全ての県民・市民が、共に支え合いながら希望や生きがいを持ち、住み慣れた地域でライフステージに応じて安心して暮らし続けられることを目指して、自身や地域の課題解決に向けて自発的に考え、取り組むことができるように支援します。  また、専門機関・支援機関・大学等の関係機関と連携して、課題解決につながる知識や情報を提供・発信するとともに、図書館の使い方や資料の探し方等の図書館の活用方法を積極的に周知することで、図書館が健康・安心・防災に関する情報拠点として機能することを目指します。 【現状・課題】 生成AIの普及等により、情報へのアクセスが容易になる一方、医療や福祉、防災の分野においては、誤情報や更新されていない情報が重大な影響を及ぼす可能性があります。 図書館や関係機関が持つ情報・サービスを、県民・市民に対して、より効果的に届ける工夫が必要です。 【強化・充実のポイント】 信頼できる公的な情報・一次資料等に基づいた、質の高いレファレンス・サービスやレフェラル・サービスを提供します。 講座の実施等により、利用者の情報リテラシーの向上を支援します。 各機関同士の連携を働きかけるなどして、より効果的・効率的な情報発信につなげます。 サービス・取組 内容 資料 資料の収集・提供 健康や社会保障、福祉、防災、防犯、地域スポーツなど、県民・市民の関心が高いテーマや、医療・福祉従事者等に役立つ図書や雑誌、視聴覚資料、データベース等を積極的に収集し、提供します。 企画展示の実施 健康・安心・防災に関する社会動向や県民・市民の関心を踏まえた、タイムリーな企画展示を実施します。 レファレンス レファレンス・サービス 司書が調べものをサポートします。併せて、窓口で相談しづらいテーマについて、利用者が自ら調査を進めることができるよう、専門機関と協力して質の高いブックリストやパスファインダーを作成し、提供します。 レフェラル・サービス(専門機関・団体等の紹介) 図書館だけでは解決が難しいレファレンスは、各機関と連携を図りながら、課題の解決に向けて支援します。 情報リテラシー 図書館活用講座の実施 図書や雑誌、新聞、データベースなどから、必要な情報を探す方法、情報の信頼性を確かめる方法等を学ぶ講座を実施します。講座はオンライン等でも実施することにより、遠方等の理由で来館できない人にも情報を届けます。 大学等と連携し、学生等を対象とした医学文献情報・新聞記事等のデータベースの活用方法を学ぶ講座を継続的に実施し、データベースや資料の利用促進を図ります。 連携 関係機関との連携 連携事業等を通じて関係機関との相互理解を深めます。その関係性を基に、図書館と連携関係にある機関同士をつなぎ、新たな連携の働きかけ等を行います。 31ページ サービス・取組 内容 連携 イベント等の実施 防災やがん、ひきこもりなどの社会的課題への理解を深め、県民・市民の課題解決につながるよう、相談会をはじめとしたさまざまなイベントを連携機関と協力して実施します。 出前図書館の実施 連携機関が実施する講座やイベントにおいて出前図書館を行い、取組の充実を支援するとともに、図書館未利用者へのサービスの周知にもつなげます。 アウトリーチ 関係機関への訪問等を通じて、図書館の活用に向けた提案やサービスの周知を行います。相互理解を深めることで、継続的な信頼関係の構築や新たな取組の創出につなげます。 広報への支援 連携機関の広報物を館内で積極的に掲示・配布します。健康・安心・防災に関するイベントや、各種相談窓口・支援制度等に関する情報を提供することで、連携機関の広報活動を支援します。 サービス指標 健康・安心・防災情報分野の事項レファレンス件数 現状(令和7年度)426件 目標(令和13年度) 600件 32ページ 2-2 暮らしや仕事の中でのさまざまな課題解決への支援 (3)行政支援サービス  行政運営や政策立案にあたっては、多様化する住民のニーズや社会動向などの把握が必要です。高知県庁と高知市役所の職員が、証拠に基づく政策立案(EBPM)により、人口減少等の地域課題に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献できるよう、司書が情報収集や調べものをサポートします。  図書館が行政の業務に「役立つ」ことを知ってもらい、業務での図書館の活用を促進するため、行政各課が取り組む課題に応じたサービスを提案するなど、きめ細かな情報発信を行います。  また、中心市街地に立地し、多くの県民・市民が訪れるという図書館の強みを生かし、各課・機関と連携したイベントの実施やパンフレットの配布等により、行政が提供する情報や支援策を必要とする人に届け、行政サービスの活用につなげます。 【現状・課題】 生成AIの普及により、情報探索を迅速化できるようになりましたが、EBPMでは追跡可能な一次資料や統計、調査方法等が重要となります。 県庁・市役所職員の、図書館サービスの認知度・利用度は上昇傾向にあるものの、依然として低い状況です。 多数の県民・市民が訪れる情報拠点として、県市の施策の後押しをすることが求められています。 【強化・充実のポイント】 司書の専門性と多様なツールを活用し、質の高いレファレンス・サービスを提供します。 各課のニーズを把握するためのアウトリーチや、ニーズに応じた提案、効果的な広報などを実施します。 各課・機関と連携した取組を通じて関係を強化し、各課・機関をつなぐネットワーク機能を発揮することを目指します。 サービス・取組 内容 資料 資料の収集・提供 少子高齢化による人口減少などの地域課題に関する資料をはじめ、新聞記事や法情報等のデータベースを提供します。 レファレンス 庁内レファレンス・サービス 行政運営や政策立案に必要な情報の収集及び関連調査を積極的に支援します。併せて、レファレンスの回答に対するフィードバックを得る仕組みを検討し、レファレンスの質の向上につなげます。 情報リテラシー 図書館活用講座の実施 情報を探す方法や、情報の信頼性を確かめる方法などを学ぶ講座を実施し、行政職員の情報リテラシーの向上を支援します。 連携 行政各課・機関との連携 各課・機関が実施する講座やイベント、企画展示等の場を提供します。また、各課・機関のチラシやパンフレットなどを館内で配布し、行政が提供する情報や支援策を必要とする県民・市民に届けます。 出前図書館の実施 各課・機関が実施するイベント等において出前図書館を行い、取組を支援するとともに、図書館未利用者へのサービスの周知にもつなげます。 アウトリーチ 訪問等により各課・機関が取り組む課題を把握し、それぞれに応じたサービスを積極的に提案します。関係の強化により、各機関をつなぐネットワーク機能の発揮を目指します。 33ページ サービス・取組 内容 広報 図書館活用事例の広報 レファレンス等により図書館で得た情報が役立った事例を行政掲示板等で発信します。メールマガジンは、視認性の向上や内容の刷新を図りつつ、最新の情報を提供します。 