第2期オーテピア高知図書館サービス計画(案)(令和4年度から令和8年度)

 

令和3年9月 高知県・高知市

 

第2期オーテピア高知図書館サービス計画の策定にあたって

 

 平成29年1月に策定した「オーテピア高知図書館サービス計画」(第1期計画)においては、オーテピア高知図書館の開館に先立ち、「新図書館基本構想」及び「新図書館等複合施設整備基本計画」に示された図書館像を新図書館のサービスや取組として具体化するため、「これからの高知を生きる人たちに力と喜びをもたらす図書館」の基本理念のもと、5つの基本方針と15のサービス・取組を定め、開館準備の段階からさまざまな取組を進めてまいりました。

 

 この間、全国初の県市合築(がっちく)によるオーテピア高知図書館は、平成30年7月に開館しました。開館以降、多くの県民・市民の皆様にご利用いただき、個人への貸出点数が、開館から3年を待たずに300万点を突破するなど、第1期計画に基づく取組の成果が着実に現れてきております。

 

 しかし、令和2年以降は、新型コロナウイルス感染症の影響によって、人と人との接触が伴うサービスは大きな制限を受けることとなりました。図書館においても、感染症の拡大状況を注視し、サービス提供のさまざま場面での感染リスクを評価しながら、安全・安心な図書館サービスのあり方を模索するとともに、電子図書館などの非来館型サービスの充実に取り組んでいるところです。

 

 こうした中、第1期計画の期間が令和3年度末に終了することから、第1期計画における取組の成果と課題を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う社会構造の変化やデジタル技術のさらなる進展等の社会情勢の変化に対応し、地域を支える情報拠点としての機能をさらに深化・発展させるために、このたび、「第2期オーテピア高知図書館サービス計画」(第2期計画)を策定いたしました。

 

 第2期計画では、第1期計画の基本理念を継承しつつ、「図書館サービスのさらなる利用促進」や「社会情勢の変化や地域の課題への対応」などの視点から5つの基本方針を発展させ、これらの方針に基づき、図書館サービスの強化・充実を図ることとしています。

 

5つの基本方針の1つに「進化型図書館」を掲げるオーテピア高知図書館は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中にあっても、時代に即した「ハイブリッド型図書館」として、電子図書館等による情報提供をより一層強化するとともに、紙媒体による新鮮で豊富な資料を幅広く収集・提供していきます。資料・情報の提供という図書館の本来的な役割を果たし、「ポスト・コロナ」社会を目指す高知の知的情報基盤となることで、基本理念を具体化してまいります。

 

 終わりに、第2期計画の策定にあたり、貴重なご意見・ご提案をいただきました『オーテピア高知図書館サービス計画』意見交換会の出席者の皆様、図書館協議会及びオーテピア高知図書館サービス計画推進委員会の委員、アンケート調査やパブリックコメント等にご協力いただいた皆様に深く感謝いたします。

 

令和3年9月

高知県教育長 伊藤 博明 

高知市教育長 山本 正篤

 

第2期オーテピア高知図書館サービス計画 目次

 

第1章 オーテピア高知図書館とは 基本理念と目指す姿(ミッション・ステートメント)1ページ

図書館の「チカラ」 図書館がひらく高知の未来

 

第2章 第2期オーテピア高知図書館サービス計画の策定について3ページ

1 位置付け

2 第2期計画の期間

3 第2期計画の推進体制と進捗管理

3−1 推進体制

3−2 進捗管理

4 SDGs(エスディージーズ)【持続可能な開発目標】との関わり

 

第3章 オーテピア高知図書館サービス計画(第1期)に基づく取組の成果・課題6ページ

1 第1期計画の概要

2 第1期計画に基づく取組の分析・評価

2−1 サービス指標の達成状況

2−2 『オーテピア高知図書館サービス計画』に基づくアンケート調査

2−3 『オーテピア高知図書館サービス計画』意見交換会

3 社会情勢の変化や国の施策に関わる動き

4 第2期計画で取り組む課題

 

第4章 基本方針とサービス指標…19ページ

1 基本方針と強化・充実のポイント

「図書館学の5法則」と基本方針

2 サービス指標の設定

 

 

第5章 基本方針の実現に向けたサービス・取組…25ページ

1 施策体系

2 サービス提供体制の強化・充実のための取組

2−1 サービス提供の基盤となる資料・情報の充実と司書の専門性の向上

2−2 サービスの普及・啓発(連携・広報)

2−3 ボランティアや民間等との連携・協働

2−4 業務継続計画(BCP)の策定

3 具体的なサービス・取組

3−1 オーテピア高知図書館の基礎的サービス(横断的な取組)

3−2 地域を支える情報拠点機能・課題解決支援機能の充実

3−3 利用者に応じた対象別の図書館サービスの充実

3−4 連携・支援及び図書館の活用

 

参考資料…55ページ

1 図書館の現状

2 第2期計画策定の経過

3 『オーテピア高知図書館サービス計画』に基づくアンケート調査 結果の概要

4 用語説明

 

1ページ

第1章 オーテピア高知図書館とは 基本理念と目指す姿(ミッション・ステートメント)

 

基本理念 これからの高知を生きる人たちに力と喜びをもたらす図書館

 

 オーテピア高知図書館(高知県立図書館・高知市民図書館本館)は、課題解決を支援する地域の情報拠点として、県民・市民の読書環境や情報環境の改善に貢献することを使命とした図書館です。

 

 高知県は、人口減少や地域経済の縮小、南海トラフ地震への対策などさまざまな課題に直面しています。県は、これらの課題に真正面から取り組み、課題解決の先進県を目指し、経済の活性化や日本一の健康長寿県づくりなどの施策を進めています。

 

 高知市においても、少子・高齢化や防災等の課題に加えて、高知県県域の中核都市として都市の魅力と活力を高めるとともに、「高知市型共生社会の実現」を目指し、地域課題の解決に向けたさまざまな取組を進めています。

 

 加えて、現在、人類は新型コロナウイルス感染症の脅威に直面し、その影響は世界のあらゆる地域に及んでいます。高知県においても、県民・市民の生活は一変し、感染拡大防止と社会・経済活動の両立を模索している状況です。

 

 先の見えない時代にあって、あらゆる分野の資料・情報を提供する図書館の役割は、ますます重要になると考えます。オーテピア高知図書館は、地域が抱えるさまざまな課題の解決において、課題解決支援に携わる関係機関と連携・協力しながら、図書館の有する多種多様の豊富な資料・情報と司書の専門性を生かし、図書館サービスの提供を通じて貢献します。

 

 また、オーテピア高知図書館は、開かれた学びの場として、誰にとっても使いやすい図書館を目指すとともに、県民・市民が情報弱者となることのないよう、情報リテラシーの向上を支援し、生活のさまざまな局面で「情報面」でのセーフティネットの役割を果たします。

 

 さらに、感染症拡大を契機とした社会構造の変化や県民・市民の新たなニーズ、デジタル化の進展にも対応し、県民・市民とともに成長する図書館として、進化し続けます。

 

 これらの実現に向けて、「新図書館基本構想」(以下「基本構想」という。)と「新図書館等複合施設整備基本計画」(以下「基本計画」という。)に示された「目指す図書館の姿」を基本理念に掲げ、「第2期オーテピア高知図書館サービス計画」を策定します。

 

2ページ

図書館の「チカラ」 図書館がひらく高知の未来

 

 「ミッション・ステートメント」で示したオーテピア高知図書館の目指す姿について、図書館は「読書が好きな人のための施設」とか「学生が勉強する場所」といったイメージを持つ人にとっては、驚きを感じる内容かもしれません。

 

 オーテピア高知図書館にはたくさんの文芸書があり、多くの方の読書欲を満たすことができます。また、4階には「学習室」があり、どなたでも学習や読書の場として使うことができます。しかし、趣味の読書や持ち込み学習は、図書館で「できること」のごく一部に過ぎません。

 

 人が課題に直面したとき、よりよい選択によってその課題を解決しようとするなら、課題とその解決策についての「情報」を求めることは必然のことです。例えば、経営者は業界動向を、受験生は受験校や入試についての情報を、病気にかかったときには病気と治療についての情報を得て、よりよい選択を考える材料とするでしょう。

 

 しかし、優れた情報ほど、個人で得られるものには限りがあります。今日、インターネット上には情報があふれていますが、ネットであらゆる情報にアクセスできる状況にはなく、紙媒体の本や雑誌は依然として重要なメディアです。しかし、県内公共図書館の蔵書数は全国に比して少ないなど高知県の読書環境や情報環境は厳しい状況にあり、さらなる改善が必要です。

 

 また、ネット上の情報の増大に加え、ICTの進展に伴って新たなメディアが生み出されるなど、情報環境の多様化が加速しています。このような状況に対応し、情報を探索・活用することができるようになるためには、「情報リテラシー」を身につける必要がありますが、誰もがその機会を十分に得られるわけではありません。

 

 このような情報に関わる格差や情報社会に求められる知識・技術を補い、あらゆる分野の資料・情報にアクセスする機会をすべての人に提供できるということこそ、図書館の機能・役割であり、図書館の持つ「チカラ」の根源であると考えます。

 

 オーテピア高知図書館は課題解決型図書館を目指し、開館以降、ビジネス、健康・医療、福祉、防災、農業などの分野において資料・情報を蓄積するとともに、司書が経験と研鑽を積むことで、図書館としての機能を高めてまいりました。これら図書館の有する「モノ」や「ヒト」の資源を存分に生かし、地域に貢献することができれば、その成果は、目前にある「課題の解決」にとどまりません。

 

 例えば、図書館の幅広い情報・知識の提供が、産業活性化の一助となれば、県外からの人の流れを作ったり、税収の増加につながったりすることが期待されます。また、健康・医療に関わる正しい知識・情報が共有される一助となれば、健康寿命を延ばし医療費の軽減につながることが期待されます。さらに、正しい情報にアクセスし、それを活用する術を誰もが身に付けることができる一助となれば、生活上の困難な状況に直面しても、情報弱者となることなく自ら生活を立て直すことができ、社会保障費を抑制することが期待されます。

 

 このように、知的情報基盤としての図書館が持つ「チカラ」には、無限の可能性があります。この可能性を確信し、オーテピア高知図書館は、「これからの高知を生きる人たちに力と喜びをもたらす図書館」を基本理念に掲げ、高知の未来をつくる推進力の一端を担うことを「ミッション・ステートメント」で宣言しています。

 

3ページ

第2章 第2期オーテピア高知図書館サービス計画の策定について

1 位置付け

(1)この計画は、基本構想と基本計画に基づいて、図書館法や「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」(以下「望ましい基準」という。)、国や高知県が策定している教育振興基本計画、高知市総合計画などをはじめとする他の関連する計画等との整合性を図りながら策定するものです。

(2)この計画は、効果的かつ効率的なサービスの実施及びサービス水準の維持・向上を図るために、サービスなどの基本的な考え方と具体的な内容及び方策を明らかにするものです。

(3)この計画は、「望ましい基準」第二の1−1−(1)に基づく「事業計画」としても位置付けるものです。

 

【図書館の設置及び運営上の望ましい基準(平成241219日文部科学省告示第172号)】(抜粋)

第二 公立図書館

一 市町村立図書館

1 管理運営

(一)基本的運営方針及び事業計画

1 市町村立図書館は、その設置の目的を踏まえ、社会の変化や地域の実情に応じ、当該図書館の事業の実施等に関する基本的な運営の方針(以下「基本的運営方針」という。)を策定し、公表するよう努めるものとする。

2 市町村立図書館は、基本的運営方針を踏まえ、図書館サービスその他図書館の運営に関する適切な指標を選定し、これらに係る目標を設定するとともに、事業年度ごとに、当該事業年度の事業計画を策定し、公表するよう努めるものとする。

3 市町村立図書館は、基本的運営方針並びに前項の指標、目標及び事業計画の策定に当たっては、利用者及び住民の要望並びに社会の要請に十分留意するものとする。

二 都道府県立図書館

6 準用

第二の一に定める市町村立図書館に係る基準は、都道府県立図書館に準用する。

 

2 第2期計画の期間

 令和4年度から令和8年度までの5年間とします。

 

3 第2期計画の推進体制と進捗管理

3−1 推進体制

 オーテピア高知図書館は、県立図書館と市民図書館の合築による図書館であることから、役割分担を明確にしたうえで、一体的な運営を行い、連携して計画の推進に取り組みます。

 また、計画の推進にあたっては、協力・連携機関や専門機関等との連携強化を図り、効果的で効率的な図書館サービスを提供します。

 

4ページ

【図】計画の推進体制

オーテピア高知図書館

オーテピア高知図書館は、高知県立図書館と高知市民図書館が連携・調整しながら一体的に運営。

オーテピア高知図書館サービス計画推進委員会がオーテピア高知図書館を点検・評価。

高知県立図書館協議会・高知市立市民図書館協議会がオーテピア高知図書館に対して諮問に応じ意見を述べる。

 

オーテピア

オーテピア高知図書館と高知みらい科学館及びオーテピア高知声と点字の図書館が連携・調整。

高知みらい科学館とオーテピア高知声と点字の図書館が連携。

 

利用者との関係

オーテピア高知図書館が利用者(県民・市民、企業・行政・学術研究機関等)に対してサービスを提供、支援。

 

専門機関との関係

オーテピア高知図書館が専門機関(ビジネス支援、農業、健康、安心、防災関係等)と連携。蓄積した資料や専門的な情報をやり取り。

 

協力・連携機関との関係

オーテピア高知図書館が協力・連携機関(市町村立図書館等、読み聞かせや点訳、音訳等のボランティア、商店街、博物館等)と連携。図書館資料や各種支援をやり取り。

 

専門機関、協力・連携機関、利用者の関係

専門機関と協力・連携機関が連携し利用者を支援。

 

3−2 進捗管理

 第2期計画に基づくサービス・取組の進捗状況については、図書館法第14条に基づき設置されている「高知県立図書館協議会」・「高知市立市民図書館協議会」に報告のうえ意見をいただくとともに、図書館の専門家等による「オーテピア高知図書館サービス計画推進委員会()」に報告のうえ点検・評価をいただき、PDCAサイクルによる内部評価と合わせ、サービスの改善及び新たなサービス展開につなげていきます。

 なお、これらの点検・評価の結果については、図書館ウェブ・サイト等で県民・市民に公表します。

また、アンケート調査を定期的に実施することで、利用者の要望や満足度等を把握し、サービス水準の向上に努めます。

 

オーテピア高知図書館サービス計画推進委員会

本計画の効果的かつ着実な実施並びに図書館サービスの改善及び新たなサービス展開に関する協議を行う場として平成311月に設置された。図書館専門家2名及び学識経験者2名で構成される。

 

5ページ

4 SDGs(エスディージーズ)【持続可能な開発目標】との関わり

 SDGsは、平成27年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、令和122030)年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。「すべての人に健康と福祉を」、「質の高い教育をみんなに」、「平和と公正をすべての人に」などの17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。

 高知県は「第4期産業振興計画 ver.2」において、県内事業者のSDGsを意識した取組を促進するための施策を推進することとしており、高知市においても「2011高知市総合計画 後期基本計画」で「本市の将来にわたる持続可能な発展を図るうえでも、本市自らが積極的にSDGsの達成に向けて取り組む」としています。

 これらのことから、当館においても、SDGs17の目標別に達成のヒントとなるような資料の紹介など、SDGsへの理解を深めるための情報発信を行うとともに、本計画の推進においては、SDGsを意識して取り組み、SDGsの達成に貢献することとします。

 

○SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

1 貧困をなくそう

2 飢餓をゼロに

3 すべての人に健康と福祉を

4 質の高い教育をみんなに

5 ジェンダー平等を実現しよう

6 安全な水とトイレを世界中に

7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに

8 働きがいも経済成長も

9 産業と技術革新の基盤をつくろう

10 人や国の不平等をなくそう

11 住み続けられるまちづくりを

12 つくる責任 つかう責任

13 気候変動に具体的な対策を

14 海の豊かさを守ろう

15 陸の豊かさも守ろう

16 平和と公正をすべての人に

17 パートナーシップで目標を達成しよう

 

6ページ

第3章 オーテピア高知図書館サービス計画(第1期)に基づく取組の成果・課題

1 第1期計画の概要

 オーテピア高知図書館において、県立図書館と市民図書館本館がそれぞれの役割と機能を果たしながら、共通する業務を一体的に行うことによって、両館の担ってきた独自の機能をこれまで以上に発揮し、県民・市民の利便性を高め、充実したサービスを提供することを目的として、高知県と高知市は、平成29年1月に「オーテピア高知図書館サービス計画(第1期)」を策定しました。

 これまでの間、第1期計画に基づき、地域を支える情報拠点として県民・市民の暮らしや仕事に役立つとともに、本県の読書環境と情報環境を改善するためのさまざまな取組を進めてきました。

 

オーテピア高知図書館サービス計画(平成29年度〜令和3年度)

 

基本理念(基本構想・基本計画における目指す図書館像)

これからの高知を生きる人たちに力と喜びをもたらす図書館

 