図書館資料の利用促進 業務での図書館資料の活用を促進するため、行政向けのチラシ等を作成・配付し、PRを強化します。 サービス指標 行政各課からの事項レファレンス件数 現状(令和7年度)49件 目標(令和13年度)70件 34ページ 2-2 暮らしや仕事の中でのさまざまな課題解決への支援 (4)情報リテラシーの向上支援  県民・市民が、暮らしや仕事の中で生じるさまざまな課題を解決するためには、情報を適切に収集・整理・評価して、活用できること、すなわち情報リテラシーの習得が必要です。このことは、県民・市民が情報弱者になることなく生命と暮らしを守るうえで極めて重要であり、特に、生成AIの普及が加速し、私たちが意識しないまま検索サービス等を通じて生成された情報に接する場面が増えている今日、その重要性はさらに増しています。  オーテピア高知図書館は、実際にさまざまな資料・情報を参照することができるという強みを生かし、情報社会において求められる情報リテラシーの習得や向上を支援するため、情報収集の基礎的な知識をはじめ、得た情報を比較・検討して、信頼性の高いものを選び活用していくことが学べるプログラムを、関係機関等とも連携しながら、年代や対象に合わせて実施します。 【現状・課題】 利用者が、情報の探し方に加え、情報を比較・検討して選択するためのスキルを学ぶ機会を提供する必要があります。 年代やデジタルスキルのレベルなど、利用者の状況に応じたプログラムの提供が必要です。 生成AIの仕組みや限界、責任ある利用等について学ぶ機会を提供する必要があります。 【強化・充実のポイント】 利用者の状況に応じた、テーマ別・部門別の図書館活用講座等を実施します。 情報の探索・収集に留まらず、情報の評価・選択・整理・活用までを視野に入れた体系的なプログラムを提供します。 生成AIとその利用に関する講座を実施します。 サービス・取組 内容 情報リテラシー 講座の実施 図書館の活用方法や蔵書の検索方法、生成AIの仕組みなどに関する、年代や対象に応じた講座を実施します。講座の内容は、より多くの県民・市民に届くように動画でも配信します。 図書館が提供する各種データベースについて、活用事例の紹介等により利用を促進するとともに、効果的な活用方法を学ぶ講座を実施します。 レファレンス ブックリストやパスファインダーの作成・提供 ブックリストやパスファインダーの新規作成と定期的な更新を行い、利用者の調べものをサポートします。 作成したブックリスト・パスファインターは館内やウェブ・サイトで提供するほか、テーマに応じて連携機関等へも送付し、図書館や資料の利用促進につなげます。 サービス指標 データベースの利用件数  現状(令和7年度)2,770件 目標(令和13年度)3,500件 35ページ ここには写真が入る予定です。 36ページ 2-3 利用者に応じた図書館サービスの充実 (1)児童サービス  乳幼児期や学童期に、絵本や物語に親しむ時間を持ち、読書を通じて得られるさまざまな経験を重ねていくことは、子どもたちの豊かな人格形成のための大きな力となります。  オーテピア高知図書館では、子どもが自分自身で本を手に取り、ゆっくり楽しめる環境や、感性、表現力、想像力(創造力)を育むことができる資料を提供します。おはなし会など、子どもと本をつなぐ行事も継続して行います。  また、子どもの頃から自ら情報を得て活用できる力を備えられるよう、図書館の使い方を学ぶガイダンスの実施や、ブックリスト・パスファインダーの提供などにより、子どもたちの学びを支援します。  さらに、「子育て応援コーナー」での情報提供や、読書に関する講演会の実施、教職員や保育職員、ボランティア等を対象とした研修会・勉強会を通じて、子どもの成長と読書活動を支える大人を支援します。 【現状・課題】 図書館では、読書を楽しむことに加え、生活や学習に必要な情報も得られることを、子どもたちに伝えていく必要があります。 デジタル環境に生きる子どもたちが、本を選ぶ、読み通す、複数の資料を比べる、人に尋ねるなどの基礎的な経験の場を提供する必要があります。 子育て世代を図書館として応援する取組が必要です。 子どもが読書に親しむきっかけと環境を、保護者や関係者とも協力して作っていく必要があります。 【強化・充実のポイント】 図書館の利用方法の案内や、ブックリスト・パスファインダーの配布等により、調べ学習を支援します。 読み聞かせやブックトーク、司書との対話など、図書館ならではの人と本を結ぶ取組を充実します。 子育てに役立つ図書やウェブ情報、その探し方をまとめたパスファインダーを作成・提供し、子育て中の不安解消や孤立防止につなげます。 イベントや講座等により、子どもの読書に関わる大人への働きかけを行います。 サービス・取組 内容 資料 資料の収集・提供 長く子どもに読み継がれている基本的な図書、子どもたちの疑問や好奇心に応え調べ学習に役立つ図書、しかけ絵本や特大絵本など子どもたちの興味や好奇心を刺激するような図書を収集し、提供します。併せて、行事やテーマに合わせた図書の展示を行います。 子どもと本をつなぐ活動や、絵本・児童書の研究をしている人に役立つ資料を収集し、「児童図書研究コーナー」で提供します。 子育てに関する資料の一部を集めて展示している「子育て応援コーナー」から、関連する各コーナーの資料へと案内できるよう、パスファインダーを作成します。また、ウェブ・サイト等を活用し、子育てに携わる人に対する情報発信を積極的に行います。 情報リテラシー 情報リテラシー向上への支援 図書館見学の機会を生かし、子どもたちがコンピュータで資料や情報を自ら検索する方法や、図書の分類の仕組み、司書への尋ね方等を学ぶ機会を提供します。 教職員・保育職員への支援を通じて、その先にいる多くの子どもたちへ役立つ情報を届けられるよう、学校や園で活用できるブックリスト・パスファインダー等を作成し、提供します。 人材育成 読み聞かせ講座の実施 家庭や地域で読み聞かせや図書の紹介等が行えるよう、保護者やボランティア等を対象とした講座を、民間団体等と連携しながら実施します。 ブックトーク講座の実施 学校関係者等を対象にした講座や研修を実施し、ブックトーク(*)を実践できる人材を育成します。 37ページ サービス・取組 内容 選書支援 児童書の選定支援 市町村立図書館や学校図書館等が、図書の選定の際に実際に見て参考にできるよう、出版される児童書を全て購入し、「児童図書選定支援コーナー」で期間展示を行います。併せて、新着図書の情報発信や、選書についての研修を実施します。 普及活動 子どもと本を結びつける行事の実施 子どもが小さな頃から本に親しみ、また、保護者も子どもの読書に関心を持つきっかけとなるように、読み聞かせ、ストーリーテリング(*)、ブックトーク、講演会などを定期的に行います。 連携 関係機関等との連携 オーテピアの各施設や関係機関と連携し、図書館活動のPRや子どもの読書活動を推進します。 専門機関等と連携し、不登校等の不安を抱える子どもとその保護者を、資料・情報の提供等により支援します。 アウトリーチ 子どもや、子どもと関わる大人(保護者、教員、保育士など)を対象にした行事や研修会に出向き、読み聞かせ、図書の紹介、サービスのPRなどを行うことにより、図書館利用の促進につなげます。 サービス指標 高知市内の12歳以下の児童の登録率(分館・分室・移動図書館を含む)現状(令和7年度)15.8% 目標(令和13年度)16%以上 38ページ 2-3 利用者に応じた図書館サービスの充実 (2)ティーンズ・サービス  読書から遠ざかりがちなティーンズ世代に気軽に図書館を利用してもらえるよう、ティーンズ・コーナーにおいて、ティーンズの興味・関心に応える図書や、学びを深められるような図書、進路選択に役立つ図書等を提供し、利用の促進につなげます。また、ティーンズと協力したイベントや企画展示の実施、PR活動などを通じて、図書館利用や読書のきっかけづくりに取り組みます。加えて、不登校やひきこもり、ヤングケアラーなど、ティーンズが抱える悩みや課題に寄り添う取組や情報発信を、関係機関等と連携・協力して行います。  図書館がティーンズの日常生活の一部となり、大人になってからも仕事や暮らしの中で活用する意識を持ってもらえるように取組を進めます。 【現状・課題】 ティーンズが意図せずにSNSやAIを利用する機会が増えており、情報リテラシーについて学ぶ機会が必要です。 読書離れ・活字離れが進んでいます。ティーンズ世代の視点を生かした読書活動の推進が必要です。 不登校、ひきこもり、ヤングケアラーなど、困難を抱えるティーンズに対して、情報や居場所の提供によるサポートが必要です。 【強化・充実のポイント】 ティーンズ世代を対象とした情報リテラシーの学習機会を提供します。 ティーンズ世代の協力も得ながら、ティーンズの興味や感性に沿った取組を行います。 専門機関と連携し、図書館の持つ資源を生かして、学びの機会を提供します。 サービス・取組 内容 資料・情報・場の提供 資料の収集・提供 ティーンズの興味・関心に応える図書、学びを深められるような図書のほか、将来、自立して生きていくために必要な情報等を収集し、提供します。また、県内の高校、専門学校、大学等の学校案内、資格取得や就職活動に関する図書など、進路選択に役立つ資料・情報を収集し、提供します。資料は紙媒体のほか、電子書籍も積極的に提供します。 ティーンズの課題解決に役立つ情報の収集・提供 ティーンズの悩みや困りごとの解決を支援する専門機関・団体のパンフレット等を収集・提供し、支援に役立てます。 企画展示の実施 ティーンズの興味・関心をひくテーマのほか、ティーンズに知ってもらいたい時事問題や情報リテラシーなどをテーマとした展示を行い、図書館利用の促進につなげます。 居場所の提供 サード・プレイスとして気軽に利用できる環境を提供します。 情報リテラシー 情報リテラシー講座の実施 図書館における本の探し方や調べ方、信頼できる情報の見極め方に加え、SNSやAIの利用に伴う個人情報や著作権の取扱いなどについて学ぶ講座を実施します。 ブックリスト・パスファインダーの作成・提供 ティーンズの興味・関心を広げるもの、学習に対応したもの、進路選択・将来設計に関するものなど、各種のブックリスト・パスファインダーを作成し、提供します。 普及活動 ビブリオバトル(*)などのイベントの実施 ティーンズ同士が読書の楽しさを分かち合い、かつ情報発信できるイベントを行います。イベント企画委員の募集など、ティーンズが参加したくなる工夫をしながら実施します。 ティーンズと協働した取組 ティーンズのアイデアを生かした企画展示を行うなど、同世代の感性を生かして図書館利用を促進します。 39ページ サービス・取組 内容 連携 専門機関等との連携 専門機関・支援機関等とも連携し、不登校、ひきこもり、ヤングケアラーなど、さまざまな事情を抱えるティーンズに対し、図書館の資料や場を活用した学びの機会を提供します。 学校との連携・協力 中学・高校の教職員に対して、業務に役立つ資料の提供やレファレンスでの協力、図書館活用講座を実施することで、学校における読書活動の推進や情報リテラシー向上のための取組を支援します。 広報 広報の強化 SNSの活用など、ティーンズの情報収集行動に合わせたPRを強化します。 サービス指標 ティーンズ・サービス担当からのSNSへの投稿件数 現状(令和7年度)46件 目標(令和13年度)60件 40ページ 2-3 利用者に応じた図書館サービスの充実 (3)多文化サービス  高知県には、国籍や使用する言語、文化的背景の異なる人が数多く暮らしています。近年は人口減少に伴う労働力不足を背景として外国人労働者の数が増加しており、県内各地で地域産業の担い手となっています。  オーテピア高知図書館は、こうした人たちが高知で働き、暮らしていくうえで必要な情報へのアクセスを支援するため、外国語の資料や日本語学習用資料の充実を図るとともに、地域での暮らしに役立つ知識・情報をまとめたパンフレット等も積極的に収集・提供します。広報等を行う際は、やさしい日本語(*)を使用するなど、伝わる情報発信を心がけます。  併せて、外国人を受け入れる側の事業者や地域住民などに役立つ資料の提供、国際交流の促進につながる講座・イベント等の実施により、外国人と県民・市民が相互理解を深め、安心して暮らしていける環境の整備に寄与します。 【現状・課題】 外国語の資料、在留外国人を対象とした日本語学習用資料のほか、地域で生活する中で求められる知識・情報を、母語ややさしい日本語などの理解しやすい内容で提供していく必要があります。 図書館サービスが十分に届いていない人に対して必要な情報を提供するとともに、図書館の認知度・利用度の向上を図る必要があります。 【強化・充実のポイント】 県内に在留する外国人の母語や在留資格、生活状況等に応じた資料の充実を図ります。 関係機関や市町村立図書館等との連携を通じて、在留外国人とその支援者に届く効果的な広報を行うとともに、ニーズの把握にも取り組みます。 サービス・取組 内容 資料・情報の収集・提供 外国語で書かれた資料の収集・提供 県内に在留する外国人の母語や、ニーズの高い言語を中心に、外国語の図書、新聞・雑誌などを収集し、提供します。 日本語習得のための資料の収集・提供 日本語を学ぶ人・教える人に役立つ資料や、読みやすく理解しやすい日本語の資料を収集し、提供します。 生活情報等の収集・提供 行政・関係団体等が提供する、日本で生活するうえで必要な知識・情報(防災・医療情報等を含む)を外国語ややさしい日本語で紹介するパンフレット等を収集し、提供します。 多文化への理解を深めるための資料の収集・提供 日本や外国の文化に関する資料を収集し、提供します。 企画展示の実施 外国の文化に触れるきっかけとなるものをはじめ、姉妹都市や友好都市など、高知県・高知市と交流のある都市及び地域を紹介する企画展示を行います。