基本方針

1 情報提供機関として地域を支える図書館

2 県民・市民の資料要求に応え、課題解決の支援ができる図書館

3 セーフティネットの役割を果たす図書館

4 図書館利用に障害のある利用者に配慮した図書館

5 進化型図書館

 

15のサービス・取組

地域を支える情報拠点機能の充実

1 資料・情報の提供(貸出し・閲覧・予約)

2 高知県関係資料の収集・保存・提供

暮らしや仕事の中でのさまざまな課題解決への支援

3 レファレンス・サービス

4 課題解決支援サービス@ ビジネス・農業・産業支援サービス

5 課題解決支援サービスA 健康・安心・防災情報サービス

6 情報リテラシー向上支援サービス

7 行政支援サービス

利用者に応じた図書館サービスの充実

8 児童サービス

9 ティーンズ・サービス

10 多文化サービス

11 図書館利用に障害のある人へのサービス

連携・支援及び図書館の活用

12 市町村立図書館等への支援(県立図書館機能)

13 高知市全域サービスの拠点(市民図書館機能)

14 県立学校図書館等との連携・協力(県立図書館機能)

15 中心市街地活性化への寄与・周辺施設との連携

 

7ページ

2 第1期計画に基づく取組の分析・評価

2−1 サービス指標の達成状況(7ページから8ページ)

 第1期計画では、以下の4項目をサービス指標とし、設定した目標の達成に向けて施策を推進してきました。

 

@ 年間個人貸出点数

年間個人貸出点数の推移

H26年度:519,892点 R元年度:1,064,469点 R2年度:1,018,409点 R3年度目標:1,100,000

※H26年度は旧高知県立図書館と旧市民図書館本館の合計

 

 R元年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、3月に18日間臨時休館しましたが、基準値となるH26年度から倍以上の伸びとなり、R3年度の目標値に迫りました。R2年度も4月から5月にかけて26日間臨時休館しましたが、R元年度から約4万6千点の減少にとどまりました。

 

【成果・課題】

 平成30年7月の開館以降、新鮮で多種多様な資料を収集・提供する情報提供機関としての役割を存分に果たし、着実に利用が伸びてきました。コロナ禍においても、貸出点数は大幅に落ちることなく、県民・市民のニーズに応じた資料・情報を提供しています。今後も、新鮮で豊富な資料を継続して提供することが求められます。

 

A 年間レファレンス件数

年間レファレンス件数の推移

H26年度:23,989件 R元年度:37,914件 R2年度:26,530件 R3年度目標:30,000

※H26年度は旧高知県立図書館と旧市民図書館本館の合計

 

 R元年度は、基準値となるH26年度から約1万4千件増加し、R3年度の目標値を大きく上回りました。R2年度は減少に転じ、基準値に対して約2千500件の増にとどまりました。

 

【成果・課題】

 レファレンス件数の減少は、開館後2年が経過し利用者が図書館利用に慣れたことで、資料の所在を問うような単純な質問が減ったことが一因として考えられます。課題解決を支援する図書館としての機能をさらに発揮するためには、利用者が気軽に質問できる環境づくりや多様かつ高度な質問に対応できるよう司書の専門性をさらに向上させ、加えて、レファレンス・サービス(調べもの案内)の認知度向上のための広報の強化が必要です。

 

B 県民一人あたりの年間貸出点数

県民一人あたりの年間貸出点数の推移

H26年度:3.7点 R元年度:4.4点 R2年度:4.3点 R3年度目標:4.2

高知県の人口は「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」(総務省)、貸出点数は『日本の図書館(統計と名簿)』(日本図書館協会)による

 

 R元年度は、基準値となるH26年度から0.7点増加し、R3年度の目標値を上回る結果となりました。

 R2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により一時的に休館した館も多かったことから、数値は下がったものの、前年度から0.1点の減少にとどまりました。

 

【成果・課題】

 オーテピア高知図書館の開館準備の段階から、県・市ともに資料費を増額して資料を収集したことで、協力貸出や相互貸借を通じて県域で利用できる資料が増え、県民による図書館利用が促されたことがうかがえます。しかし、国民一人あたりの年間貸出点数5.13点(R元年度)とは、開きがある状況です。今後も、新鮮で豊富な資料を継続して提供するとともに、県立図書館の独自機能として、市町村立図書館の状況や地域の特性等に応じて、市町村における図書館活動を側面から支援することによって活性化を図ることが求められます。

関連データは、巻末「参考資料」のP55「図書館の現状」を参照のこと。

 

C 年間入館者数(オーテピア全体の入館者数)

年間入館者数の推移

H26年度:620,158人 R元年度:1,028,441人 R2年度:707,197人 R3年度目標:1,000,000

※H26年度は旧高知県立図書館と旧市民図書館本館の合計

 

 R元年度は、基準値となるH26年度から約40万人増加し、R3年度の目標値である100万人を上回りました。R2年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け、71万人弱にとどまりました。

 

【成果・課題】

 図書館の本来的機能である資料・情報の提供が確実なものとなれば、利用は高まり、図書館は必然的に集客施設となります。このことに加えて、魅力ある複合施設として、オーテピアは中心市街地の活性化に大きく貢献していると考えます。その一方で、新型コロナウイルス感染症の影響によって、「にぎわい創出」の取組についても、多様な方法の検討が求められています。商店街や各種団体・関係機関と連携・協力しながら、新たな取組を模索していくことが必要です。

 

2−2 『オーテピア高知図書館サービス計画』に基づくアンケート調査(8ページから12ページ)

 第2期計画を策定するにあたり、第1期計画に基づく取組を分析・評価するとともに、利用者や関係機関・団体等の図書館サービスの満足度やニーズ、図書館の魅力や強みを把握し、サービスの磨き上げや新たなサービス展開の参考とするため、以下5区分による7種類のアンケート調査を実施しました。

 

1 利用者満足度調査

対象:図書館の来館者

主な目的:サービスの満足度や認知度の把握、課題解決型サービスの定着度の把握、図書館の魅力・強みやニーズの把握

 

2 関係機関・団体アンケート 関係機関・団体アンケート

対象:課題解決関連分野の関係機関・団体

主な目的:満足度やニーズの把握、未利用機関等に対する有効な働きかけの方法の把握、調査実施を通じたサービスの周知

 

3 関係機関・団体アンケート 学校アンケート

対象:高知県立学校、高知市立学校等

主な目的:足度やニーズの把握、未利用機関等に対する有効な働きかけの方法の把握、調査実施を通じたサービスの周知

 

4 バリアフリーサービスアンケート

対象:図書館利用に障害のある人

主な目的:ニーズと利用上の課題の把握、未利用者の情報行動に沿った有効な働きかけの方法の把握、調査実施を通じたサービスの周知

 

5 行政職員アンケート

対象:高知県・高知市の職員

主な目的:満足度やニーズの把握、未利用の職員に対する有効な働きかけの方法の把握、調査実施を通じたサービスの周知

 

6 市町村支援アンケート 市町村立図書館アンケート

対象:県内市町村立図書館

主な目的:支援に関する取組の認知度や満足度の把握、各市町村が目指す図書館サービスの方向性の把握

 

7 市町村支援アンケート 図書室等アンケート

対象:図書館未設置町村の図書室等

主な目的:支援に関する取組の認知度や満足度の把握、各市町村が目指す図書館サービスの方向性の把握

 

実施状況や結果の概要は、巻末「参考資料」のP67「『オーテピア高知図書館サービス計画』に基づくアンケート調査 結果の概要」を参照のこと。

 

アンケート調査の結果から読み取ることができる主な傾向

利用者満足度調査

「本の品ぞろえ」については、満足度・利用度とも圧倒的に高い。

「調べものの案内(レファレンス・サービス)」「データベースの種類」については、「わからない/利用したことがない」の割合が高く(37.9%48.9%)、サービスの認知度が低い。

56.1%から「図書館が暮らしや仕事での疑問や困りごとの解決に役立ったことがある」との回答があり、利用者の困りごとの解決に一定役立っている。

これからのサービスについて、「本や雑誌の品ぞろえ」に期待する(大いに・まあまあ)との回答が91.6%と圧倒的に多い。

 

関係機関・団体アンケート調査

各種サービスの認知度について、「貸し施設」「調べものの案内(レファレンス・サービス)」「データベースの提供」の順に高い(93.6%76.9%73.1%)が、利用度では後の2つは低くなる。

満足度について、すべてのサービスで「満足している(大いに・だいたい)」との回答が95%以上となっている。

84.6%から「図書館活用が業務に役立つと思う(そう思う・おおむねそう思う)」との回答があり、図書館の有用性について一定の理解が得られている。

これからのサービスについて、「本や雑誌の品ぞろえ」に期待するとの回答が61.1%と最も高い。

 

学校アンケート調査

各種サービスの認知度について、「貸し施設」「調べものの案内(レファレンス・サービス)」「団体貸出サービス」「学校見学の受け入れ」「データベースの提供」の順に高い(96.9%94.9%91.9%88.8%85.9%)が、利用度では「調べものの案内(レファレンス・サービス)」「データベースの提供」は低くなる。

満足度について、ほとんどのサービスで「満足している(大いに・だいたい)」との回答が9割以上となっている。「データベースの提供」は83.3%、「児童図書選定支援コーナー」は75.0%となっている。

これからのサービスについて、「本や雑誌の品ぞろえ」を含めたほとんどのサービスで、期待するとの回答が9割以上となっている。「図書館司書による教職員を対象とした図書館活用方法の説明」は89.7%となっている。

 

バリアフリーサービスアンケート

バリアフリーサービスの認知度について、「知らない」の割合が高く(69.3%)、サービス自体の認知度が低い。

バリアフリーサービスを利用しない理由の回答として、「図書館に行くことが難しい」「図書館を利用する必要がない」の順に多い(28.1%14.9%)。

図書館利用に障害のある人の情報の入手方法の回答として、「テレビ」「家族・知人」「新聞・雑誌・本の購入」の順に多い(70.8%62.7%40.0%)。

 

行政職員アンケート

各種サービスの認知度について、「貸し施設」「調べものの案内(レファレンス・サービス)」「チラシやパンフレットの館内配置」「データベースの提供」の順に高い(80.9%55.3%51.4%39.4%)が、利用度では「調べものの案内(レファレンス・サービス)」「データベースの提供」は低くなる。

仕事で必要な情報の入手方法として、「インターネットの閲覧」「個人で書籍・新聞・雑誌を購入」「所属で業務用の書籍・新聞・雑誌を購入」の順に高い(98.6%49.9%31.1%)。一方、「オーテピア高知図書館の利用」は18.2%であった。

72.7%から「図書館活用が業務に役立つと思う(そう思う・おおむねそう思う)」との回答があり、図書館の有用性について一定程度の理解が得られている。

これからのサービスについて、「本や雑誌の品ぞろえ」に期待するとの回答が64.4%と最も多い。

 

市町村立図書館アンケート

県立図書館による各種の支援については、そのほとんどが7割以上の図書館に利用されている。「利用する(よく・ときどき)」との回答が7割に満たないのは、「協力レファレンス」(53.4%)「児童書の全点購入や「週刊新刊全点案内」の提供による選定支援」(40.0%)であった。

すべての支援について、「満足している(満足・まあ満足)」との回答が8割以上となっている。

これからの支援について、「本の品ぞろえの充実(オーテピア高知図書館・移動図書館)」に期待する(大いに期待・期待)との回答が100%と圧倒的に多い。

市町村立図書館において、今後、重視するサービスとして、「文学や趣味など、生活を楽しむことに役立つ資料の収集・提供」「児童書の収集やおはなし会の開催など、子どもと本を結ぶサービス」は「重視する(大いに重視・重視)」との回答が100%であった。このほか、「仕事や地域の産業に関する資料の収集や、担当課と連携した取組みの実施」が96.7%、「健康や防災など、暮らしの安心に関する資料の収集や、担当課と連携した取組みの実施」が96.6%、「探求学習に役立つ資料の収集・提供や、検索方法等についてのガイダンスの実施など、学校教育を支援するサービス」が90.0%、「首長部局に対する団体貸出やレファレンスによる支援」が80.0%となっている。

 

図書室等アンケート

県立図書館による各種の支援について、7割以上の図書室に利用(よく・ときどき)されているのは、「物流サービス」(92.8%)、「移動図書館(図書館バス)による貸出」(91.6%)、「協力貸出」「電話やメール・職員訪問による業務相談・業務支援」(ともに78.6%)となっている。一方、「ほとんど利用しない」「内容を知らない」の合計が2割を超えるのは、「横断検索システムの提供」「児童書の全点購入や「週刊新刊全点案内」の提供による選定支援」「研修の実施」(いずれも35.7%)、「企画展示用図書の貸出(セット貸出など)」(28.6%)となっている。

すべての支援について、「満足している(満足・まあ満足)」との回答が8割以上となっている。

これからの支援について、「本の品ぞろえの充実」「移動図書館の運行・搭載する本の品ぞろえの充実」「日常業務に関する相談」に期待する(大いに期待・期待)との回答が92.9%と多い。

 

【成果・課題】

 新鮮で多種多様な資料を収集・提供することができており、資料・情報の提供面での利用者の満足度は高い状況です。図書館の利用が活発になり、新たなニーズが繰り返し生み出されていることがうかがわれ、各アンケートにおいても、これからの図書館サービスに期待することとして、「本や雑誌の品ぞろえ」の回答が多くなっています。今後も利用者の期待に応え、情報提供機関としての役割を果たすため、新鮮で豊富な資料を継続して提供することが求められます。

 

 課題解決支援に関わる主要なサービスである「調べものの案内(レファレンス・サービス)」や「データベースの提供」について、関係機関・団体、学校、行政職員に一定程度認知されていたことは、これまでのサービスのPRの取組等による成果と言えます。しかし、これらのサービスについて、個人利用者では認知度自体が低く、関係機関・団体、学校、行政職員についても、認知度はあっても利用に十分に結び付いていない状況です。単に、「サービスを提供する」ことにとどまることなく、これらの図書館サービスが課題の解決にどのように役立つのかを分かりやすく具体的かつ積極的にPRし、サービスの利用に結び付けていくことが必要です。

 

 図書館利用に障害のある人へのサービスについては、サービスの認知度が低く、この向上が急務です。普段の情報入手の方法として、「新聞・雑誌・本の購入」を挙げる回答が40.0%あることから、図書館利用の潜在的なニーズは決して小さくないことがうかがえます。多様な障害に対応し、当事者や家族・支援者に確実に届く広報手段を検討していくことが必要です。

 

 同じく、図書館利用に障害のある人へのサービスについては、サービスを利用しない理由として、「図書館に行くことが難しい」を挙げる回答が28.1%ありました。来館困難な利用者に対する「宅配貸出サービス」を広く周知するとともに、電子図書館等の非来館型サービスの充実と普及が求められます。

 

 図書館の有用性について、高知県・高知市の職員に一定の理解が得られていることは、これまでのサービスのPRや連携事業の取組等による成果と言えます。その一方で、行政職員が必要な情報を入手する方法として、図書館が十分に活用されていない状況があります。多様な資料・情報にあたり、比較検討して、精度の高い情報を入手できることは図書館の最大のメリットですが、限られた時間で多くの業務を遂行するうえでは、図書館を十分に活用することが難しいことがうかがえます。「調べものの案内(レファレンス・サービス)」による支援を強化するとともに、業務上の課題の解決に直結する情報提供や職員の情報検索スキルの向上を支援する取組が必要です。

 

 県立図書館の独自機能である市町村図書館等への支援については、人的・物的支援とも全般的に活用され、満足度が比較的高い状況にあります。引き続き、市町村立図書館の状況やニーズを丁寧に把握し、きめ細かな支援を行うとともに、教育行政とも連携し、自立的な図書館サービスの提供につなげることが重要です。また、市町村立図書館においては、今後の自館のサービス展開に関して、課題解決型サービスを重視する声があることから、このようなニーズにも対応し、オーテピア高知図書館で実践してきたことを生かしてサービスの創出を支援することが求められます。

 

2−3 『オーテピア高知図書館サービス計画』意見交換会(12ページから13ページ)

 第1期計画に基づく取組の成果と課題を踏まえ、第2期計画策定の方向性等について参考意見を伺うため、関係機関・団体等の代表者に出席いただき、以下の4分野で開催しました。

  

開催日:令和2年12月7日(月)

分野:商工・農林水産、中心市街地活性化への寄与・周辺施設との連携、防災

開催日:令和2年1214日(月)

分野:健康・福祉

 

ご意見をいただいた主な視点

関係機関・団体等と図書館とのさらなる連携強化の方策

図書館の課題解決支援機能のさらなる強化

コロナ禍における、あるいは「ポスト・コロナ」社会を見据えた各分野の動向と、これらに対応した図書館サービスの方向性など

 

図書館サービスの強化・充実につながるご意見

区分:資料

サービス・取組:資料:図書の収集・提供

ご意見の例:

実際に使える「生の情報」が必要である。

専門書に加えて、それらを噛み砕いて分かりやすく伝える媒体も必要である。

図書館資料は、新製品を生み出す刺激となる。

 

区分:利用ガイド

サービス・取組:ブックリストやパスファインダーの作成提供

ご意見の例:

補助金等のさまざまな情報を一元的に提供してほしい。

ブックリストやパスファインダーをぜひ一緒に作成したい。

どういった本があるのか分からず、テーマ別での本に関する情報提供に期待する。

 