また、在留外国人とその支援者に役立つ資料の展示を行い、利用の促進につなげます。 情報リテラシー 情報活用のサポート 在留外国人に役立つ情報を集めたパスファインダー・ブックリスト、ウェブ情報のリンク集等を作成・提供することで、利用者が求める情報へアクセスしやすい環境を整えます。また、やさしい日本語を用いた館内ツアーの実施により、図書館の活用方法やサービスを周知します。 普及活動 イベント等の実施 多文化理解を促進するため、外国や日本の文化に関する講演会、外国語のおはなし会、地域で暮らす外国人との交流イベント、外国人を対象としたイベント等を実施します。 41ページ サービス・取組 内容 連携 関係機関等との連携 関係機関等と連携して、多文化理解・交流イベント等を実施し、外国人と県民・市民が相互に理解を深める機会を創出します。また、各市町村で実施される日本語教室等の取組への協力を行います。 広報 情報発信 関係機関や外国人コミュニティの協力を得て、それぞれが持つネットワークや広報媒体を活用しながら、効果的な情報発信を行います。 やさしい日本語・多言語による広報 館内の掲示物、利用案内、広報物、ウェブ・サイトには、やさしい日本語や外国語のほか、必要に応じて最新のツールを使用するなど、ユニバーサル・デザインの考え方に基づき、誰にとっても分かりやすい広報を行います。 サービス指標 日本語学習用資料の所蔵数 現状(令和7年度) 1,323点 目標(令和13年度)1,800点 42ページ 2-3 利用者に応じた図書館サービスの充実 (4)図書館利用に障害のある人へのサービス  オーテピア高知図書館は、視覚・聴覚障害などの理由で文字情報の利用が困難な人や、高齢、病気、その他の理由により来館が困難な人を図書館利用に障害のある人(注3)と考え、これらの人に配慮した環境を整えることで、「誰にとっても」「やさしく」利用できる図書館を目指します。  障害のある人と図書や情報を積極的につなぐため、多様な資料とサービス手段、コミュニケーション手段、ユニバーサル・デザインの考えに沿ったサービスを提供するとともに、サービスを活用していただけるように、対象者に合わせた方法でPRを行います。  提供する資料は、併設するオーテピア高知声と点字の図書館と役割を分担して、重複することなく収集します。声と点字の図書館では点訳・音訳資料などの著作権法により視覚障害者等に利用者が限定される資料を、図書館では利用に制限のない資料を収集します。また、両館どちらの窓口でも利用登録ができるようにするなど、協力してサービスを提供します。 【現状・課題】 バリアフリーサービスの認知度を高める必要があります。 図書館の利用にあたり障害となる、それぞれの事情に合わせたサービスを考える必要があります。 市町村立図書館においてもバリアフリーサービスを提供するための土台づくりが必要です。 【強化・充実のポイント】 対象者に合わせたアプローチを行い、図書館全体で広報に取り組むなど、情報発信力を強化します。 対象者のニーズを把握し、それぞれに求められる図書館サービスを提供します。 専門機関・支援機関・市町村立図書館等との連携を強化し、必要とする人にサービスを届けます。 サービス・取組 内容 資料の収集・提供 資料の収集・提供 大活字本(*)、LLブック(*)、音声ガイド付きDVD、布絵本(*)など、図書館利用に障害のある人も利用しやすい資料を積極的に収集し、提供します。 電子書籍の収集・提供 来館が困難な人の読書を支援し、利便性を向上させるため、電子書籍を収集し、提供します。収集にあたっては、音声読み上げ機能など、障害のある人の使いやすさも考慮します。また、ウェブ・サイトやSNS等を活用し、電子書籍サービスの広報を強化します。 ブックリストの作成・提供 図書館利用に障害のある人やその支援者が、必要な資料にアプローチしやすくなるように、バリアフリー資料や、まんがを活用した分かりやすい資料を紹介するブックリストを作成し、提供します。 来館が困難な人への宅配貸出サービスの実施 障害や病気により図書館への来館が困難な人に対して、宅配便で自宅等に資料を届けます(送料は図書館が負担)。 団体貸出の実施・利用促進 特別支援学校や放課後デイサービス、福祉施設等に対して団体貸出を行い、来館が困難な人に資料を届けます。併せて、学校・施設等のニーズを把握し、利用を促進します。 対面音訳サービスの実施 声と点字の図書館と連携・協力して、対面音訳サービスを行います。来館が困難な人に対しては、電話やインターネットを利用して、リモートにより実施します。 環境整備 分かりやすい案内の作成 誰にとっても分かりやすい、ユニバーサル・デザインの考え方に基づいた掲示物、利用案内、広報物を作成します。 ボランティアの養成 声と点字の図書館と連携し、読書が困難な人のリクエストに応じて点訳、音訳、テキストデータ化ができるよう、ボランティアや協力者の養成・スキルアップの講習会を実施します。 43ページ サービス・取組 内容 普及活動・広報・連携 バリアフリー映画会の実施 字幕付き映画、手話付き映画、音声解説付き映画の上映会を実施します。 手話付きのおはなし会の実施 児童等を対象とした手話付きのおはなし会を、関係団体の協力を得て、継続的に実施します。 情報発信 サービス対象者や、対象者と直接つながる学校・施設等に確実に情報が届くよう、訪問やSNSなどさまざまな方法を用いて広報を行います。また、手話による利用案内等の動画を公開し、サービスを紹介します。 サービスの周知・普及 声と点字の図書館と連携し、市町村立図書館・特別支援学校等への「さくらバリアフリー文庫」の提供や、サピエ図書館(*)の紹介等を通じてバリアフリーサービスの認知度を高め、県内全域でサービスが提供される土台づくりに取り組みます。 サービス指標 宅配貸出サービスの延べ利用件数 現状(令和7年度)58件 目標(令和13年度)70件 対面音訳サービスの延べ利用件数 現状(令和7年度)686件 目標(令和13年度)780件 (注3)オーテピア高知図書館では、次の方を図書館利用に障害のある人とします。 �@ 文字情報の利用が困難な人 ・全盲・弱視など視覚障害のある人 ・知的障害や発達障害(ディスレクシア等)で文字や文章の認識・理解が困難な人 ・高齢や病気(難病・精神疾患)、高次脳機能障害などで、文字を読むことや長時間の読書が困難な人 ・寝たきりや上肢の障害で、本を持つこと、ページをめくることが困難な人 ・聴覚障害で活字の文章を理解することが困難な人 �A 来館が困難な人 ・高齢や病気、障害等により来館できない人 ・知的・精神障害により対人関係が苦手な人 44ページ 2-4 連携・支援及び図書館活用の促進 (1)市町村立図書館等への支援(県立図書館機能)  高知県図書館振興計画と連動し、住む場所にかかわらず、等しく必要な図書館サービスが受けられるよう、協力貸出用資料の充実や物流サービスの整備によって市町村立図書館等の取組をバックアップするほか、職員を対象とした研修事業等を実施し、県内全体の図書館サービスの充実と職員のスキルアップにつなげます。  読書・情報環境が厳しい図書館未設置町村等に対しては、移動図書館(注4)や業務相談等による支援を行います。市町村立図書館に対しては、サービスの充実と自律的な運営につながる働きかけを行うなど、各市町村の状況等に応じた支援を行います。  また、市町村において新たに施設を整備したり、課題解決支援サービスに取り組んだりする際には、他の市町村の「目指す姿」としてモデルとなるように、オーテピア高知図書館が蓄積したノウハウ等を積極的に共有するなど、重点的に支援を行います。 現状・課題 地域の特性に応じた図書館サービスを分館・分室を核として展開していくことが必要です。 分館・分室の蔵書冊数が増加しており、計画的な除籍が必要です。 GIGAスクール構想や探究学習の推進などの学校現場のニーズ変化の把握、協力のあり方の再検討が必要です。 強化・充実のポイント 地域カルテを作成し、地域特性に応じた図書館サービスを展開します。 計画的な除籍を実施し、館内掲示の見直しなども含め、魅力あるフロアづくりを進めます。 自発的・協働的な学びをサポートするため、学校現場のニーズを把握するとともに、学校図書館との連携に向けたモデル事業の実施と拡大を行います。 サービス・取組 内容 人的支援 巡回訪問や依頼訪問等による支援 県の東部・中央・西部各ブロック担当の司書が、市町村立図書館等への巡回訪問や依頼訪問等により、運営やサービスの充実に向けた相談、研修、情報提供等の支援を行います。 レファレンスへの協力 市町村立図書館等では解決が難しいレファレンスへの協力を行います。また、研修を通じて市町村立図書館等のレファレンス力の向上を図ります。 図書館整備への助言・協力 市町村立図書館等での収集が望ましい資料の整備や、資料の収集方針・選定基準の策定等について、アドバイスや情報提供を行います。 市町村において、新たに図書館等を整備・改修する際の相談を受けるとともに、事例の紹介、ノウハウの共有、アドバイスなどを行います。また、必要に応じて、新館開館時に資料の長期貸出を行います。 課題解決支援サービス実施への協力 市町村立図書館等において課題解決支援サービスに取り組むことができるよう、事例の紹介や提案を行います。また、必要に応じて資料の協力貸出を行います。 研修の実施 市町村立図書館等の職員に対して、経験年数に応じた階層別の研修や希望のテーマに応じた研修、依頼により職員をオーテピア高知図書館に受け入れて行う研修等を実施し、人材の育成を図ります。また、図書館等の規模を考慮し、より実践的な研修の機会を提供するとともに、オンラインを活用し、職員が自ら学ぶための機会を提供します。 45ページ サービス・取組 内容 人的支援 情報提供 訪問に加え、メール・ブログ等も活用し、資料の紹介や県内図書館等が行っている取組など、市町村立図書館等の業務に役立つ情報を発信します。 物的支援 市町村のニーズに応える資料の収集・提供 協力貸出用の資料を収集し、提供します。また、市町村立図書館等における企画展示や課題解決支援サービスの実施を支援するため、テーマを設定した資料の貸出しのほか、時事に対応したセットの作成・貸出しを行います。特に、課題解決支援に資する資料セットの充実を図ります。 物流サービスによる資料の配送 休館日を除き、毎日、協力貸出や相互貸借の資料を市町村立図書館等に配送し、県域での円滑な資料提供を支えます(送料は当館が負担)。 移動図書館による支援 図書館未設置町村を中心に運行し、読書・情報環境が厳しい地域での読書活動や新しい資料へのアクセスを支援します。 連携 広報 市町村立図書館等と協力し、市町村立図書館等を通じて受けられる図書館サービスについて県民への周知を行います。 サービス指標 協力貸出点数 現状(令和7年度)39,750点 目標(令和13年度)42,000点 (注4)約2,000冊の図書を搭載できる図書館車が、県内の市町村立図書館・図書室等を定期的に巡回しています。 46ページ 2-4 連携・支援及び図書館活用の促進 (2)高知市全域サービスの拠点(市民図書館機能)  高知市民図書館は、「すべての市民のための図書館」、「市民の生活の中に読書を、図書館を」を方針とし、地域に密着した図書館としての役割を果たします。そのために、オーテピア高知図書館(本館機能)をはじめ、6つの分館(注5)、15の分室(注6)があり、2台の移動図書館(注7)の運行も含めて、高知市内全域で図書館サービスを展開しています。  県立図書館・市民図書館の資料の「貸出し・返却」が市内各館室どこででもできる「配送システム」の利便性を保つとともに、地域特性に応じた顔の見える図書館サービスを展開し、市内全域サービスのさらなる向上を図ります。  また、児童生徒の主体的、意欲的な読書活動や学習・情報活動を支えられるように、高知市内の小・中学校、義務教育学校、特別支援学校と積極的に連携します。 現状・課題 地域の特性に応じた図書館サービスを分館・分室を核として展開していくことが必要です。 分館・分室の蔵書冊数が増加しており、計画的な除籍が必要です。 GIGAスクール構想や探究学習の推進などの学校現場のニーズ変化の把握、協力のあり方の再検討が必要です。 強化・充実のポイント 地域カルテを作成し、地域特性に応じた図書館サービスを展開します。 計画的な除籍を実施し、館内掲示の見直しなども含め、魅力あるフロアづくりを進めます。 自発的・協働的な学びをサポートするため、学校現場のニーズを把握するとともに、学校図書館との連携に向けたモデル事業の実施と拡大を行います。 サービス・取組 内容 利用ガイド ブックリストやパスファインダーの作成・提供 分館・分室ごとの地域課題や利用者のニーズに合わせたブックリスト・パスファインダーを作成し、提供します。作成したブックリストは、分館・分室の広報にも活用します。 レファレンス レファレンス・サービスの充実 館室間のネットワークを活用し、分館・分室においても迅速なレファレンス・サービスの提供に取り組みます。 連携 学校図書館との連携 高知市内の小・中学校、義務教育学校、特別支援学校と連携を図り、授業に役立つ単元に即した資料や教職員の業務に役立つ資料など、学校が求める資料の団体貸出を行います。また、学校図書館支援員研修や教職員を対象とした図書館サービス研修、出前授業の実施など、学校現場のニーズに沿った、より効果的な支援や資料提供の充実に取り組みます。 利用促進 分館・分室・移動図書館の周知 市民に身近な分館・分室について、もっと広く知ってもらい、利用が拡大するよう、複数の分館・分室にまたがった横断的な展示やイベントについて、SNS等を使って積極的にPRを行うとともに、近隣の学校や福祉施設、機関・団体へも図書館サービスのPRを行います。また、必要に応じて、分館・分室職員向けに広報物作成講習を実施します。 