区分:PR

サービス・取組:図書館活用事例の広報

ご意見の例:

具体的な図書館活用事例を多く示すとよい。

図書館活用事例のマンガ化は重要である。

図書館があるから仕事ができ、移住しやすい環境であることを一緒にPRしたい。

 

区分:連携

サービス・取組:他機関と連携したセミナー・相談会等の共催事業の実施

地域住民に情報を届けるために、図書館と共催事業をできないか。

イベント等では、図書館と連携した普及・啓発ができる。

サービス・取組:広報支援

ネットによる情報提供だけでは、発信力が弱い。啓発方法を模索しており、図書館と一緒に行いたい。

ぜひ図書館と連携し、事業を周知したい。

 

区分:情報リテラシー

サービス・取組:図書館活用講座の実施

自分が抱えている課題と図書館サービスとがつながることを知らない人が多い。

解決すべき「課題」そのものを分かっていない人が多い。課題を考え、気付く場としての支援も必要ではないか。

 

区分:アウトリーチ

サービス・取組:アウトリーチ・サービスの実施

図書館ができることを知ることも課題。顔の見える関係づくりを継続したい。

図書館は心強い存在。日常的に情報交換できる場を作りたい。

 

区分:中心市街地活性化への寄与

サービス・取組:個々の商店や商店街全般に役立つ図書等の収集・提供、商店街や宿泊施設等への団体貸出

まちゼミの参加店説明会で、参考資料を提供できないか。

予約本を受け取る場所として、商店街を活用してほしい。

サービス・取組:商店街や日曜市等の情報発信

街路市の歴史を学べるような展示を設けるなど、街路市を生活に取り入れてもらえるような取組を期待する。

サービス・取組:商店街との協働

地域課題を含めて話し合いができるベース作りを図書館と連携して進めたい。

日常的に、図書館と担当者レベルで情報交換をしたい。

サービス・取組:図書館サービスのPR

図書館の価値をもっと多くの人に知ってほしい。若い世代にさらにアピールを。

本の活用について、商店街に向けてPRしてほしい。

 

14ページ

3 社会情勢の変化や国の施策に関わる動き(14ページから17ページ)

新型コロナウイルス感染症を契機とした社会構造の変化

 令和2年以降、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大によって、人々の生活は一変しました。多くの尊い人命が失われるばかりでなく、感染拡大防止のため社会・経済活動が制約を受け、飲食や観光などを中心とした産業が大きな打撃を受けています。また、人との接触機会が感染の拡大につながることから、リモートワークの導入やオンライン会議の活用が広がるとともに、人口密度が高い地域から地方への移住に関心が高まるなど、社会構造が大きく変わる状況が生じています。

 オーテピア高知図書館においては、このような状況に対応して、感染症から身を守るための健康・医療情報の提供・発信はもとより、社会構造の変化を受けた業態転換や転職・転業者の増大に対応し、資格取得や学び直しに役立つ資料・情報の提供を強化します。また、移住者に対しては、オーテピア高知図書館が都市部に劣ることのない情報環境を保証することをPRし、高知が「選ばれる地域」となるための好材料となることを目指します。

 

デジタル技術の進展と超スマート社会の到来

 IoTやロボット、ビッグデータ、AI等の技術の進展によって、あらゆる分野においてデジタル技術の活用が急速に進んでいます。こうした先進技術により、新たな価値を創出し、地域、年齢、性別、言語等による格差なく、多様なニーズや潜在的なニーズにきめ細かに対応してモノやサービスを提供することができる「超スマート社会(Society 5.0)」の到来が予想されています。

 このような中、国はデジタル庁を設置し、社会全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)化に向けた動きを加速化しています。また、教育分野においても、新型コロナウイルス感染症の影響で臨時休校が続いたことを受け、1人1台端末環境の整備などICTの活用によってすべての子どもたちに学びを保証しようとする「GIGAスクール構想」について、令和5年度末までとしていた導入計画を令和2年度内に完了するよう前倒ししました。

 「進化型図書館」を基本方針の1つに掲げるオーテピア高知図書館においては、AI等の先進技術を生かした効果的で効率的なサービスについて継続的に研究を深め、具体化を図ります。また、電子図書館や貴重資料のデジタルアーカイブ等のデジタルコンテンツの充実を図るとともに、これらの情報資源を活用に結びつける取組を進めます。

 

少子・高齢化の進展、地域経済の縮小

 全国より15年先行して平成2年から人口の自然減に転じた高知県においては、「人口減少が経済規模の縮小を引き起こし、それが県外への人口流出につながり、ますます過疎化・高齢化が進行することで少子化が加速し、さらなる人口減少につながる」という負の連鎖を招いています。この連鎖を断ち切るため、高知県においては、県経済の活性化に向けたトータルプランである「高知県産業振興計画」を平成21年度にスタートし、平成27年度からは、産業振興計画をベースとした「高知県まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、各分野での取組を進めています。

 また、高知市においても、平成233月に策定した、令和12年度までの20年間のまちづくりの指針となる「2011高知市総合計画」に加え、平成27年度からは、総合計画の柱の一つとして位置づけられる「高知市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、他の各種行政計画とも連携を図りながら、総合的に施策を推進しています。

 「課題解決の支援ができる図書館」を基本方針の1つに掲げるオーテピア高知図書館においては、生産人口が減少する中にあっても、付加価値や労働生産性の高い産業を育むため、起業や商品開発、業務改善等に役立つ資料・情報を提供することで、県・市の施策を知識・情報面で後押しする知的情報基盤としての役割を果たします。また、高齢者人口の増加に対しては、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、健康・医療、福祉、防災等に関わる資料・情報の提供を通じて支援するとともに、各種団体・関係機関と連携しながら、地域が抱える社会的な課題についての啓発に取り組みます。

 

大規模自然災害の発生

 年々切迫度が高まる南海トラフ地震に加え、近年、地球温暖化等の影響によって気象災害が激甚化しています。高知県においては、令和2年3月に「第4期南海トラフ地震対策行動計画」を改定、令和2年6月に「高知県強靱化計画」を策定、高知市においても、令和3年3月に策定した「2011高知市総合計画後期基本計画 第1次実施計画」において、「地域防災力の向上(命をつなぐ対策の推進)」や「命を守る対策の推進」を施策に位置付け、県民・市民の命を守ることを最優先としたうえで、ソフト・ハード面から対策を進めています。

 オーテピア高知図書館においては、防災に関わる資料・情報の提供を通じて、県民・市民の防災知識の向上に資するとともに、住民自身が地域における防災を考えることで、自助・共助の取組が促されるよう、各種団体・関係機関と連携した啓発に取り組みます。また、大規模災害の発生後は、情報インフラが打撃を受け、被災者が情報弱者となることが懸念されます。災害の状況や復旧・復興の段階に応じて、県民・市民の生活に不可欠な資料・情報を提供する機能をどのように果たしていくのかについて、大規模災害の発生を想定した業務継続計画(BCP)の策定が必要です。

 

外国人材の受け入れ拡大

 少子・高齢化の進展を背景とした深刻な人手不足への対応として、平成31年4月に改正出入国管理・難民認定法が施行されました。これにより、新しい在留資格が設けられ、単純労働分野でも外国人労働者を正式に受け入れることが可能となりました。このような流れを受け、高知県においても、令和3年3月に「高知県外国人材確保・活躍戦略」を策定し、外国人材の確保を推進し、受け入れた人材の生活を支え、定着及び活躍の促進を図る環境整備に取り組むことで、各産業分野の人材確保を図ることとしています。

 オーテピア高知図書館においては、誰もが使える学びの場として、在留外国人のニーズにも対応した資料・情報を提供するとともに、やさしい日本語を活用した案内等により図書館の利用を促進するなど、在留外国人の情報活用をサポートする取組を強化・充実することが必要です。

 

「第四次子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」の策定(H30.4

 国は、「子どもの読書活動の推進に関する法律」に基づき、平成30年度からの概ね5年間にわたる子どもの読書活動推進に関する基本方針として、「第四次子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」を平成30年4月に策定しました。この計画では、@読書習慣の形成に向けて、発達段階ごとの効果的な取組を推進、A友人同士で本を薦め合うなど、読書への関心を高める取組を充実、B情報環境の変化が子どもの読書環境に与える影響に関する実態把握・分析の3つを改正のポイントとしています。

 国における計画を参考としながら、地域における子どもの読書活動の推進の状況を踏まえ、高知県においては、平成29年2月に策定した「第三次高知県子ども読書活動推進計画」、高知市においては、令和2年3月に策定した「第三次高知市子ども読書活動推進計画」に基づき、家庭、地域、学校等における取組を推進しています。特に地域での子どもの読書活動の推進において主要な役割を担う公立図書館として、オーテピア高知図書館は、県・市の関連施策と一体的に子どもの読書活動の推進に取り組みます。

 

「第3期教育振興基本計画」の策定(H30.6

 平成30年6月に、国における「第3期教育振興基本計画」が閣議決定されました。この計画の中で、特に図書館との関わりにおいては、基本的な方針1「夢と志を持ち、可能性に挑戦するために必要となる力を育成する」の目標(2)「豊かな心の育成」で読書活動の充実が、基本的な方針3「生涯学び、活躍できる環境を整える」の目標(11)「人々の暮らしの向上と社会の持続的発展のための学びの推進」で多様な資金調達等も活用した持続可能な社会教育施設の運営が、同じく目標(13)「障害者の生涯学習の推進」の「障害者スポーツ、障害者の文化芸術活動の振興等」の中で図書館等の環境整備の促進が、基本的な方針5「教育政策推進のための基盤を整備する」の目標(18)「安全・安心で質の高い教育研究環境の整備」で学校図書館の整備充実に言及されており、関連施策を進めるうえでは、計画の示す方向性に留意することが必要です。

 

著作権法の一部改正

 近年、国際的なルールへの対応や海賊版の流通規制などさまざまな背景から、著作権法がたびたび改正されています。資料・情報等の著作物があって成り立つ図書館サービスの提供にあたっては、これらの動向に十分留意することが必要です。

 平成30年5月の改正(一部を除き平成31年1月施行)では、「盲人、視覚障害者その他の印刷物の判読に障害のある者が発行された著作物を利用する機会を促進するためのマラケシュ条約」(マラケシュ条約)の締結に向けて、障害者の情報アクセス機会の充実にかかる権利制限規定(第37条関係)が整備されました。これにより、同法に定める「視覚障害者等」に、視覚には障害はないものの、肢体不自由等によって手に取って読むことが難しい人が含まれるようになるなど、従来の制限が緩和され、図書館サービスの対象者が大幅に広がっています。

 また、令和3年5月には、図書館関係の権利制限規定(第31条関係)が見直され、国立国会図書館が絶版等資料を直接利用者に対して送信できるようにしたほか、国立国会図書館や公共図書館、大学図書館等が、権利者保護のための厳格な要件のもと、調査研究の目的で著作物の一部をメールなどで送信できるよう改正されました。非来館型の図書館サービスの拡充につながることが期待されますが、具体化に向けて、今後、補償金の徴収の仕組みなどについて議論が進められることから、改正法の施行に向けたこれらの動きを注視することが必要です。

 

「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(読書バリアフリー法)の施行(R.6

 上の「著作権法の一部改正」(平成30年5月)に加えて、令和元年6月には、視覚障害者等の読書環境の整備を総合的かつ計画的に推進することを目的とした「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(読書バリアフリー法)が議員立法により成立し、施行されました。同法では、基本的な施策の1つとして、「視覚障害者等の図書館利用にかかる体制整備等」(第9条)において、アクセシブルな書籍・電子書籍等の充実や円滑な利用のための支援の充実など、必要な施策を講ずるものと定めています。

 「図書館利用に障害のある利用者に配慮した図書館」を基本方針の1つに掲げるオーテピア高知図書館においては、同法の基本理念を十分踏まえ、複合施設オーテピア内に併設するオーテピア高知声と点字の図書館をはじめとする専門機関と連携しながら、多様な障害に対応した図書館サービスの創出について研究を深め、その具体化を図るとともに、図書館利用に障害のある人と図書館サービスとを結びつける取組を進めることが求められます。

 

4 第2期計画で取り組む課題(17ページから18ページ)

 以上の第1期計画に基づく取組の分析・評価及び社会情勢の変化や国の施策に関わる動きに加え、高知県・高知市の政策的な課題等を踏まえ、第2期計画において特に力を入れて取り組む課題は以下のとおりです。

 ただし、これらは第2期計画の策定段階のものであり、社会情勢の変化等によって新たな課題が生じた場合、それらについても柔軟に対応し、取り組むこととします。

 

@ 図書館サービスの認知度向上、利用促進

レファレンス・サービスやデータベースの利用促進

行政支援サービスや図書館利用に障害のある人へのサービスの認知度向上

情報リテラシー向上支援のためのプログラム開発と取組の積極的なPR

 

A 社会情勢の変化や地域の課題への対応

「ポスト・コロナ」に向けた対応(非来館型サービスの充実やセーフティネット機能の強化)

移住者を対象とした読書・情報環境の提供とPR(シェアオフィスとの連携など)

不登校の生徒に対する他機関と連携した支援

多様化する在留外国人への資料・情報の提供と情報活用のサポート

知的障害者等を対象としたサービスの検討

大規模災害を想定した図書館サービスの提供体制の構築

 

B デジタル化のさらなる進展への対応

ICTAI等の技術向上に対応したサービスの進化

 

C 連携強化を通じた図書館と各種団体・専門機関双方の機能の向上

各分野の団体・機関等との協働によるサービスの向上

社会的な課題への幅広いアプローチ(ひきこもりに関する問題、LGBTQ等への理解促進、貧困の連鎖の解決など)

 

D 県市両図書館の独自機能の向上

【県】市町村立図書館や学校図書館の実態に応じたきめ細かな支援

【市】分館・分室、移動図書館のさらなる利用促進と学校のニーズに即した資料提供の強化

 

19ページ

第4章 基本方針とサービス指標(19ページから21ページ)

1 基本方針と強化・充実のポイント

 第1期計画では、基本理念を実現するため、基本構想と基本計画において目指す図書館像として示された5項目を基本方針としました。第2期計画では、第1期計画に基づく取組の成果や課題、社会情勢の変化等を踏まえ、基本理念を実現するための施策をより強力に推進するよう、この5項目を継承、発展させ、新たな基本方針とします。

 

T 情報提供機関として地域を支える図書館

(1)地域や住民の自立的な判断に役立つ多様な資料・情報を充実させます。

(2)ハイブリッド型図書館(紙媒体と電子媒体の双方を提供する機能を持った図書館)の充実を図ります。

(3)図書館と各種団体・関係機関との連携・協力関係を発展させ、図書館と団体・機関とが双方の強みを生かし補完することで、それぞれが担う機能の向上を図ります。

(4)レファレンス・サービスの充実と利用促進を図ります。

(5)大規模災害の発生等に備え、災害発生後も情報提供機関としての機能を果たせるよう体制を整備します。

(6)対象に応じた図書館活用講座等のプログラムを提供し、読書活動の推進及び情報リテラシーの向上を図ります。

(7)高知県に関連する資料を充実・活用し、県民・市民の郷土に対する関心や理解の向上に寄与するとともに、観光客や移住希望者等を対象とした情報発信を強化します。

 

【強化・充実のポイント】

各種団体・関係機関との連携・協力関係の発展による図書館と団体・機関双方の機能の向上

 図書館サービスの高度化、質的向上を図るうえで、各種団体・関係機関との連携・協働は不可欠です。また、図書館は資料・情報や施設等の資源を生かし、団体・機関の活動を支援します。このように、双方の機能向上に資するよう連携・協力関係をさらに発展させます。

 

災害発生後も情報提供機関としての機能を果たすための体制整備

 大規模災害の発生後、復旧・復興の過程においては、あらゆる情報を扱う情報提供機関としての図書館の役割がますます重要になると考えます。南海トラフ地震等の大規模災害の発生に備え、オーテピア高知図書館の業務継続計画(BCP)を策定します。

 

対象に応じた情報リテラシーの向上支援プログラムの提供

 情報社会に対応するうえで、自ら必要な情報を収集、選択、活用できるよう情報リテラシー(情報活用能力)を習得することは、すべての県民・市民にとって重要なことです。図書館の資料・情報や司書の専門性を生かし、対象に応じて情報リテラシーの向上を支援します。

 

U 県民・市民の資料要求に応え、課題解決の支援ができる図書館

(1)課題解決支援に有用な資料・情報を充実させます。

(2)多様な課題に対して、資料・情報の提供を通じた支援ができるよう、司書の専門性の向上を図るとともに、図書館と各種団体・関係機関とのネットワークを拡大します。

(3)課題解決支援サービスの充実・強化とともに、対象に応じたさまざまな広報手段を通じてサービスの普及・啓発を図ります。

(4)各種団体・関係機関と連携し、地域が抱える社会的な課題について啓発を図るとともに、その解決に役立つ資料・情報を提供します。

 