分館・分室・移動図書館の活性化 分館・分室・移動図書館が直面する問題や利用者のニーズを把握するため、地域カルテを作成し、分析を進めます。分析にあたっては、必要に応じて生成AI等も活用します。分析結果は市民図書館全体で共有するとともに、それぞれの館室の特徴と地域住民の声を生かす対策を検討し、サービスの向上と活性化に取り組みます。また、「場」としての図書館機能を生かし、地域の学習の機会づくりやボランティア活動の促進に取り組みます。 分館・分室の地域特性・利用特性に応じた図書や、逆に、ニーズが顕在化していないテーマの図書をオーテピア高知図書館からまとめて提供し、展示することにより、分館・分室の利用促進を図ります。 47ページ サービス・取組 内容 職員研修 図書館サービス研修等の実施 窓口業務に関する基礎的な研修をはじめ、コミュニケーション能力や傾聴力等の向上のための接遇研修等を定期的に実施します。また、業務マニュアルの改訂・周知の徹底を図り、どの分館・分室でも均質で的確なサービスが提供できるように取り組みます。 調査能力の向上 レファレンス事例の情報共有や定期的な研修の実施により、分館・分室職員の調査能力の向上につなげます。 サービス指標 6分館・15分室と移動図書館の利用者数 現状(令和7年度)274,543人 目標(令和13年度)280,000人 サービス指標 6分館・15分室と移動図書館の貸出点数 現状(令和7年度)1,220,179点 目標(令和13年度)1,316,000点 サービス指標 市内小中学校等への団体貸出点数 現状(令和7年度)10,253点 目標(令和13年度)11,200点 (注5)6つの分館…旭市民図書館、潮江市民図書館、長浜市民図書館、江ノ口市民図書館、下知市民図書館、春野市民図書館 (注6)15の分室…三里、鴨田、初月、一宮、高須、介良、朝倉、秦、五台山、大津、布師田、御畳瀬、浦戸の各ふれあいセンター図書室、鏡図書室、土佐山図書室 (注7)2台の移動図書館…それぞれ約2,500冊の図書を搭載できる図書館車が、市内の巡回先を定期的に訪問しています。 48ページ 2-4 連携・支援及び図書館活用の促進 (3)県立学校図書館等との連携・協力(県立図書館機能)  読書習慣の定着や、対話的に学ぶ力の獲得には、早い段階から幅広い資料・情報に接することができる環境が必要です。生徒たちが読書を楽しみ、必要な資料・情報を自ら収集・活用して学ぶ力を身につけられるよう、学校図書館と連携・協力して支援を行います。  県立学校のカリキュラムや生徒のニーズに対応する資料の収集・提供等によって生徒の学びを支えます。また、県立学校等の所管課と連携して、教職員等に対するサービスの周知を図るとともに、研修・講座等への協力を行います。  なお、高知市以外の市町村立学校については、各市町村立図書館等を通じて支援します。 現状・課題 各校の特色に応じた連携・協力や図書館活用教育の推進が必要です。 さまざまな機会をとらえて、サービスの周知やきめ細かな情報提供が必要です。 県立学校等の所管課と連携した学校への広報が必要です。 強化・充実のポイント 学校への訪問等を通じて、各校の特色やニーズに応じた図書館の活用を推進します。 訪問やメール・ブログ、研修等を活用し、サービスの周知と、学校図書館活動に役立つ情報の提供を行います。 所管課との連絡を密にして、周知の機会を増やします                   サービス・取組 内容 連携・協力 資料の提供やレファレンスへの協力 読書指導や図書館の活用に資する資料を提供します。また、レファレンスへの協力を行い、授業等の参考となる情報を提供します。 電子書籍サービスの提供 県立学校等の所管課と連携して、電子書籍サービスへの学校一括登録を促し、GIGAスクール端末(*)を活用した読書環境を提供します。併せて、希望する学校の探究学習成果物を掲載することで、各学校の取組の情報発信に協力します。 情報提供 メール・ブログ、校務支援システム、研修会の機会などを活用し、カリキュラムに関連するブックリストや、学校図書館活動に役立つ情報等を提供します。 学校司書等の研修への協力 研修情報の提供を強化し、学校司書等のスキルアップに協力します。 出前講座等の実施 生徒や教職員を対象とした図書館活用講座等を実施します。 訪問等による連携・協力 学校訪問を行い、サービスの周知や学校司書等との連携を図ります。また、要望に応じて運営やサービスの充実に向けた相談等の協力を行います。 所管課との連携 県立学校等の所管課と連携した研修機会の提供や、図書館サービスについての周知を行います。 サービス指標 県立学校・高等学校への団体貸出点数 現状(令和7年度)8,456点 目標(令和13年度)10,000点 49ページ 3 サービスを横断する取組・サービス提供体制の強化 3-1 司書の専門性の向上 広範な内容のレファレンスへの対応や、テーマ別・部門別の高度なサービスを実現できるよう、司書の専門性の向上を図ります。図書館だけでは解決が難しいレファレンスについては、専門機関・団体等を紹介するレフェラル・サービスを実施します。併せて、分かりやすく正確な説明や利用者に寄り添った対応ができるよう、接遇力の向上にも取り組みます。  <主な取組> ・ 国立国会図書館等が行う専門研修に参加します。 ・ 専門機関・団体等と連携した職場研修を実施します。 ・ 司書を講師とした研修や、図書館専門雑誌への執筆等を積極的に行い、知識・スキルの共有や成果の発信、自己研鑽につなげます。 ・ 生成AI等の新技術について、図書館の役割と業務の特性に照らして継続的に調査・検証し、レファレンスを含む業務での適切な活用を段階的に実施します。 ・ 専門機関・団体等と連携し、県民・市民の課題解決に向けて多角的な支援を行います。 ・ 接遇研修を継続的に実施します。 3-2 サービスの周知・普及(広報・連携)   図書館が提供するサービスに関する情報が、広く県民・市民や関係機関・団体等に届くよう、さまざまな媒体・機会を活用して広報を行います。特に、図書館を利用する機会が少ない傾向にある障害者や外国人、社会的に孤立しがちな環境にある人に対するサービスについては、支援機関・団体等とも連携しながら、きめ細かく対応します。 <主な取組> ・ サービスの対象者に最適な媒体・方法を検討し、積極的な情報発信を行います。 ・ 各サービス担当及びアウトリーチ担当の司書を中心に、関係機関・団体等への訪問などを通じて、ニーズの把握とサービスの提案を行います。 ・ 関係機関・団体等が実施するセミナーなどで出前図書館を実施し、図書館の未利用者に対してサービスの周知を図ります。 3-3 中心市街地活性化への寄与・周辺文化施設との連携 オーテピアが有する情報資源や施設、司書の専門性等を活用し、地元商店街や周辺文化施設と連携・協力した取組を行うことにより、地域の賑わいの創出に寄与します。 <主な取組> ・ まちゼミや土曜夜市など地元商店街のさまざまなイベントに積極的に参加します。 ・ 行政の商業部門や関係団体等に対して、商店街の活性化に役立つ資料・情報の提供を行います。 ・ 周辺文化施設と共同でイベント等を実施し、賑わいの創出につなげます。 50ページ ・ 文化施設等と連携・協力することにより、レファレンス・サービスや講座等の質の向上を図ります。 3-4 大学や民間・ボランティア等との連携・協働 県内大学や民間、ボランティア等との協力関係を強化することにより、利用者へのサービスの向上を図ります。また、学生をボランティアとして積極的に受け入れます。 <主な取組> ・ 大学図書館と資料の相互貸借やレファレンスの相互協力を行います。相互貸借資料の送付には県立図書館の物流サービスを活用します。 ・ 大学が持つ専門性と、図書館が持つ資料と「場」の力の相乗効果を生かした講座や相談会を共催し、利用者の課題解決を支援します。 ・ ボランティアと協力したおはなし会などを実施し、サービスの向上を図るとともに、ボランティア活動の場を提供します。 ・ 学生をボランティアとして受け入れ、読み聞かせや企画展示など、日頃の学習内容を実践・発表する場を提供します。 ・ 新たなサービスの創出・展開のため、民間の人材や資金の活用について検討します。 3-5 災害対応への事前準備 大規模災害の発災後、できる限り速やかに情報提供機関としての機能を回復できるよう、業務継続計画(BCP)を継続的に見直し、計画の実効性を高めます。 4 サービス指標 (1)総括的なサービス指標 項目:年間個人貸出点数 現状(令和7年度):989,350点、目標(令和13年度):110万点、設定の目的:情報提供機関として利用者の資料要求にどの程度応えたのかを計る 項目:年間事項レファレンス件数 現状(令和7年度):3,768件、目標(令和13年度):5,500件、設定の目的:図書館が利用者の課題解決等にどの程度役立ったのかを計る 項目:県民1人あたりの年間貸出点数 現状(令和7年度):4.7点(暫定)、目標(令和13年度):5.2点、設定の目的:県内全域での情報環境・読書環境の改善の度合いを計る 項目:オーテピアの年間入館者数 現状(令和7年度):991,111人、目標(令和13年度):100万人、設定の目的:中心市街地活性化(賑わいの創出)への寄与の程度を計る 51ページ (2)個別の取組に関わるサービス指標 区分:資料・情報の収集・提供 項目:リクエストの受付件数 現状(令和7年度)3,456件、目標(令和13年度)4,000件 項目:電子書籍の閲覧回数 現状(令和7年度)53,829回、目標(令和13年度)7.5万回 区分:高知県関係の資料の収集・保存・提供 項目:高知県関係の事項レファレンス件数 現状(令和7年度)824件、目標(令和13年度)1,250件 項目:高知県関係のレファレンス事例の公開件数(一般公開) 現状(令和7年度)14件、目標(令和13年度)100件 区分:ビジネス支援サービス 項目:ビジネス・農業・産業分野の事項レファレンス件数 現状(令和7年度)588件、目標(令和13年度)750件 区分:健康・安心・防災情報サービス 項目:健康・安心・防災情報分野の事項レファレンス件数 現状(令和7年度)426件、目標(令和13年度)600件 区分:行政支援サービス 項目:行政各課からの事項レファレンス件数 現状(令和7年度)49件、目標(令和13年度)70件 区分:情報リテラシーの向上支援 項目:データベースの利用件数 現状(令和7年度)2,770件、目標(令和13年度)3,500件 区分:児童サービス 項目:高知市内の12歳以下の児童の登録率(分館・分室・移動図書館を含む) 現状(令和7年度)15.8%、目標(令和13年度)16%以上 区分:ティーンズ・サービス 項目:ティーンズ・サービス担当からのSNSへの投稿件数 現状(令和7年度)46件、目標(令和13年度)60件 区分:多文化サービス 項目:日本語学習用資料の所蔵数 現状(令和7年度)1,323点、目標(令和13年度)1,800点 区分:図書館利用に障害のある人へのサービス 項目:宅配貸出サービスの延べ利用件数 現状(令和7年度)58件、目標(令和13年度)70件 区分:図書館利用に障害のある人へのサービス 項目:対面音訳サービスの延べ利用件数 現状(令和7年度)686件、目標(令和13年度)780件 区分:市町村立図書館等への支援(県立図書館機能) 項目:協力貸出点数 現状(令和7年度)39,750点、目標(令和13年度)42,000点 区分:高知市全域サービスの拠点(市民図書館機能) 項目:6分館・15分室・移動図書館の利用者数 現状(令和7年度)274,543人、目標(令和13年度)28万人 項目:6分館・15分室・移動図書館の貸出点数 現状(令和7年度)1,220,179点、目標(令和13年度)1,316,000点 項目:市内小中学校等への団体貸出点数 現状(令和7年度)10,253点、目標(令和13年度)11,200点 区分:県立学校図書館等との連携・協力(県立図書館機能) 項目:県立学校・高等学校への団体貸出点数 現状(令和7年度)8,456点、目標(令和13年度)10,000点 (3)横断的な取組・サービス提供体制 区分:サービス提供の基盤となる資料・情報の充実 項目:一般図書の国内出版点数の収集割合 現状(令和7年度)約4割、目標(令和13年度)5割 項目:雑誌・新聞の購入タイトル数 現状(令和7年度)952タイトル、目標(令和13年度)990タイトル 区分:サービスの周知・普及(広報) 項目:SNSでの情報発信回数 現状(令和7年度)702件/年、目標(令和13年度)720回/年 項目:ウェブ・サイトのビュー件数 現状(令和7年度)10,847,914回/年、目標(令和13年度)1,200万回/年 52ページ ■参考資料 1 策定の経過 1-1 図書館協議会の開催  図書館法第14条に基づき設置している高知県立図書館協議会・高知市立市民図書館協議会において、第2期計画の取組状況及び第3期計画の策定について報告を行いました。 令和7年度第2回 開催年月日 令和8年2月17日(火)議事 (1) オーテピア高知図書館サービス計画の取組状況について (2) 次期サービス計画の策定について 令和8年度第1回 開催年月日 令和8年7月23日(木)議事 (1) オーテピア高知図書館サービス計画の取組状況について (2) その他 ・第3期計画策定スケジュール 1-2 サービス計画推進委員会の開催  図書館の専門家2名及び学識経験者2名の委員で構成されるオーテピア高知図書館サービス計画推進委員会において、第3期計画の策定について報告し、意見を頂きました。 