【強化・充実のポイント】

課題解決支援サービスの普及・啓発と利用促進

 図書館サービスが自身や地域の抱える課題の解決にどのように役立つのか、具体的なイメージが浮かばない方も多くいると考えます。このような方にも、図書館の便利さや有用性を知っていただけるよう、さまざまな広報手段を活用し、課題解決支援サービスを周知します。

 

各種団体・関係機関との連携による地域が抱える社会的課題の啓発

 図書館を活用して、自身や地域が抱えるさまざまな課題を解決しようとする前提として、解決すべき課題そのものを知る必要があります。そのために、各種団体・関係機関と連携し、図書館が有する資料・情報に加えて、施設等の資源を生かし、社会的な課題の啓発を図ります。

 

V セーフティネットの役割を果たす図書館

(1)県民・市民が情報社会を生きるために求められる情報リテラシーの向上を支援するとともに、「情報面」でのセーフティネットの役割を果たします。

(2)新型コロナウイルス感染症の影響による業態転換や転職・転業者の増大に対応し、資格取得や学び直しに役立つ資料・情報の提供を強化します。

(3)さまざまな事情を抱える子どもたちに対して、図書館資料を活用した学習の機会を提供するとともに、専門機関と連携しながら、図書館の持つ資源を生かして支援をします。

(4)県内の病院や社会福祉施設等で図書を検索し借りることができるサービスを提供します。

 

【強化・充実のポイント】

「ポスト・コロナ」に向けた転職・転業、学び直しに役立つ資料・情報の提供

 長引くコロナ禍の影響によって、業態転換を迫られる企業や転職・転業者が増大しつつあります。セーフティネットとしての役割を負う図書館として、役立つ資料・情報を積極的に収集・提供するとともに、それらを必要とする方と図書館とを結びつけるための取組を強化します。

 

不登校等の課題に対する図書館の資源を活用した支援

 図書館は、誰にでも開かれた学びの場として、さまざまな事情を抱える子どもたちの学びを支えます。特に、不登校の児童生徒に対しては、専門機関と連携しながら、デジタルコンテンツを含む図書館の資料・情報等の資源を生かし、多様な学習機会を提供します。

 

W 図書館利用に障害のある利用者に配慮した図書館

(1)誰もが支障なく利用できる図書館を目指します。

(2)多様な障害に対応できるよう、専門機関と連携しながら、サービスの研究・創出に努めるとともに、司書の専門性の向上を図ります。

(3)障害のある人やその支援者を対象として、多様な機会や広報媒体を通じて、図書館サービスの普及・啓発を図ります。

 

【強化・充実のポイント】

多様な障害に対応したサービスの研究・創出

 誰もが支障なく図書館を利用できるよう、専門機関と連携しながら、新たなサービス創出を含め、サービスの利便性の向上に努めます。また、そのようなサービスを確実に提供できるよう、司書がバリアフリー図書や機器、さらにはさまざまな障害の特性について理解を深めます。

 

障害のある人や支援者に対する広報の強化

 図書館利用に障害のある人に図書館サービスを利用していただくためには、本人や支援者に確実に届く広報により、サービスを周知することが必要です。多様な広報媒体を活用するとともに、アウトリーチ等の活動を通じて、サービスを積極的に周知します。

 

X 進化型図書館

(1)社会の変化や県民・市民のニーズの変化、ICTAI技術の進歩等に対応して、柔軟な図書館

サービスを創造し、展開する図書館を目指します。

(2)「ポスト・コロナ社会」におけるデジタル化の急速な進展に対応できるよう、非来館型サービスの拡充を図ります。

 

【強化・充実のポイント】

○ ICTAI技術等の進展に対応したサービス創出の検討

 進化型図書館として、利用者のニーズを踏まえながら、効果的で効率的なサービスのあり方を常に追求します。行政の各分野でもAI自動応答システム等の導入が進んでいることから、ICTAI技術を図書館サービスに取り入れることを積極的に検討し、利便性の向上に努めます。

 

「ポスト・コロナ」に向けた非来館型サービスの拡充

 新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって、日常生活のさまざまなことが、オンラインや非対面で処理されるようになりました。このような動向は、コロナ後の社会でも進むと考えられることから、電子図書館サービスなどの非来館型サービスの一層の充実と周知を図ります。

 

 県立図書館・市民図書館の独自機能の向上

(1)県立図書館の独自機能として、市町村立図書館等への人的・物的支援を強化するとともに、地域の実情に応じた課題解決支援サービスの創出を支援します。

(2)県立図書館の独自機能として、児童・生徒の学びと教職員の教育活動を支えるため、県立学校図書館等との連携・協力関係を強化します。

(3)市民図書館の独自機能として、本館と分館・分室、移動図書館が一体となって市内全域サービスを提供するとともに、職員の資質向上を図り、サービス水準の向上に努めます。

(4)市民図書館の独自機能として、高知市内の小・中学校等と連携し、学校図書館への支援や資料提供の充実を図ります。

 

22ページ

「図書館学の5法則」と基本方針

 オーテピア高知図書館が目指す図書館像を具体化した5つの基本方針は、文部科学省が図書館の管理運営やサービスなどについて定めた「望ましい基準」にも沿ったものとなっています。

 また、インドの数学者・図書館学者で「図書館学の父」といわれるランガナタン博士が提唱した「図書館学の5法則」も踏まえたものとなっています。

 基本理念である「これからの高知を生きる人たちに力と喜びをもたらす図書館」の実現に向け、「望ましい基準」や「図書館学の5法則」を図書館運営の原点としながら、サービスの充実や司書の専門性の向上等に取り組んでいきます。

 

【ランガナタン博士の図書館学の5法則】

1 本は利用するためのものである

2 本はすべての人のためにある または、すべての人に本が提供されなくてはならない

3 すべての本をその読者に

4 読者の時間を節約せよ

5 図書館は成長する有機体である

 

 図書館のあり方は時代とともに変わってきていますが、この5法則は、いずれの時代でもあてはまる普遍性を保ち続けているところが評価されてきた理由といえます。

 5法則に託されたランガナタン博士の図書館への願いは、時を超えて私たちに図書館の基本的な役割を気付かせてくれます。

 5法則に見られる概念は、例えば、県立図書館では、「市町村立図書館等を通じたすべての県民の読書環境の改善」、市民図書館では、「いつでも、どこでも、だれにでも」という理念に反映されています。

 

2 サービス指標の設定(22ページから24ページ)

 本計画の実施にあたり、次のとおりサービス指標を設定します。これらのサービス指標の達成状況を継続的に把握し、PDCAサイクルに基づき進捗状況の分析・評価を行い、図書館サービスの向上を図ります。

 なお、サービス指標については、年度ごとの進捗状況を分析・評価し、必要に応じて、適宜、見直すとともに、図書館サービスの効果を検証するためのより実効性のある指標について、継続して研究していくこととします。

 

(1) 総括的なサービス指標

項目:年間個人貸出点数

現状(令和2年度):1,018,409

目標(令和8年度):115万点

設定の目的:収集方針に沿った蔵書で、図書館としての機能をどの程度発揮したのかを測る

 

項目:年間レファレンス件数

現状(令和2年度):26,465

目標(令和8年度):31,000

設定の目的:資料・情報資源の活用によって、利用者の課題解決等にどの程度役立ったのかを測る

 

項目:県民一人あたりの年間貸出点数

現状(令和2年度):4.3

目標(令和8年度):5.2

設定の目的:県域での情報環境・読書環境の改善の度合いを測る

 

項目:オーテピアの年間入館者数

現状(令和2年度):707,197

目標(令和8年度):100万人

設定の目的:中心市街地活性化(にぎわいの創出)への寄与の程度を測る

 

(2) 個別の取組に関わるサービス指標

@ サービス提供体制の強化・充実のための取組に関わる指標

区分:サービス提供の基盤となる資料・情報の充実

項目:一般図書の国内出版点数の収集割合

現状(令和2年度):約4割

目標(令和8年度):5割以上

設定の目的:「基本計画」に基づく目標値。施策を推進するうえで前提条件となる、経営資源の投入状況を測る

項目:雑誌・新聞の収集タイトル数

現状(令和2年度):2,321タイトル(購入:875、寄贈:1,446

目標(令和8年度):2,000タイトル以上

設定の目的:「基本計画」に基づく目標値。施策を推進するうえで前提条件となる、経営資源の投入状況を測る

       

区分:サービスの普及・啓発(広報)

項目:FacebookTwitter等での情報発信の回数

現状(令和2年度):約30/

目標(令和8年度):約40/

設定の目的:さまざまな広報媒体を活用した情報発信の取組状況を測る

項目:ウェブ・サイトへのアクセス件数

現状(令和2年度):4,077,691

目標(令和8年度):480万件

設定の目的:オーテピア高知図書館に関する情報収集を目的としたアクセス状況を測る

 

A 図書館の基礎的サービスに関わる指標

区分:資料・情報の提供

項目:リクエストの受付件数

現状(令和2年度):3,042

目標(令和8年度):4,000

設定の目的:所蔵のない資料について、利用者ニーズへの対応状況を測る

項目:電子図書館の閲覧回数

現状(令和2年度):14,495

目標(令和8年度):10万回

設定の目的:非来館型サービスの一つとして、電子図書館の利用状況を測る

 

区分:情報リテラシーの向上支援

項目:パスファインダーの提供数

現状(令和2年度):15

目標(令和8年度):65

設定の目的:図書館利用を支援する取組として、パスファインダーの作成状況を測る

項目:データベースの利用件数

現状(令和2年度):2,431

目標(令和8年度):5,000

設定の目的:データベースの利用状況を測る

 

B 各サービス・取組に関わる指標

区分:ビジネス支援サービス

項目:ビジネス分野でのレファレンス件数

現状(令和2年度):1,799

目標(令和8年度):2,400

設定の目的:ビジネス支援サービスの利用状況やビジネス分野での課題解決支援の機能を測る

 

区分:健康・安心・防災情報サービス

項目:健康・安心・防災情報分野でのレファレンス件数

現状(令和2年度):1,443

目標(令和8年度):1,600

設定の目的:健康・安心・防災情報サービスの利用状況や健康・安心・防災情報分野での課題解決支援の機能を測る指標

 

区分:行政支援サービス

項目:行政支援サービスのPRの取組件数(サービス説明、図書館活用講座等)

現状(令和2年度):45

目標(令和8年度):56

設定の目的:行政支援サービスについて、さまざまな機会を活用したPRの取組状況を測る

 

区分:高知県関係資料の収集・保存・提供

項目:高知県関係のレファレンス件数

現状(令和2年度):1,023

目標(令和8年度):1,200

設定の目的:高知県関係資料に関わるサービスの利用状況を測る

 

区分:児童サービス

項目:こどもカウンターでのレファレンス受付件数

現状(令和2年度):7,236

目標(令和8年度):7,900

設定の目的:児童サービスの利用状況を測る

 

区分:ティーンズ・サービス

項目:ティーンズからの投稿件数

現状(令和2年度):45

目標(令和8年度):50

設定の目的:ティーンズ世代の視点を生かした情報発信の取組状況を測る

 

区分:多文化サービス

項目:ブックリストやパスファインダーの提供数

現状(令和2年度):13

目標(令和8年度):31

設定の目的:在留外国人等に対する情報活用のサポートについて、取組状況を測る

 

区分:図書館利用に障害のある人へのサービス

項目:宅配サービスの利用件数

現状(令和2年度):32

目標(令和8年度):60

設定の目的:宅配貸出サービスの利用状況を測る

項目:対面音訳サービスの利用件数

現状(令和2年度):672

目標(令和8年度):780

設定の目的:対面音訳サービスの利用状況を測る

 

区分:市町村立図書館等への支援(県立図書館機能)

項目:協力貸出点数

現状(令和2年度):32,322

目標(令和8年度):35,000

設定の目的:市町村立図書館等による利用状況を測る

 

区分:高知市全域サービスの拠点(市民図書館機能)

項目:6分館・15分室と移動図書館の利用者数

現状(令和2年度):257,000

目標(令和8年度):28万人

設定の目的:高知市全域での図書館の利用状況を測る

項目:6分館・15分室と移動図書館の貸出点数

現状(令和2年度):1,199,000

目標(令和8年度):1,316,000

設定の目的:高知市全域での図書館の利用状況を測る

項目:市内小中学校等への貸出点数

現状(令和2年度):9,806

目標(令和8年度):11,200

設定の目的:市内小中学校等による利用状況を測る

 

区分:県立学校図書館等との連携・協力(県立図書館機能)

項目:団体貸出点数

現状(令和2年度):1,491

目標(令和8年度):2,200

設定の目的:県立学校図書館等による利用状況を測る

 

25ページ

第5章 基本方針の実現に向けたサービス・取組

1 施策体系

 

基本理念 これからの高知を生きる人たちに力と喜びをもたらす図書館

(基本構想・基本計画における新図書館の目指す姿)

 

基本方針

基本理念を実現するため、基本構想・基本計画の中で目指す図書館像として示された5つの項目

 

1 情報提供機関として地域を支える図書館

2 県民・市民の資料要求に応え、課題解決の支援ができる図書館

3 セーフティネットの役割を果たす図書館

4 図書館利用に障害のある利用者に配慮した図書館

両図書館の独自機能の向上

5 進化型図書館

 

これらの方針を受けた15のサービス・取組

 

1 オーテピア高知図書館の基礎的サービス(横断的な取組) 各サービス・取組に共通した図書館サービスの基本

(1) 資料・情報の提供(貸出し・閲覧・予約・レファレンス) P28

(2) 情報リテラシーの向上支援 P30

 

2 地域を支える情報拠点機能・課題解決支援機能の充実 課題解決支援や地域資料に関わるサービス・取組

(1) ビジネス支援サービス P32

(2) 健康・安心・防災情報サービス P34

(3) 行政支援サービス P36

(4) 高知県関係資料の収集・保存・提供 P38

 

3 利用者に応じた対象別の図書館サービスの充実 上の1・2のサービス・取組を利用者に合わせて提供するもの

(1) 児童サービス P40

(2) ティーンズ・サービス P42

(3) 多文化サービス P44

(4) 図書館利用に障害のある人へのサービス P46

 

4 連携・支援及び図書館の活用 県市両図書館の独自機能や他機関等との連携・協力に関わる取組

(1) 市町村立図書館等への支援(県立図書館機能) P48

(2) 高知市全域サービスの拠点(市民図書館機能) P50

(3) 県立学校図書館等との連携・協力(県立図書館機能) P52

(4) 大学等の教育・研究機関等との連携・協力 P53

(5) 中心市街地活性化への寄与・周辺施設との連携 P54

 

5 進化型図書館の方針を受けたサービス提供体制の強化・充実

資料・情報の充実と司書の専門性の向上

サービスの普及・啓発(連携・広報)

ボランティア等との連携・協働

業務継続計画(BCP)の策定

 

26ページ

2 サービス提供体制の強化・充実のための取組(26ページから27ページ)

2−1 サービス提供の基盤となる資料・情報の充実と司書の専門性の向上

 情報提供機関としての機能が十分に発揮されるためには、図書館経営の資源として、「モノ」にあたる資料・情報と「ヒト」にあたる司書の専門性の両輪が必要であり、これらが担保されることが必要です。これらの資源を確保し、図書館サービスのさらなる向上に生かすよう取り組みます。

 

資料・情報の充実

 地域や住民の自立的な判断に役立つ、新鮮で多種多様な資料・情報のさらなる充実を図ります。

<主な取組>

「基本計画」に基づき、一般図書は、国内年間出版点数の5割以上を目指して収集します。

「基本計画」に基づき、雑誌や新聞は、一般的なものだけではなく、専門的なものも含めて2,000タイトル以上を収集します。

電子図書館で提供するコンテンツの充実を図ります。

視聴覚資料やデータベース、デジタル化した資料などの電子媒体の資料の充実を図ります。

必要な予算の確保に努めます。

 

司書の専門性の向上

 県民・市民から寄せられる広範なレファレンスに対応するとともに、主題部門別で提供する高度なサービスを実現できるよう、司書の専門性の向上を図ります。また、利用者が真に求める情報を聞き出すカウンセリング能力や、利用者に寄り添った対応ができるホスピタリティの向上に努めます。

<主な取組>

接遇研修を継続的に実施します。

国立国会図書館等が行う専門研修に参加します。

先進図書館の取組事例の調査等を行います。

専門機関等と連携した職場研修を実施します。

専門機関等のセミナーや講座等に参加します。

 

2−2 サービスの普及・啓発(連携・広報)

 新鮮で多種多様な資料・情報があったとしても、単に「提供している」だけでは、利用の大幅な増加にはつながりません。積極的な情報発信と対象を絞った働きかけによって、図書館サービスがどのように役に立つのかを広く知ってもらうことが重要です。特に各種団体・関係機関については、積極的な働きかけによって連携関係を構築し、協働事業等を通じて図書館の活用事例を生み出し、この具体的な事例を生かして図書館サービスを広報し利用を拡大するとともに、新たな連携先を開拓するといった好循環を生み出すことが必要です。

<主な取組>

SNS等のさまざまな広報媒体を活用し、積極的に情報発信を行います。

対象を絞ったプッシュ型の広報でサービスのPRを強化します。

図書館の活用事例を生かした分かりやすい広報を行います。

各種団体・関係機関との連携関係の構築を担う「アウトリーチ担当」の司書を置きます。

相互の信頼関係に基づき、各種団体・関係機関とのネットワークを構築・拡大します。

各種団体・関係機関との協働事業を実施します。

 

2−3 ボランティアや民間等との連携・協働

 図書館サービスの提供を通じて県民・市民によるボランティア等の活動を支援するとともに、生涯学習の成果等を生かしてオーテピア高知図書館をサポートしていただくボランティア活動を積極的に受け入れます。また、新たなサービスの創出のため、民間の人材や資金などを積極的に活用します  <主な取組<主な取組>

ボランティア等の活動を積極的に受け入れます。

図書館が活用できる民間等の人材や外部資金について研究し、その活用に努めます。

 

2−4 業務継続計画(BCP)の策定

 大規模災害の発生等に備え、災害発生後も情報提供機関としての機能を果たせるよう、災害の状況や復旧・復興の段階に応じたサービスの提供体制について検討し、業務継続計画(BCP)を策定します。

<主な取組>

業務継続計画(BCP)を策定します。

 

サービス指標

一般図書の国内出版点数の収集割合 現状(令和2年度):約4割 目標(令和8年度):5割以上

雑誌・新聞の収集タイトル数 現状(令和2年度):2,321タイトル(購入:875、寄贈:1,446) 目標(令和8年度):2,000タイトル以上

FacebookTwitter等での情報発信の回数 現状(令和2年度):約30/月 目標(令和8年度):約40/

ウェブ・サイトへのアクセス件数 現状(令和2年度):4,077,691件 目標(令和8年度):480万件

 

28ページ

3 具体的なサービス・取組

3−1 オーテピア高知図書館の基礎的サービス(横断的な取組)

(1) 資料・情報の提供(貸出し・閲覧・予約・レファレンス)

 図書館は、資料や情報を収集・保存し、利用者の求める情報を提供・発信することを目的としてサービスを行っています。

 利用者は館内で自由に資料を閲覧できるだけでなく、好きなものを好きな時間に読めるよう、借りて帰ることもできます。

 所蔵していない資料への利用者からのリクエストには、他館からの取り寄せや購入等により、可能な限り提供できるよう努めます。

 利用者の多様な資料要求等に応えるため、「幅広い資料の収集」を行い、必要な情報にアクセスできるようにサポートしやすい体制を準備するなど、「利用しやすい環境」を整備します。また、おもてなしの気持ちを持って、「誠意ある対応」を常に意識しながら、資料・情報を提供します。

 開架スペースには利用者の興味や関心のある資料を配置し、利用者自身が自由に閲覧できるさまざまなスタイルの場所(静寂読書室、グループ室等)も設置しています。

 「この本は図書館にあるか」といった質問から、暮らしや仕事の中で生じるさまざまな疑問や調べものまで、気軽に問い合わせていただけるよう、レファレンス専用窓口を2階、3階の各フロアに設け、レファレンス・サービスを提供します。

 図書館に来られない方に対しては、電話やFAX、メール、郵便に加え、図書館のウェブ・サイト上に専用フォームを設け、インターネットでもレファレンスを受け付けます。

 利用者が、自ら調査・研究を行う際に役立つよう、ブックリストやパスファインダーなどを整備します。

 来館しなくても受けられる「非来館型サービス」の一環として、電子図書館で資料・情報を提供します。

 

特にサービスを活用いただきたい方すべての県民・市民                                                                           

現状・課題

地域を支える情報拠点として、時代に即した課題に対応する新鮮で幅広い資料・情報の収集・提供が必要です。

新型コロナウイルス感染症の流行を契機に高まった非来館型サービスへのニーズへの対応が求められています。

利用者や関係機関・団体へのアンケートの結果から、レファレンス・サービスの認知度・利用率とも向上させる必要があります。

 

強化・充実のポイント

一般図書は国内年間出版点数の5割以上、定期刊行物・新聞は2,000タイトル以上を目指して、収集・提供します。

電子図書館等の非来館型サービスのさらなる充実を図ります。

マンガや動画など、多様な広報手段でレファレンス・サービスをPRします。

 

サービス・取組、内容

資料

利用者の多様なニーズに応える資料の収集・提供

一般図書は、国内年間出版点数の5割以上を目指して収集します。雑誌や新聞は、一般的なものだけではなく、専門的なものも含めて、2,000タイトル以上を収集し、提供します。

事典、ハンドブック、図鑑等の紙媒体の参考図書とともに、各種データベース(新聞記事や論文情報、企業情報等)などの電子媒体の資料も充実します。

開架スペースには、30万冊以上の資料を配置し、提供します。電子書籍サービスは、閉館時でも来館せずに、資料を一定期間、閲覧できるなどのメリットがあります。メリットやデメリットを見極めながらさらに充実を図ります。

ハイブリッド型図書館を目指して、紙媒体の資料に加え、視聴覚資料やデータベース、デジタル化した資料など、電子媒体の資料を充実し、提供します。

リサイクル資料の配布

図書館で利用しなくなった資料を再利用本として団体・一般の方に配布します。                                                       

貸出し・予約・リクエスト

セルフ式貸出機等の利用

セルフ式貸出機やセルフ式予約受取コーナーを配置し、利用者の使いやすさやライフスタイルに合った環境を整備します。

市町村立図書館等を通した資料の貸出し

資料は、来館しなくても、市町村立図書館や大学図書館、図書館未設置町村の図書室等を通して貸し出します。                

 

29ページ

貸出し・予約・リクエスト

資料のリクエスト

リクエストされた資料は、収集基準に基づき判断し、地域のニーズを踏まえて、入手可能な資料は積極的に収集します。

また、所蔵していない資料へのリクエスト方法を紹介するチラシの作成や、ウェブ・サイトからの専用フォームの導入の検討を行います。

取り寄せ(相互貸借)

当館にない資料は、希望の資料を所蔵する図書館等を調べ、取り寄せに時間のかかる場合などもありますが、可能な限り、要望に応じます。

展示

さまざまなテーマによる企画展示の実施

高知ならではのテーマ、ビジネスや健康など課題解決に役立つテーマ、時事や季節に合わせたテーマなど、さまざまなテーマによる展示を行います。

 

利用ガイド

ブックリストやパスファインダーの作成・提供

資料を探す際に役立つブックリストを作成し、館内や図書館ウェブ・サイト上で提供します。

利用マニュアルの作成・提供

インターネットの基本的な使い方について、目的や年代など、利用者をイメージしたマニュアルを作成し、提供します。

館内ツアー等の開催

図書館の利用方法の説明や各種サービス、設備を紹介する館内ツアーや説明会等を定期的に開催します。

 

レファレンス

レファレンス事例の公開

図書館に来館しなくても、インターネットを通じて課題を解決できるように当館のウェブ・サイトや「レファレンス協同データベース」にレファレンス事例を登録します。特に、高知県関係については積極的に公開します。

ウェブ・サイト等によるレファレンスの受付

利用者がより気軽にレファレンスの申込みができるように、来館や電話、FAX、メール、郵便での受付に加え、当館のウェブ・サイトに専用フォームを設け、受け付けます。また、AI技術を活用した自動応答による問い合わせ対応について、各分野での事例を踏まえ、導入について検討します。

専門機関や団体等の紹介

相談内容に応じて、他の図書館への問合せをしたり、専門機関等の相談窓口を紹介します。

その後も各機関と連携を図りながら、支援します。

レファレンス・サービスのPR

当館のウェブ・サイト、ブログやFacebookなどのSNS、チラシ配布、出前図書館により、積極的にPRします。

PRにあたっては、動画やマンガなどを活用し、分かりやすく具体的に伝えます。       

 

サービス指標 資料・情報の提供

リクエストの受付件数 現状(R2年度):3,042件 目標(R8年度):4,000

電子図書館の閲覧回数現状(R2年度):14,495回 目標(R8年度):10万回

 

30ページ

(2)情報リテラシーの向上支援

 県民・市民が、暮らしや仕事の中で生じるさまざまな課題を解決するためには、必要とする情報を適切に収集、整理、評価し、活用できるようになること、すなわち、情報リテラシーの習得が必要です。このことは、県民・市民が情報弱者になることなく、生命と暮らしを守るうえできわめて重要です。

 このため、実際に資料や情報を参照することができる図書館のメリットを生かし、情報社会において求められる情報リテラシーの習得や向上を支援します。

 具体的には、情報の探し方を知り、得た情報を比較・検討し、信頼性のあるものをまとめ、応用していく方法や、情報収集に必要な機器操作の基礎的知識を学ぶためのプログラムを、学校や関係機関等と連携し、年代や対象に合わせて実施します。

 図書館利用に障害のある利用者に対しては、オーテピア高知声と点字の図書館等と協力して取り組みます。

 

特にサービスを活用いただきたい方すべての県民・市民

 

現状・課題

利用者が、図書館及び図書館の持つ資料・情報を効果的に利用することを支援するには、図書館の活用方法を学ぶ機会を提供する必要があります。

情報の探し方に加え、情報を比較検討し、信頼性のあるものをまとめ、活用するためのスキルを学ぶプログラムを年代や対象に応じて提供する必要があります。

 

強化・充実のポイント

主題部門別に、図書館司書の専門性を生かした内容による図書館活用講座等を開催します。

情報の探索・収集にとどまらず、情報の評価・選択、整理、活用までを射程に置いた体系的なプログラムを提供します。

 

サービス・取組、内容

講座等

図書館活用講座の実施

図書館の活用法や、図書館の蔵書検索、ウェブ・サイトなどの情報検索、情報収集、活用技術、個人情報の管理の仕方、著作権に関する知識等を習得するため、年代や対象に応じた講座を開催します。就職に関連する情報の収集方法等、セーフティネットとして図書館を活用する方法等をテーマとした講座も開催します。

図書館が提供する各種のデータベースについて、効果的な活用法を習得するための講座を開催します。

 

利用ガイド

パスファインダーの作成・提供

情報リテラシーが身に付くよう、各種のパスファインダー(テーマごとの情報の探し方案内)を作成し、提供します。

ガイドブックの作製・提供

分野ごとに情報の探し方ガイドや重要な本等のリストを作成し、提供します。動画での作成も検討します。

 

他の機関との連携

連携事業等での実施

連携事業開催時や図書館見学、職場体験の機会を活用し、情報リテラシーに関する理解を広めます。

アウトリーチ(出前図書館等)での実施

館外で行う出前図書館等を活用しながら、情報リテラシー向上のプログラムを実施します。

 

サービス指標 情報リテラシーの向上支援

パスファインダーの提供数 現状(R2年度):15種 目標(R8年度):65

データベースの利用件数 現状(R2年度):2,431件 目標(R8年度):5,000

 

32ページ

3−2地域を支える情報拠点機能・課題解決支援機能の充実

(1)ビジネス支援サービス

 仕事をしていくうえで、デジタル技術・人材育成や働き方改革など、さまざまな課題に直面することがあります。自身で課題に気づき解決することは、誰もが誇りと志を持っていきいきと働く意欲につながります。

 図書館3階の「ビジネス・科学・産業・農業スペース」では、経済や経営、就業、起業、転職等、課題解決に役立つ6〜7万冊の書籍、専門誌、データベース等のビジネスに関連する資料・情報を提供します。また、気軽に相談できるビジネス支援デスクを設置し、担当司書が、情報収集や調べものをサポートします。

 そのほか、中心市街地に立地し多数の方が訪れることを強みに、ビジネスに役立つ講座や相談会等を専門機関等と連携して開催します。あわせて、仕事に関する情報収集に図書館が役立つということを多くの方に知ってもらうため、図書館活用講座等を実施します。

 

特にサービスを活用いただきたい方仕事に関する課題を解決しようとする方

起業や経営改善を検討中の方、転職・転業の希望者、資格取得を目指す方、失業者、移住希望者

 

現状・課題

コロナ禍を受けて増加する業態転換、転職・転業者への支援強化が必要です。

地方への移住希望者が増加する状況において、都市部と同様の読書・情報環境があることは、移住希望者へのアピールポイントになります。

レファレンス・サービスやデータベースについて知ってはいるが、使ったことがないビジネス関係者が多い現状があります。

 

強化・充実のポイント

コロナ禍を受けてニーズが高まる転職・転業や資格取得等の資料・情報提供を強化します。

マンガや動画などで、図書館活用事例を分かりやすく伝えます。

レファレンス・サービス、データベースについて紹介するビジネス支援サービス活用講座の定期開催やオンライン開催を検討します。

 

サービス・取組、内容

〇資料

図書の収集・提供

ビジネス支援機関にも協力してもらい、第一次産業から第三次産業までの事業やサービスについての図書を収集し、ビジネス・科学・産業・農業スペースにおいて提供します。

特に、観光や移住、ITやコンテンツ関連、農林水産業、食品加工等、高知県の課題となっている分野の資料、アフターコロナでニーズが高まる起業や転職、資格取得、労働関係等、いきいきと働く際に役立つ資料については、重点的に収集し、提供します。

雑誌や新聞の収集・提供

専門的なものも含め、雑誌や新聞等を収集し、提供します。

データベースの提供

市場動向、商圏分析、企業情報、農業情報等、ビジネスに必要なデータや情報を収集するのに役立つデータベースを提供します。

チラシやパンフレットなどの収集・提供

図書や雑誌、新聞、データベースでは得られない情報を中心に、イベントやセミナー等、ビジネスに関するチラシやパンフレットなどを収集し、提供します。

視聴覚資料の収集・提供

ビジネスに役立つ動画等の視聴覚資料を積極的に収集し、提供します。

 

〇利用ガイド

ブックリストやパスファインダーの作成・提供

調査を自ら進めることができるように、ブックリストやパスファインダーを作成し、館内やイベント等で配布します。また、図書館のウェブ・サイト等にも掲載します。

 

33ページ

〇レファレンス

レファレンス・サービス

ビジネス・科学・産業・農業スペースのビジネス支援デスクで担当司書が、図書館資料を活用し、調べものをサポートします。

課題解決に向けた専門機関や団体等の紹介

図書館の資料と情報だけでは、解決が難しいレファレンスについては、専門機関や団体等を紹介するレフェラル・サービスを実施します。

その後も各機関と連携を図りながら、課題の解決に向けて支援します。

 

〇情報リテラシー

ビジネス支援サービス活用講座の実施

情報リテラシー向上のため、図書や雑誌、新聞、データベースなどからビジネスに必要な情報を探す方法、それらの情報の信頼性を確かめる方法等を習得するための講座を開催します。

 

〇連携

他機関と連携したセミナー・相談会等の事業の実施

専門機関等と連携し、起業セミナーや、就労に関する相談会等を開催します。連携事業を実施する中で、ビジネスや農業分野等のニーズや課題を適切に把握し、必要とされる資料の収集や実践的なレファレンス・サービスを行います。

広報支援

専門機関や県内企業の取組を紹介する展示を実施し、活動を支援します。 

 

〇アウトリーチ

出前図書館等での資料の紹介・提供

他機関が開催するイベントの会場に内容に沿った資料を持参し、その場で資料の貸出しや資料相談を行ったり、ブックリストを提供するなど図書館の外でも資料の提供・紹介を行います。

アウトリーチ・サービスの実施

外部機関や図書館未利用者に対して、積極的に図書館の活用に向けた「提案」や、サービスの「周知」を行います。

 

〇PR

図書館活用事例の広報

レファレンス等、図書館で得た情報がビジネスに役立った事例を様々な媒体で提供します。

 

サービス指標 ビジネス支援サービス

ビジネス・農業・産業支援分野でのレファレンス件数 現状(R2年度):1,799件 目標(R8年度):2,400

 

34ページ

(2)健康・安心・防災情報サービス

 高知県は、健康・福祉・防災分野において、様々な目標を掲げています。例えば、健康分野では健康寿命の延伸(がん対策、アルコール依存症の問題解決等)、福祉分野では地域で支え合う環境づくり(発達障害やひきこもり問題・LGBTQ等への理解を深めること、貧困の連鎖の解決等)、防災分野では南海トラフ地震や風水害・土砂災害への対策等です。

 当館では、全ての県民・市民が共に支え合いながら希望や生きがいを持ち、住み慣れた地域でライフステージに応じ安心して暮らし続けられることを目指して、県民・市民が自らの力で課題を解決できるよう支援します。県民・市民の課題解決につながる知識や情報を提供・発信するほか、図書館の使い方や資料の探し方等の図書館活用方法も積極的に周知します。

 図書館の3階には、約4万冊の資料をまとめた専用スペースを設置しています。スペースには、病気の予防や治療・その後の生活に関する健康・医学情報のほか、健康の維持や増進につながるスポーツ分野、心の健康維持に役立つ心理学、社会保障・福祉分野、防災分野等の情報があります。スペース内には、資料と情報の相談にのる司書を配置し、図書や雑誌記事、文献情報データベース等を活用したレファレンス・サービスを行っています。また、専門機関等と連携してイベントを開催したり、チラシ・パンフレットの配布や企画展示を行ったりする等、多くの利用者に社会情勢に応じたさまざまな形で情報を提供します。

 

特にサービスを活用いただきたい方自身や地域が抱える健康・福祉・防災等の課題を解決しようとする方

健康・福祉分野の課題に直面している当事者、当事者の家族、医療従事者、関係機関・団体

 