令和7年度第1回 開催年月日 令和7年6月17日(火) 議事(1) オーテピア高知図書館サービス計画の取組状況について ・第2期計画中間評価 (2) 次期サービス計画の策定について 令和7年度第2回 開催年月日 令和7年10月28日(火) 議事(1) オーテピア高知図書館サービス計画の取組状況について (2) 次期サービス計画の策定について・骨子案について 令和7年度第3回 開催年月日 令和8年3月10日(火) 議事(1) オーテピア高知図書館サービス計画の取組状況について (2) ・サービス計画意見交換の主な意見 ・サービス計画に基づくアンケート調査実施状況 (3)オーテピア高知図書館サービス計画(第3期)の骨子案(各サービス)について 令和8年度第1回 開催年月日 令和8年7月15日(水) 議事(1) 第2期サービス計画の取組状況について (2) 第3期サービス計画(素案)について 1-3 意見公募手続き(パブリックコメント)の実施  「第3期オーテピア高知図書館サービス計画(案)」について、県民・市民の方から意見を募集するパブリックコメントを実施しました。  実施期間:令和8年 月 日から 月 日まで  提出された意見の数: 名から 件 53ページ 2 用語説明 あ行 アウトリーチ 当計画においては、関係機関への訪問等を通じた図書館サービスの紹介や、連携事業の提案・実施により、これまで図書館を利用していなかった機関や県民・市民に対してサービスを展開していく取組のこと。 LLブック 知的障害や発達障害などで読むことが難しい人のために作られた、写真やイラスト、絵文字、短い言葉などで構成された図書。LLはスウェーデン語の「Lattlast(やさしく読みやすい)」の略。 音訳 視覚障害者等のために活字の図書等を読み上げること。対面で読み上げを行う対面音訳、通話アプリ等を使った遠隔での音訳、読み上げた音声を収録した録音図書などの方法により提供する。 か行 GIGAスクール端末 文部科学省の「GIGAスクール構想」に基づき、全ての児童・生徒に1人1台配付されたタブレット端末。 貴重資料 古文書や古記録等、歴史的に貴重な資料。 協力貸出 都道府県立図書館が域内の市町村立図書館に対して行う資料の貸出しのこと。 さ行 サピエ図書館 全国視覚障害者情報提供施設協会が運営する、録音・点字図書等をインターネット経由で提供するネットワーク。視覚障害者や視覚による表現の認識に障害のある人、会員施設・団体が利用できる。 情報リテラシー さまざまな情報源の中から必要な情報にアクセスし、アクセスした情報を正しく評価して適切に活用する能力のこと。 ストーリーテリング 語り手が物語を覚えて、聞き手に語ること。 生成AI 大量のデータからパターンを学習し、指示に応じてテキスト、画像、音楽、動画などの新たなコンテンツを作り出すことができる人工知能(AI)。誤りや実在しない情報などを含む場合もあることから、根拠の確認や人間の判断が必要とされる。 相互貸借 図書館の間で、お互いに所蔵していない資料の貸し借りを行うこと。 た行 大活字本 弱視や高齢などの理由で小さな文字が読みづらい人のために、大きな活字(22ポイント程度)で印刷された図書。ゴシック体で印刷されたものが多く、黒い紙に白字で印刷したものもある。 54ページ 地域資料 ある地域で作成・発行された、その地域に関する事柄を記録した資料。古文書、古記録、図書、新聞、雑誌、地図、写真、絵葉書、行政文書など。このほか、県外で出版された高知県に関連する内容の資料や、県出身者による著作等も含めて、当計画では「高知県関係の資料」という。 データベース 特定の情報を編集・加工・蓄積して、コンピュータによる検索等を容易にできるようにしたもの。 デジタル化資料 情報をコンピュータで取り扱える方式(デジタル方式)に変換した資料。 デジタル・デバイド インターネットやICT(情報通信技術)を利用できる人とできない人の間に生じる格差や不平等のこと。 出前図書館 当計画においては、当館の連携機関が実施するセミナーやイベントなどの会場で、関連するテーマの図書の展示・貸出しや、図書館サービスの紹介を行う取組のこと。 読書バリアフリー 障害の有無にかかわらず、全ての人が自分に合った形式(点字・録音等)で本を楽しめる環境を整備する取組。令和元年に策定された「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)」に基づく。 な行 布絵本 フェルトや布を使って製作された本。ひもやボタンなどがつき、つけたり外したりして楽しむことができる。 は行 パスファインダー あるテーマに関する資料や情報を探すための手段を簡単にまとめたもの。調べものガイド。 バリアフリー資料 障害のある人が利用しやすい資料のこと。当計画では、大活字本、LLブック、触る絵本、布絵本、音声読み上げ機能付きDVD・電子書籍、字幕付きDVDなど。 ビブリオバトル 書評合戦。1人5分間の持ち時間で1冊の本を紹介した後、2から3分間のディスカッションを行い、最後に参加者全員が投票してチャンプ本(最も読みたくなった本)を決める。 ブックトーク テーマやトピックを決めて、それに沿ったいくつかの本を聞き手に紹介すること。 ブックリスト あるテーマに関する資料の情報をリストにまとめたもの。 ボーンデジタル資料 印刷資料をデジタル化するのではなく、当初からデジタル方式のみで作成・提供される資料。 や行 やさしい日本語 外国人や子どもなどにも分かりやすいように、難しい言葉や曖昧な表現を言い換える、1つの文章を短くする、ルビを振るなどした日本語。「易しい」と「優しい」の意味を持つ。 55ページ ら行 レファレンス協同データベース 国立国会図書館が提供するレファレンスのデータベース。全国の公共・大学・専門図書館等が自館のレファレンス事例や調べ方を登録している。公開レベルが「一般公開」の事例は、インターネットで誰でも閲覧することができる。 レファレンス(・サービス) 利用者の問い合わせに対して図書館資料(図書や雑誌、新聞、データベース等)を案内したり、図書館資料に基づいて回答したりすること。 レフェラル・サービス レファレンス・サービスのみでは不十分な場合、利用者が必要とする情報の情報源となり得る人もしくは機関・組織を紹介するサービスのこと。 「図書館学の5法則」と基本方針 オーテピア高知図書館が目指す図書館像を具体化した5つの基本方針は、文部科学省が図書館の管理運営やサービスなどについて定めた「望ましい基準」に沿ったものとなっています。 また、インドの数学者・図書館学者で「図書館学の父」といわれるランガナタン博士が提唱した「図書館学の5法則」も踏まえたものとなっています。 基本理念である「これからの高知を生きる人たちに力と喜びをもたらす図書館」の実現に向け、「望ましい基準」や「図書館学の5法則」を図書館運営の原点としながら、サービスの充実や司書の専門性の向上等に取り組んでいきます。 【ランガナタン博士の図書館学の5法則】 1 本は利用するためのものである 2 本はすべての人のためにある または、すべての人に本が提供されなくてはならない 3 すべての本をその読者に 4 読者の時間を節約せよ 5 図書館は成長する有機体である 以上