現状・課題

利用者や関係機関のニーズに沿った資料・情報提供がこれまで以上に必要とされています。

図書館の活用方法について、サービスが必要な人や機関に認知が広まっていない現状があります。

健康・福祉・防災分野の解決すべき課題について、県民・市民の理解を広める必要があります。

 

強化・充実のポイント

「アルコール依存症」や「ひきこもり」などの社会的な課題に対応し、対象分野を広げ、資料・情報を収集します。

図書館活用講座等の実施により、図書館の活用方法を分かりやすく伝えます。

専門機関との連携強化によって、サービスを拡充するとともに、社会的課題についての啓発に取り組みます。

 

サービス・取組、内容

〇資料

図書の収集・提供

健康や社会保障、社会福祉、防犯、事故、防災等について、一般向け図書のほか、調べものに役立つデータブック、資格取得に役立つ図書を収集し、健康・安心・防災情報スペースにおいて提供します。

スペース内に設けた防災コーナーや闘病記コーナー等において、利用者が必要な情報を収集しやすくなるように努めます。

また、高齢者問題・がん・ひきこもり・発達障害・南海トラフ地震対策など、県民・市民の関心の高いテーマについて積極的に収集し、提供します。

雑誌・新聞の収集・提供

専門的なものも含め、雑誌や新聞等を収集し、提供します(再掲)

チラシやパンフレットなどの収集・提供

図書や雑誌、新聞、データベースなどでは得られない情報を中心に、健康・安心・防災情報に関するチラシやパンフレットなどを収集し、提供します。

視聴覚資料の収集・提供

介護や防災、防犯、病気を知るための視聴覚資料を積極的に収集し、提供します。

データベースの導入・提供

医学文献情報や新聞記事等のデータベースを導入し、提供します。

 

〇展示

タイムリーな企画展示の実施

健康・安心・防災情報スペースをはじめとするさまざまな資料を使って、社会の関心を意識した企画展示を実施します。

 

35ページ

〇レファレンス

レファレンス・サービス

健康・安心・防災情報スペースに専用窓口を設け、担当司書が、図書館資料を活用し、調べものをサポートします。

課題解決に向けた専門機関や団体等の紹介

図書館の資料と情報だけでは解決が難しい課題については、高知声と点字の図書館や高知みらい科学館を含めた専門機関と連携を図って課題解決を支援するとともに、専門機関や団体等を紹介するレフェラル・サービスを実施します。その後も各機関と連携を図りながら、課題の解決に向けて支援します。

 

〇利用ガイド

ブックリストやパスファインダーの作成・提供

自ら文献を調べ、調査を進めることができるように、わかりやすいブックリストやパスファインダーを作成し、提供します。作成にあたっては、専門機関と協力しながら行います。また、図書館のウェブ・サイトなどにも掲載します。

 

〇情報リテラシー

図書館活用講座の実施

図書や雑誌、新聞、データベースなどから、必要な情報を探す方法、それらの情報の信頼性を確かめる方法等を習得するための講座を開催します。講座は、オンラインなどでも実施します。

 

〇連携

他機関と連携したセミナー・相談会等の共催事業の実施

専門機関と連携し、がんやひきこもり、防災などの社会的課題を理解し、県民・市民の抱える課題の解決につながるイベントを開催します。

広報支援

専門機関の広報物を館内で掲示・配布し、健康・安心・防災に関する課題の理解を促すイベントや課題解決のための相談窓口・制度・支援策などに関する情報を提供することで、広報活動を支援します。

 

〇アウトリーチ

出前図書館等での資料の紹介・提供

他機関が開催するイベントの会場に内容に沿った資料を持参し、その場で資料の貸出しや資料相談を行ったり、ブックリストを提供するなど図書館の外でも資料の提供・紹介を行います。

アウトリーチ・サービスの実施

出前図書館だけでなく、積極的に図書館の活用に向けた「提案」や、サービスの「周知」を行います。また、専門機関とは今後も積極的なつながりをもち、継続して信頼関係を構築していきます。

 

〇行事

健康・安心・防災に関する行事の実施

図書館の資料を活用した、健康づくりや防災などに関するイベントを実施します。

 

サービス指標 健康・安心・防災情報サービス

健康・安心・防災情報分野でのレファレンス件数 現状(R2年度):1,443件 目標(R8年度):1,600

 

36ページ

(3)行政支援サービス

 高知県庁と高知市役所の職員が、行政運営や政策立案を行う際の情報収集や調べものを担当司書がサポートします。

 業務での図書館活用をより促進するため、専門的かつ幅広い知識・情報が得られるなど、図書館が業務に「役立つ」 ことを知ってもらえるよう広くPRするとともに、登録や貸出し・返却について効率的な運用方法を構築します。

 具体的なPR方法として、業務に応じた図書館活用講座の実施や、レファレンス・サービスの活用事例、他課との連携事例をメールマガジン等で発信します。

 また、図書館が中心市街地に立地し、多数の方が訪れる強みを生かし、庁内各課と連携した講座・イベントの開催やパンフレット等の配布を行い、政策・施策の立案・推進を支援します。

 

特にサービスを活用いただきたい方高知県庁・高知市役所の職員、公立学校教職員

 

現状・課題

アンケート結果から、行政職員が業務上の課題解決のため、図書館の資料を活用する機会が少ないことが分かりました。

多数の方が訪れる当館の強みを生かし、各組織・機関と連携した講座・イベントの開催やパンフレットの配布等で、県市の施策の推進を支援する必要があります。

 

強化・充実のポイント

資料提供について、登録や貸出し・返却の効率的な運用方法を検討します。

図書館活用講座を開催して、庁内職員の情報検索技術の向上を図ります。

メールマガジン等を使って、図書館活用事例を紹介します。

 

サービス・取組、内容

資料

行政運営や政策立案に役立つ資料の収集・提供

行政運営や政策立案に役立つよう、地方創生など、地域の課題に関する図書、雑誌、新聞、パンフレット等を収集し、提供します。

データベースの提供

新聞記事や法務・政務関連等、行政運営や政策・施策の立案に役立つデータベースを提供します。

各組織・機関への貸出し

業務での図書館活用を促進するため、登録や貸出し・返却について効率的な運用方法を構築します。

 

利用ガイド

ブックリストやパスファインダーの作成・提供

調査を自ら進めることができるように、ブックリストやパスファインダーを作成し、館内や職員研修等で配布します。

また、図書館のウェブ・サイト等にも掲載します。

 

レファレンス

庁内レファレンス・サービス

行政運営や政策立案に必要な情報収集や関連調査を支援します。

 

情報リテラシー

図書館活用講座の実施

情報を探す方法、情報の信頼性を確かめる方法などを習得するための講座を開催し、行政職員の情報リテラシーの向上を図ります。

 

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連携

各組織・機関と連携した取組の実施

施策に対応した講座やイベント、企画展示等の場を提供するとともに、館内で関連図書の展示や紹介を行います。

県民・市民へのPRの場として、庁内各機関等のチラシやパンフレットなどの配布を行います。

 

アウトリーチ

出前図書館等での資料の紹介・提供

ニーズに応じて、イベント内容に沿った資料を会場に持参し、その場で資料の貸出しや資料相談を行ったり、ブックリストを提供するなど、図書館の外でも資料の提供・紹介を行います。

アウトリーチ・サービスの実施

積極的に図書館の活用に向けた「提案」や、サービスの「周知」を行います。

 

PR

図書館活用事例の広報

レファレンス等、図書館で得た情報が役立った事例をメールマガジン等で発信します。

 

サービス指標 行政支援サービス

図書館と連携した課題解決支援のための図書館サービス説明等の実施 現状(R2年度):45回 目標(R8年度):56

 

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(4) 高知県関係資料の収集・保存・提供高知県に直接関係する図書や雑誌、新聞、パンフレット、地図、DVD、CDなどだけでなく、高知県にゆかりのある資料も高知県関係資料として収集します。また、高知県や県内市町村、関係団体が作成した資料(行政資料)等についても積極的に収集します。

 収集した資料を利用に供することで、県民や市民だけでなく、観光で来られる方や、これから高知への移住を考えている方などにも、高知に愛着を持ってもらえるよう、高知の「いま」「むかし」がわかる情報を発信していきます。

 また、高知県関係資料の散逸等を防ぎ適切に保存していくために、関係機関・団体とも情報共有するなど、連携・協力して取り組みます。

 図書館の3階には、高知県関係資料を集めた専用のコーナーやレファレンス・デスクのほか、貴重資料を閲覧するための部屋、調査や研究等に利用できる研究個室等を設けており、さまざまなスタイルに合わせて利用することができます。

 現在、所蔵している古文書・古記録等の貴重資料については、適切な保管を行います。また、重要なものやニーズの高いものについては、順次、デジタル化を進め、ウェブ・サイトで公開します。

 

特にサービスを活用いただきたい方高知県のことを調べている方、高知県に興味のある方、県内の各種団体・機関

 

現状・課題

廃校となる学校や個人所蔵の高知県関係資料等の散逸防止が文化行政の課題となっています。

デジタル媒体のみの資料の収集への対応が必要となっています。

県市それぞれが所有する資料をデジタル化しウェブ・サイトで公開することで、利用者の利便性の向上を図ることができます。

 

強化・充実のポイント

関係機関等との情報共有や収集の分担・調整を進めることにより、資料の散逸を防ぎます。

デジタルファーストの行政資料等の収集方法を検討します。

資料をデジタル化し公開することで、デジタルコンテンツを充実させるとともに、その利用を促進します。

 

サービス・取組、内容

収集

図書以外の資料の収集

現在、収集が十分でない図書以外の資料(地図、パンフレット、DVD等)について、収集や

整理、提供の方法を検討したうえで、収集します。

「高知ならでは」の資料の収集

「よさこい祭り」など、高知に深く関わるテーマを、重点的に収集します。

高知県にとって必要な資料の収集

高知県にとって必要な資料が散逸しないように関係機関や各団体、郷土研究者等とつながりを持つなどして、貴重な資料の収集に努めます。行政資料の収集

県庁や高知市役所をはじめとして、他の県内各市町村に対しても図書館への行政資料提供の徹底を働きかけて、収集します。

 

保存

貴重資料の保存

環境の向上貴重資料を貴重書庫で保存するとともに、保存環境の向上を図ります。

貴重資料等のデジタル化

優先度に従って、順次、貴重資料等のデジタル化を行い、ウェブ・サイトから手軽に利用ができるように登録するとともに、原資料の良好な保存につなげます。

 

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提供

資料の提供

高知県関係資料コーナー及び専用のカウンターにおいて、資料を提供するとともに、職員がレファレンスに対応します。県内各自治体に関連した資料を集めたコーナーを設置し、県内の各分野にわたる新鮮な情報を一つの場所で得ることができるようにします。

高知県に移住した方や移住を考えている方等に役立つ情報についても、積極的に収集し、提供します。

デジタル化された貴重資料の提供

商品のパッケージ・デザインといった活用等の要望があった場合、データを提供します。

デジタル化資料のウェブ・サイトでの公開

利用の要望が多い歴史的資料を中心に、ウェブ・サイトでの公開を進めます。

資料の展示

実物資料や解説パネルを中心に資料展示室で展示を行い、貴重な資料を閲覧できるようにします。

レファレンスにおける回答結果の提供

高知県に関係する質問への回答(図書等を使って行った回答)を当館のウェブ・サイトや「レファレンス協同データベース」に登録し、閲覧できるようにします。

 

【サービス指標】高知県関係資料の収集・保存・提供 高知県関連のレファレンス件数 現状(R2年度):1,023件 目標(R8年度):1,200

 

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3 具体的なサービス・取組

3−3 利用者に応じた対象別の図書館サービスの充実

(1) 児童サービス

 児童サービスは、小学生以下の子どもを対象とするサービスです。

 乳幼児期や学童期に、絵本や物語に親しむ時間を持ち、読書を通じて得られるさまざまな経験を重ねていくことは、子どもたちの豊かな人格形成のための大きな力となります。

 子どもが自分自身で本を手に取ってゆっくり楽しめる環境、感性や表現力、想像力(創造力)を育むことができるような資料(図書や雑誌、紙芝居、新聞等)を提供します。また、子どもたちがわらべうたやおはなしの世界を楽しめる「おはなし会」等の行事も継続して行います。

 子どもの頃から図書館に親しみを持ち、自ら情報を得て活用できる力を備えるために、情報リテラシー向上を支援する取組を行います。具体的には、図書館の資料の使い方や情報の調べ方などのレクチャー、調べ学習の支援、パスファインダーやブックリストの配布を行います。

 子どもたちだけでなく、保護者や、子どもの読書活動を支える大人へのサービスを行います。

 妊娠中の女性やそのご家族、赤ちゃんから小学生までの子どもがいる保護者を支援するため、「子育て応援コーナー」では子育てに関連する図書を展示するとともに、県内で行っている子育てに関するイベントの情報も提供します。また、インターネットを用いて、図書館に直接来館することが難しい方へ資料の紹介等も行います。

 絵本の読み聞かせや図書の紹介等は、子どもたちが読書に関心をもつ大きなきっかけになります。そのことが理解され、継続的な取組となるよう、保護者や保育者、教職員等に積極的に働きかけていきます。あわせて、子どもの読書活動を支える人々のための研修会や勉強会も実施します。

 

特にサービスを活用いただきたい方高知県内の0歳〜小学6年生とその関係者

0歳〜小学6年生の子ども、保護者、保育園・幼稚園・小学校等の職員、子どもの読書活動に関わる団体・個人

 

現状・課題

読書の楽しみに加え、生活や仕事に必要な情報は図書館で得られるということを子どものころから学ぶことができる環境が求められています。

子育てに関わる大人を図書館として応援する取組が必要です。

子どもが読書を始めるきっかけとなる取組を、多くの方の協力を得ることにより、効果的に進めていく必要があります。

 

強化・充実のポイント

動画等を含む多様な手段により、子どもたちの情報リテラシーの向上を図ります。

「子育て応援コーナー」での情報提供を強化します。

絵本の読み聞かせや図書の紹介等の取組の継続について、イベント・研修の場を通じて、子どもに関わる大人への働きかけを行っていきます。

 

サービス・取組、内容

〇資料

基本図書の充実と、子どもの読書活動に関わる方への資料支援

長く、子どもに読み継がれる基本的な図書を選定・収集し、提供します。

また、子どもと本をつなぐ活動や、絵本や児童書の研究をしている方へも、資料を提供できるよう、「児童図書研究コーナー」を充実させていきます。

調べ学習に役立つ図書の収集・提供

子どもたちの疑問や好奇心に応え、調べ学習に役立つ図書を収集し、提供します。

しかけ絵本や特大絵本の収集・提供

しかけ絵本や特大絵本等、子どもたちの興味や好奇心をくすぐるような絵本を収集し、提供します。

 

〇利用ガイド

探し方マニュアルの提供

コンピュータによる図書館の蔵書目録検索システム(OPAC)やデータベース、インターネットの基本的な使い方に関するマニュアルを作成し、提供します。

また、作成したものは当館のウェブ・サイトに掲載します。

 

〇レファレンス

調べものを支援しやすい環境の整備

こどもカウンターでのレファレンス・サービスの充実を図ります。

 

〇情報リテラシー

情報リテラシーの学習機会の提供

図書館見学の機会を生かし、自らコンピュータで資料や情報を検索する方法や図書の分類の仕組み、司書への尋ね方等を学ぶ機会を提供します。

また、現在配信している図書館の使い方や資料の調べ方などを伝える動画や、ブックリスト、パスファインダーなどを今後も作成し、図書館に来ることが難しい子どもたちにも届くようウェブ・サイトで提供します。

 

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〇行事

子どもと本を結びつける行事の実施

小さな頃から子どもが本に親しみ、また、保護者も子どもの読書に関心を持つように、読み聞かせ、ストーリーテリングなどを定期的に行います。

 

〇普及活動

保護者やボランティアなどへの読み聞かせなどの普及

家庭や学校で読み聞かせや図書の紹介等が行えるように、民間団体などと連携しながら研修会や講座を実施し、具体的なアドバイスも行います。また、その成果を発表する場を提供します。

ブックトークの実施と普及

小学校高学年を主な対象として、ブックトークを実施します。

また、ボランティアや学校関係者等への講座や研修を実施し、ブックトークを実践できる人材の育成に努めます。

 

〇児童書の選定支援

児童書の全点購入

市町村立図書館や学校等が本の選定の際に、実際に見て参考にできるよう、出版される児童書を全て購入し、「児童図書選定支援コーナー」で期間展示します。

 

〇子育て応援

子育て支援に関連する資料や情報の提供

子育てに関する資料の一部を集めて展示している「子育て応援コーナー」から、関連する各コーナーの資料へと案内できるよう、ブックリストやパスファインダーを作成します。非来館でも利用できるように、作成したものはウェブ・サイトに掲載します。

また、県内で行われている子育てに関する支援やイベントの情報も提供します。

 

〇連携

他機関と連携した取組の実施

オーテピアの各施設や関係機関と連携し、図書館活動のPRや子どもの読書活動の推進を図ります。行事やテーマに合わせた図書の展示や読み聞かせ、ブックトーク、図書館の使い方・調べ方教室などを行います。

 

〇アウトリーチ

アウトリーチ・サービスの実施

子どもや、子どもと関わる大人(保護者、教諭、保育士など)に向けて行われる行事や研修に出向き、読み聞かせ・出前図書館・本の紹介・サービスのPRなどを行うことにより、図書館への来館・利用を促します。

 

サービス指標

こどもカウンターでのレファレンス受付件数 現状(R2年度):7,236件 目標(R8年度):7,900

 

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(2)ティーンズ・サービス

 10代の若い人たちにとって、読みやすい本、読みたくなる本、学校での学習内容を深められるような本、進路選択に役立つ本等を集めて、利用しやすいようにティーンズ・コーナーを設置し、提供します。

 中学生・高校生だけでなく、働いている10代の若者も、読書を通じて継続して学習が

 読書を習慣化させ、生涯にわたって、学習や仕事で活用できるよう取組を進めます。また、関係機関等と連携し、情報提供を行うとともに図書館利用を促すよう働きかけていきます。

 図書館を中心に、SNSを介して気軽に県内各地のティーンズ世代が同好の仲間と関わりあい、交流できる場をつくります。

 イベント・企画展示の実施やPR活動等で、図書館利用のきっかけづくりと読書の機会の創出に取り組みます。

 

特にサービスを活用いただきたい方高知県内在住の1318歳の中学生、高校生等

 

現状・課題

ティーンズ世代に向けた情報リテラシ向上支援の充実が必要です。

同世代同士の働きかけによる読書活動の推進を強化する必要があります。

不登校生徒に対する教育機関としての支援方策を検討する必要があります。

 

強化・充実のポイント

ティーンズ世代を対象とした情報リテラシーの学習機会を提供します。ティーンズ世代の視点を生かし、同世代同士の交流を通じた読書普及活動を行います。

不登校の生徒等を対象に、専門機関と連携しながら、図書館の持つ資源を生かして学びの場を提供します。 

 

サービス・取組、内容

資料

ティーンズ・コーナーの設置・提供

ティーンズの興味・関心に応える本、学習内容を深めることのできる本、生存や自立に必要な情報等を収集し、ティーンズ・コーナーにおいて提供します。

さまざまな事情を抱えるティーンズに対して、気軽に利用できる場、図書館資料を活用した学習の場を提供します。

学校案内等の収集・提供

県内の高校、専門学校、大学等の案内、資格取得や就職に関する資料等を収集し、提供します。

ティーンズを支援する機関・団体のパンフレットの提供

ティーンズの悩みを聞いたり相談にのったりする機関・団体のパンフレットを収集し、関連テーマのブックリストなどとともに提供します。

 

展示

ティーンズに知ってもらいたいテーマの展示

ティーンズに知ってもらいたいテーマの展示を行います。展示内容については、利用者にアイデアを出してもらうなど、工夫して行います。

 

利用ガイド

ブックリストやパスファインダーの作成・提供

将来を考えるものや関心を広げるものから、学習に対応したものまで、各種のブックリストを作成し、提供します。

 

〇情報リテラシー

図書館の本の探し方や調べ方、情報リテラシーを向上させるため、講座等を行います。

 

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〇普及活動

ビブリオバトルなどのイベントの開催

読書の楽しさを分かち合えるイベント、同世代に読書の楽しさを発信できるイベントを工夫して行います。

イベントの企画委員の募集等、ティーンズの参加につながるような工夫をしながら行います。

ブックトークの開催

読書の楽しさを知ってもらうために、さまざまなテーマに沿って、ブックトークを行い、いろいろな本があることを紹介します。

ティーンズを主体とした読書推進活動の実施

県内各地の中高生世代と協同して読書推進活動を行うため、「オーテピア・ティーンズ部」の部員を公募し活動を行います。

 

〇連携

中学・高校等と連携した取組の実施

中学・高校等と連携しながら、生徒のアイデアを生かした企画展示等を行います。

 

他機関と連携した取組の実施

専門機関へ積極的に働きかけを行い、連携し、さまざまな事情を抱えるティーンズへ学びの機会を提供します。

 

〇PR

PR誌の発行

図書館利用者や職場体験で受け入れた学生の声を取り入れるなど工夫して、読書や図書館利用が習慣になるような楽しい内容のPR誌を発行し、市町村立図書館や学校等に配布します。

ブログ、SNSの活用

PR誌とあわせ、SNSの特徴を生かしたPRを行います。図書館利用者から協力者を募るなど、工夫しながら行います。

 

サービス指標 ティーンズ・サービス

ティーンズからの投稿件数 現状(R2年度):45件 目標(R8年度):50

 

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(3) 多文化サービス

 県内には、日本語以外のことばを使用する人や、日本語で会話はできても文字を読むことが難しいといった人も生活しています。

 このため、図書館では、日本語を学習するための資料のほか、ことばによる情報の格差に配慮して、地域で生活するためのさまざまな情報や知識を、外国語ややさしい日本語で提供していきます。

 「ことばと国際交流コーナー」では外国語で書かれた本や雑誌、語学に関する本等を集め、異文化を知るきっかけや、多様化する高知県在留国人の生活に役立つ情報の提供も行います。

 また、関係機関と連携し、外国語絵本の読み聞かせや国際交流を図るイベント、外国の文化に関する講演会、展示などを行います。これらの事業を通して、高知に暮らすすべての人が国籍に関わらずお互いに理解しあい、世界に目を向けることができる機会を提供していきます。

 

特にサービスを活用いただきたい方高知県内在留の外国人とその関係者

県内在留の外国人、日本語学習者・指導者、外国語学習者、在留外国人を支援する団体・個人、国際交流に興味のある方

 

現状・課題

高知県在留外国人が日本語を学習するための資料のほか、地域で生活するためのさまざまな情報や知識を、外国語ややさしい日本語で提供する必要があります。

高知県在留外国人が、高知県ほかの異文化を知るきっかけや、多様化する高知県在留外国人の生活に役立つ情報を提供する必要があります。

 

強化・充実のポイント

多言語版ややさしい日本語を使った図書館利用案内を作成・配布することで、多様化する在留外国人等の図書館利用を促進します。

県内で暮らす在留外国人等が、必要な情報へたどり着けるよう情報リテラシーの向上を支援します。

 

サービス・取組、内容

〇資料

外国語で書かれた各種資料の収集・提供

各言語の図書やデジタル資料を収集し、提供します。

各言語の雑誌や新聞を収集し、提供します。

地域の生活情報(防災等を含む)を中心に、外国語ややさしい日本語で書かれたパンフレット等を収集し、提供します。

日本語習得のための資料の収集・提供

日本語を学ぶ人や教える人に役立つ資料や、読みやすく理解しやすい日本語の資料を収集し、提供します。

多文化を知り、理解を深めるための資料の収集・提供

日本や外国の文化に関する資料を収集し、提供します。

「ことばと国際交流コーナー」の充実

積極的に資料を収集し、「ことばと国際交流コーナー」を充実させます。

また、利用者が自分の求める情報にたどり着けるよう利便性の向上に取り組みます。

 

〇展示

さまざまな企画展示

外国の文化を知るきっかけとなったり、県内に住む外国人の生活に役立つ展示を行います。

姉妹都市・友好都市等、高知県や高知市と交流のある都市や地域等の企画展示を行います。

 

〇利用ガイド

外国語ややさしい日本語を使った利用案内の提供

外国語ややさしい日本語を使った利用案内を作成し、提供するとともに、ウェブ・サイトに掲載します。

 

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〇情報リテラシー

情報活用のサポート

有用な情報を集めたパスファインダーやリンク集を作成したり、やさしい日本語を使った館内ツアーを行ったりすることで、利用者が求める情報へアクセスしやすい環境を整えます。

 

〇普及活動

各種催しなどの実施

外国語による絵本の読み聞かせやおはなし会、外国の文化についての講演会等、地域で生活する外国の方との交流を図るための催しなどを実施します。

 

〇連携

他機関等との連携

これまで図書館サービスが届いていない県内在留外国人のニーズを把握するために、関係機関と連携し、情報収集します。

また、国際交流団体等のイベントなどに出向き、サービスの提供やPRを行います。

 

サービス指標 多文化サービスの指標

ブックリストやパスファインダーの提供数 現状(R2年度):13種 目標(R8年度):31

 

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(4)図書館利用に障害のある人へのサービス

 図書館では、視覚・聴覚障害など文字情報の利用が困難な人や、高齢、病気、その他の理由等により来館が困難な方を図書館利用に障害のある人(注釈あり)と考え、これらの人々に配慮したサービスを提供するとともに、サービスを活用していただくためのPRを積極的に行います。

 障害のある人と図書や情報を積極的につなぐため、多様な資料やサービス手段、コミュニケーション手段、ユニバーサル・デザインの考えに沿った利用しやすい環境を整え、「だれにでも」「やさしく」利用できる図書館を目指します。

 併設するオーテピア高知声と点字の図書館では、点訳や音訳の資料等、著作権法により利用者が制限される資料を、一方、オーテピア高知図書館では、市販の資料を収集することで、重複することなく効率的に資料を収集します。また、両館どちらの窓口でも、双方の資料の貸出し手続きが行えるなど、一体的な運用を行います。

 

特にサービスを活用いただきたい方図書館利用に障害のあるすべての県民・市民

小さい字が読めない方、寝たきりや障害により本が持てない方

身体が不自由などで図書館へ行くことが難しい方

音声での意思疎通が困難な方、障害などで文字を読むことが難しい方

 

現状・課題

コロナ禍において、図書館利用に障害のある人へのサービスとして、非来館型サービスをより充実する必要があります。

知的障害者や発達障害者等へ提供する新たなサービスの検討が必要となっています。

アンケート結果では、当館の図書館利用に障害のある人へのサービスを知らないという回答が多かったため、サービスを必要とする方に届くPRが必要です。

 

強化・充実のポイント

対面音訳サービス等について、非来館によるサービス提供を強化する。

知的障害者等を対象とした代読(やさしい読み上げ)サービスの実施を検討する。

学校・施設や関係機関等への訪問や多様な媒体を活用した広報により、図書館サービスの普及・啓発を図る。

 

サービス・取組、内容

〇資料

大活字本、LLブックの収集・提供

大活字本を全点購入します。LLブックの積極的な収集・提供をします。

録音図書の提供(デイジー等)

高知声と点字の図書館やサピエ図書館が提供する利用制限付き録音図書を、図書館の窓口においても提供できるようにします。

そのため、オーテピア高知図書館とサピエ図書館の所蔵検索が一括でできるよう、システムを運用していきます。

朗読CD、カセットブック、音声ガイド・字幕付きDVDの収集・提供

朗読CD、カセットブック、音声ガイド・字幕付きDVDの積極的な収集をします。

バリアフリー映画会の実施などによってPRします。

さわる絵本、手話付き絵本、布絵本の収集・提供

ボランティアの協力も含めて、これまで以上に積極的に収集し、提供します。

就学前の対象者と接する機会の多い保健師や、盲学校等の教育機関、成人を含む障害者施設などと連携し、資料を提供します。

マンガによる解説書等の収集・提供

文字情報が苦手な方にとって、マンガは重要な情報源になるという認識に立って、マンガで情報を伝えられる資料を収集し、提供します。

また、ブックリストを活用し、タイムリーな提供につながるように広報、案内を強化します。

電子書籍の提供・広報

電子書籍は、来館が困難な方や文字情報が苦手な方の利便性が向上する資料であるという認識に立って、収集・提供します。

また、ウェブ・サイトやSNS等を活用し、広報を強化します。

公衆送信

法整備にあわせて実施の準備をします。

 

〇利用ガイド

わかりやすいパンフレットの作成

障害を含め幅広い方に分かりやすいパンフレットを作成します。また、マンガ等の活用も実施します。

ブックリスト等を活用したPR

バリアフリー仕様の資料に加え、障害のある人にとって必要な資料にアプローチしやすいように、ブックリスト等を作成し、資料の利用を促します。

 

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〇各サービス

来館が困難な方への宅配貸出サービスの実施

障害や病気によって図書館への来館が困難な方には、図書館の負担による宅配便で自宅等に資料を届けます。

また、対象者にサービスの情報が届くよう広報の強化をします。

対面音訳サービスの実施

参考図書やインターネットで調べることができるように必要な設備を用意した対面音訳室(3室)で対面音訳サービスを実施します。さらに、来館が困難な方へも電話やインターネットを利用してのリモートによる音訳サービスを、オーテピア高知声と点字の図書館と連携・協力して実施します。

やさしい読み上げサービスの実施

知的障害者(自閉症や肢体不自由を重複する人を含む)や、読み書き障害のある人を対象に、資料をわかりやすく読み伝えるサービス(代読サービス)について、オーテピア高知声と点字の図書館と検討を進めます。

上映会・体験会の開催

字幕付き映画、手話付き映画、音声解説付き映画の上映会、マルチメディア・デイジー、音声付き電子書籍等の体験会を企画し、開催します。

手話によるおはなし会の開催

児童等を対象にした手話によるおはなし会を企画し、開催します。

また、ウェブ・サイト等でも手話によるおはなし動画を公開し、来館しなくてもおはなしを楽しめるようにします。

団体貸出の実施

来館が困難な方が資料を利用できるように、病院・社会福祉施設等への資料の団体貸出を行います。

 

PR

ウェブ・サイトでの情報発信

当館のウェブ・サイト等で、音声・動画を活用し、手話による利用案内等さまざまな情報を発信します。

サービス対象者への広報

サービス対象者が直接つながる学校・施設や関係団体等への訪問等や多様な媒体の活用により、資料やサービスを紹介し、利用を促します。

 

〇ボランティア

オーテピア高知声と点字の図書館と連携し、ボランティアなどの養成、スキルアップ講習会等を実施

図書館の資料について、オーテピア高知声と点字の図書館と連携し、リクエストに応じて点訳や音訳、「テキスト・データ」化等の変換ができるようボランティアや協力者の養成、スキルアップ講習会等を実施します。

 

〇アンケート

利用者へのアンケート調査の実施

図書館利用に障害のある利用者へのアンケート調査を実施します。

 

サービス指標 図書館利用に障害のある方へのサービス

宅配サービスの利用延べ件数 現状(R2年度):32回 目標(R8年度):60

対面音訳サービスの延べ利用件数 現状(R2年度):672回 目標(R8年度):780

 

注釈

図書館利用に障害のある人オーテピア高知図書館では、次の方を図書館利用に障害のある方とします。

@文字情報の利用が困難な人

全盲・弱視など視覚障害のある人

知的障害や発達障害(ディスレクシアなど)で文字や文章の認識・理解が困難な人

高齢や病気(難病,精神疾患)、高次脳機能障害等などで、文字を読むことや長時間の読書が困難な人

寝たきりや上肢の障害で、本を持つこと、ページをめくることが困難な人

聴覚障害で活字の文章を理解することが困難な人

A来館が困難な方

高齢や病気、障害等により来館できない方

知的や精神の障害により対人関係が苦手な方

 

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3 具体的なサービス・取組

3−4 連携・支援及び図書館の活用

(1) 市町村立図書館等への支援(県立図書館機能)

 高知県図書館振興計画と連動し、県民がそれぞれの地域で、読書し、役立つ情報が得られる環境を整えます。

 住む場所に関わらず、県民が等しく、必要な図書館サービスが受けられるよう、協力貸出用資料の充実や物流の整備によって市町村立図書館等のサービスをバックアップするほか、市町村職員を対象とした研修事業等を実施し、県全体の図書館サービスの充実と職員のスキル向上に努めます。

 読書・情報環境が厳しい図書館未設置町村等に対して移動図書館や業務相談等による支援を行うとともに、市町村立図書館に対しては、蔵書の整備等により自律的に充実したサービスを提供できるよう働きかけるなど、各市町村の状況等に応じた支援を、東部・中部・西部の各ブロックの担当職員を中心に行います。

 また、市町村立図書館が、新たに課題解決支援サービスに取り組む際には、他の図書館が「目指す姿」としてモデルとなるような図書館サービスの実現に向けて、オーテピア高知図書館が蓄積したノウハウ等を共有するなどの必要な支援を行います。

 

特にサービスを活用いただきたい方県内市町村立図書館・図書館未設置町村の図書室及びその職員

 

現状・課題

オーテピア高知図書館で実施している課題解決支援の取組を、各市町村立図書館の実態に合わせたうえで実施し、サービス向上に結び付ける必要性があります。

市町村別の読書・情報環境に応じた支援が必要です。

県内の図書館未設置市町村へは、特に支援を強化する必要があります。

 

強化・充実のポイント

市町村立図書館等における課題解決支援サービス実施への支援を強化するため、動画等を活用した研修機会の提供と協力貸出用資料の充実を図ります

ブログ等を活用し、市町村立図書館等への情報提供を強化します。

移動図書館の運行について、図書館未設置町村への重点化を図ります。

 

サービス・取組、内容

人的支援

巡回訪問や依頼訪問等による支援

県の東部・中部・西部各ブロックの担当司書が、市町村立図書館等への巡回訪問や依頼訪問等により、運営やサービスの充実に向けた相談等の支援を行います。

レファレンスへの協力

市町村立図書館等では解決が難しいレファレンスへの支援を行います。                                                                市町村立図書館等における資料の整備

市町村立図書館等で収集したほうがよい資料の整備や、資料の収集方針・選定基準の策定等についてアドバイスや情報提供を行います。

研修の実施

市町村立図書館の職員等に対して、経験年数に応じた階層別の研修や希望のテーマに応じた研修等を実施し、人材の育成を図ります。また、市町村立図書館等の要望に応じて、職員をオーテピア高知図書館に受け入れて行う研修を実施します。加えて、動画配信等を活用し、図書館職員が自ら学ぶための機会を提供します。

課題解決支援サービス実施への協力

市町村立図書館等において課題解決支援サービスに取り組むことができるよう、事例の紹介や提案を行います。また、必要に応じて資料の協力貸出を行い、市町村立図書館でのデータベース導入支援に関しても検討します。                  

情報提供

ブログなどを活用し、資料の紹介や県内図書館等が行っている取組など市町村立図書館等の業務に役立つ情報の発信を行います。

 

49ページ

物的支援

市町村のニーズに応える資料の収集・提供

協力貸出用の資料を収集し、提供します。また、市町村立図書館等における企画展示や課題解決支援サービスの実施を支援するため、テーマに応じた資料の貸出しや時事に対応したセットの作成・貸出を行います。特に、課題解決に資するセットの充実を図ります。

相互貸借の活性化

図書館情報システム未導入の市町村立図書館等の所蔵情報を収集し、県内図書館横断検索システムで所蔵状況の検索ができるようにします。     

市町村のニーズに応える資料の収集・提供

協力貸出用の資料を収集し、提供します。また、市町村立図書館等における企画展示や課題解決支援サービスの実施を支援するため、テーマに応じた資料の貸出しや時事に対応したセットの作成・貸出を行います。特に、課題解決に資するセットの充実を図ります。              物流便による資料の配送

休館日を除き、毎日、協力貸出や相互貸借の資料を当館の負担で、市町村に配送します。

移動図書館による支援

図書館未設置町村を中心に運行し、読書活動や新しい資料へのアクセスを支援をします。また、巡回施設についても再検討し、読書・情報環境の厳しい市町村への支援を強化します。

 

連携

高知県にとって必要な資料の保存

市町村立図書館等で保存しきれなくなった資料のうち、必要で保存価値のあるものを集約して保存します。

広報

市町村立図書館等と協力し、市町村立図書館を通して受けられる図書館サービスについて県民への周知を行います。                   

 

サービス指標 市町村立図書館等への支援(県立図書館機能)

協力貸出点数 現状(R2年度):35,000点 目標(R8年度):32,322

 

50ページ

(2)高知市全域サービスの拠点(市民図書館機能)

 市民図書館は、「すべての市民のための図書館」、「市民の生活の中に読書を、図書館を」を方針とし、地域に密着した図書館でありつづけたいと考えます。そのために、オーテピア高知図書館(本館機能)を始め、6つの分館(注釈あり1)、15の分室(注釈あり2)があり、2台の移動図書館(注釈あり3)の運行も合わせて、高知市内全域で図書館サービスを展開しています。

 県立図書館・市民図書館の資料の「貸出し・返却」が市内各館室どこででもできる「配送システム」の利便性を保つとともに、市内全域サービスの、より一層の向上を図ります。

 また、児童生徒の主体的、意欲的な学習活動や読書活動を支えられるように、高知市内の小・中学校、義務教育学校、特別支援学校と積極的に連携します。

 

特にサービスを活用いただきたい方すべての高知市民、高知市内小・中学校、義務教育学校、特別支援学校、幼稚園・保育園等及び教職員

 

現状・課題

分館・分室でのブックリスト・パスファインダー活用状況を把握し、利用に結び付ける取組が必要です。

学校図書館とより緊密に連携し、ニーズの把握およびニーズに即した資料を提供することが求められます。

分館・分室、移動図書館のさらなる利用促進を図ることが必要です。

 

強化・充実のポイント

分館・分室の利用ニーズに合ったブックリストやパスファインダーを作成・提供します。

授業に役立つ団体貸出セットなど、学校教育現場のニーズに即した資料を提供します。

各館室の利用者ニーズを全体で共有し、職員の資質向上に役立つ研修会を実施するなどして、利用サービスの向上に努めます。

 

サービス・取組、内容

利用ガイド

ブックリストやパスファインダーの提供

分館・分室利用者のニーズに合ったブックリストやパスファインダーを紹介、提供します。

 

レファレンス

レファレンス・サービスの充実

館室間のネットワークを活用し、分館・分室においても、迅速なレファレンスサービスの提供に努めます。

 

連携

学校図書館との連携

高知市内の小・中学校、義務教育学校、特別支援学校と連携を図り、授業に役立つ単元に即した資料など、学校が求める資料の団体貸出を行います。また、学校図書館支援員研修の対応など、学校現場のニーズに沿った、より有効な支援や資料提供の充実に取り組みます。

 

〇利用促進

分館・分室・移動図書館の周知

身近な図書館である分館・分室について、もっと広く知ってもらい、利用してもらえるよう様々な媒体を使って積極的にPRを行います。必要に応じて分館・分室職員向けに広報物作成講習を開催します。

移動図書館の巡回場所や時間について本館・分館・分室に来館困難な住民にも広く存在を知ってもらい、利用の促進を図ります。

分館・分室、移動図書館の活性化

本館、分館・分室、移動図書館が直面する問題や利用者のニーズを、市民図書館全体で共有し、一体となって改善に取り組むことで、全館室の活性化および利用サービスの向上を図ります。

 

〇職員研修

接遇力の向上

分館・分室職員のコミュニケーション能力、傾聴力等の向上のため接遇研修を定期的に実施します。また、業務マニュアルの周知徹底を図り、同一水準の的確な利用サービスの提供に努めます。

調査能力の向上

レファレンス事例の情報共有や、定期的な研修の実施により、分館・分室職員の調査能力の向上に努めます。ブックリストの作成講習も計画します。

 

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サービス指標 高知市全域サービスの拠点(市民図書館機能)

6分館・15分室と移動図書館の利用者数 現状(R2年度):257,000人 目標(R8年度):28万人

6分館・15分室と移動図書館の貸出点数 現状(R2年度):1,199,000点 目標(R8年度):1,316,000

市内小中学校等への団体貸出点数 現状(R2年度):9,806点 目標(R8年度):11,200

 

注釈

1 6つの分館旭市民図書館、潮江市民図書館、長浜市民図書館、江ノ口市民図書館、下知市民図書館、春野市民図書館

2 15の分室三里ふれあいセンター図書室、鴨田ふれあいセンター図書室、初月ふれあいセンター図書室、一宮ふれあいセンター図書室、高須ふれあいセンター図書室、介良ふれあいセンター図書室、朝倉ふれあいセンター図書室、秦ふれあいセンター図書室、五台山ふれあいセンター図書室、大津ふれあいセンター図書室、布師田ふれあいセンター図書室、御畳瀬ふれあいセンター図書室、浦戸ふれあいセンター図書室、鏡図書室、土佐山図書室

3 移動図書館2,500冊を搭載できる図書館車。学校も含め、巡回先を決めて定期的に訪問しています。

 

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(3) 県立学校図書館等との連携・協力(県立図書館機能)

 生徒たちが読書習慣や、主体的・対話的に学ぶ力を獲得するためには、早い段階から幅広い資料・情報に接することができる環境が必要です。生徒たちが読書を楽しみ、自ら必要な資料・情報を探し活用して学ぶ力を身につけるための支援を、学校担当職員を配置し、生徒たちにとって最も身近な存在である学校図書館と連携・協力して行います。

 オーテピア高知図書館では、市民図書館と県立図書館が役割を分担し、高知市立学校へのサービスは市が、県立学校等へのサービスは県が行います。

 県立学校のカリキュラムや生徒のニーズに対応する資料の収集・提供等により生徒の学びを支えます。また、学校図書館の要望に応じて、教職員等に対する研修や講座等を実施します。

 なお、高知市以外の市町村立学校については、各市町村立図書館等を通して支援します。

                                 

特にサービスを活用いただきたい方県内県立学校図書館・私立学校図書館及び教職員(図書館職員・司書教諭など)

 

現状・課題

各校の特色に応じた連携・協力や図書館活用教育推進のあり方の検討が必要です。

市町村立図書館等と同様にブログ等によるこまめな情報提供が必要です。

遠方の学校や、実習助手未配置校は、研修への参加が少ない傾向があるため、時間や距離に関係なく、受講できる研修を検討する必要があります。

 

強化・充実のポイント

積極的に学校訪問し、学校のニーズを把握します。

ブログ等を活用し、学校図書館活動に役立つ情報等を提供します。

オンラインでの研修開催や、YouTubeを活用するなど動画による研修を検討していきます。

 

サービス・取組、内容

協力

資料の貸出しやレファレンスへの協力

県立学校等へ、要望するテーマに応じた資料の一括貸出等を行います。また、レファレンスの支援を行い、参考資料を提供します。学校訪問を行い、サービスの周知や、学校司書等との連携を図ります。また、要望に応じて運営やサービスの充実に向けた相談等の協力を行います。

情報提供

ブログ等を開設し、カリキュラムに関連するブックリストや、学校図書館活動に役立つ情報等を提供します。

学校司書等の研修への協力

市町村立図書館職員に対して実施する研修について、県立学校等への情報提供を強化し、学校司書等のスキルアップに協力します。

 

アウトリーチ

出前講座等の実施

学校図書館等の要望に応じ、生徒を対象とした保育実習のための読み聞かせ講座や、教職員を対象とした図書館活用講座等を実施します

 

サービス指標 県立学校図書館等との連携・協力(県立図書館機能) 

団体貸出点数 現状(R2年度):1,491点 目標(R8年度):2,200

 

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(4)大学等の教育・研究機関等との連携・協力

 地方における大学等の教育・研究機関は、その専門性や知的資源を生かし、産学官民連携による産業創出や、地域が抱えるさまざまな課題の解決等に取り組む不可欠な存在です。

 課題解決を支援する地域の情報拠点として、読書環境や情報環境の改善を目指す当館は、教育・研究機関に対して、当館の有する資料・情報を生かし、ニーズや必要性に応じて活動をサポートします。

 また、大学と地域との協働の取組については、多くの方に利用されている当館の強みを生かし、イベント等を共催したり、広報活動を支援したりすることで、相乗的な効果が発揮できるように積極的に連携を進めます。

 

特にサービスを活用いただきたい方大学等の教育・研究機関及びその関係者(教職員、研究者、学生)

 

現状・課題

教育・研究機関が必要とする資料・情報が不足することがないよう、ニーズや必要性に応じて補完する取組が必要です。

大学等による地域課題の解決を目指す取組について、図書館と連携することで、相乗的な効果を発揮することが期待されます。

 

強化・充実のポイント

教育・研究機関等のニーズを把握し、資料・情報を提供することで、その活動をサポートします。

大学等による地域との協働の取組について、図書館の施設等の資源を生かして支援します。

 

サービス・取組、内容

大学等の教育・研究機関等との連携・協力

教育・研究機関等への貸出し

教育・研究機関等のニーズに応じて、団体貸出等の方法により資料を提供します。

また、貸出し・返却について、より効率的な運用方法となるよう必要に応じて検討します。

大学及び短期大学図書館とは、双方の利用者へのサービス向上を目的に図書館資料の相互貸借やレファレンスの協力を行うこととし、県立図書館の独自機能として、物流便により資料を配送します。

レファレンス・サービス

地域の課題解決に必要な情報収集や関連調査を支援します。

大学等と連携したセミナー・相談会等の共催事業の実施

大学等の教育・研究機関等と連携し、教育・研究の成果を生かしたセミナーや相談会等のイベントを開催します。

広報支援

広報物の館内での掲示・配布等によって、大学等によるさまざまな取組について情報発信の機会を提供します。

出前図書館等での資料の紹介・提供

大学等が開催するイベントの会場に内容に沿った資料を持参し、その場で資料の貸出しや資料相談を行ったり、ブックリストを提供するなど、図書館の外でも資料の紹介・提供を行います。

大学で行う場合は、大学図書館とも連携して実施します。

アウトリーチ・サービスの実施

教育・研究機関等に対して積極的に図書館の活用に向けた「提案」や、サービスの「周知」を行います。

学生ボランティア等との協働

学生をボランティアなどとして受け入れ、読み聞かせや学生のアイデアを生かした企画展示等を、大学等と連携しながら行います。

 

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(5)中心市街地活性化への寄与・周辺施設との連携

 オーテピア高知図書館の「資料や情報」、「司書の専門性」、「利用しやすい場所」といった資源を活用しながら、地元商店街等と連携・協力した取組を行い、中心市街地の活性化に寄与します。

 また、周辺文化施設と連携・協力することで、お互いに持っている強みや機能をさらに充実・強化し、互いの施設の利用促進や情報発信等につなげていきます。

 

特にサービスを活用いただきたい方高知市中心部エリアの関係者(中心部商店街関係者、周辺の文化施設)、観光客

 

現状・課題

商店や商店街への資料提供を増やしていく必要がありますが、そのためには貸出し・返却の利便性の向上が必要です。

日曜市等の街路事業について、情報発信における連携が不十分という課題があります。

コロナ禍における商店街や文化施設との新たな協働のあり方の検討が必要です。

 

強化・充実のポイント

商店や商店街に役立つ資料を収集するとともに、貸出し・返却の運用方法を検討します。

商店街や日曜市等の情報発信について、関係各課と連携を強化します。

商店街の方に向けた図書館サービスや活用事例を発信します。

 

サービス・取組、内容

〇中心市街地活性化への寄与・周辺施設との連携

個々の商店や商店街全般に役立つ図書等の収集・提供

商店経営の仕方、商品ディスプレイのノウハウなど、個々の商店や商店街の振興全般に役立つ図書や雑誌・新聞等を収集し、提供します。

商店街や宿泊施設等への団体貸出

商店街や宿泊施設等への団体貸出について、ニーズを把握しながら、実施に向け検討します。

観光情報の収集・発信

観光関連機関とも協力し、国内外からの観光客に対応した、高知の観光に関するチラシやパンフレットを収集し、1階エントランス・ロビー等で提供します。

商店街や日曜市等の情報発信

商店街や関係各課と連携し、商店街や日曜市等の産業市に関する情報を収集し、1階エントランス・ロビー等で情報発信します。

商店街との協働

商店街の一員として交流を深め、まちゼミや土曜夜市等、商店街の様々なイベントと協働した取組を行います。

図書館サービスのPR

商店街の方に向けて、図書館のサービスや活用事例などを発信します。

文化施設との連携

高知城歴史博物館や文学館、高知城等の歴史ある文化施設と連携し、イベントや関連展示、各機関の専門性を生かした講座等を実施し、文化的な側面から、中心部の賑わい向上に寄与します。

 

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参考資料

1図書館の現状

1−1蔵書数の推移

 高知県立図書館と高知市民図書館の蔵書数は、年々増加しています。しかし、県内市町村立図書館の蔵書数を見ると、「望ましい基準」の目標基準例(注釈あり)に基づき算定した冊数(県内市町村において基準上必要とされる蔵書数の合計)に対して、50%程度しか充足していません。

また、都道府県別の蔵書数(都道府県立図書館と市区町村立図書館の蔵書数の合計)のランキングにおいて、高知県は最下位となっており、依然として県内の読書環境・情報環境は厳しい状況にあります。

 

@高知県立図書館・高知市民図書館の蔵書冊数

高知県立図書館  H101998)年度449千冊 H152003)年度517千冊 H202008)年度489千冊 H252013)年度640千冊 R元(2019)年度792千冊

高知市民図書館  H101998)年度594千冊 H152003)年度720千冊 H202008)年度905千冊 H252013)年度949千冊 R元(2019)年度1,004千冊

出典『日本の図書館 統計と名簿』電子媒体版 日本図書館協会 19992020

 

注釈

平成206月の改正図書館法に基づく新たな「望ましい基準」に盛り込むべき視点やその具体的な内容について、文部科学省生涯学習政策局長からの委嘱を受け、これからの図書館の在り方検討協力者会議がまとめた報告書「図書館の設置及び運営上の望ましい基準の見直しについて」(平成24年8月)において示されている基準。

 

56ページ

A県内市町村立図書館の蔵書冊数

単位 冊

望ましい規準の目標基準例 人口段階0.8万人未満 自治体あたりの蔵書冊数74,541.2 県内市町村立図書館の蔵書冊数 H101998)年度110,700 H152003)年度139,000 H202008)年度117,000      252013)年度179,000 R元(2019)年度285,000

望ましい規準の目標基準例 人口段階1万人未満 自治体あたりの蔵書冊数74,980.2 県内市町村立図書館の蔵書冊数 0 0 0 0 0 

望ましい規準の目標基準例 人口段階1.5万人未満 自治体あたりの蔵書冊数110,928 県内市町村立図書館の蔵書冊数 19,500 64,000 94,000 95,000 260,000 

望ましい規準の目標基準例 人口段階2万人未満 自治体あたりの蔵書冊数123,661.7 県内市町村立図書館の蔵書冊数 257,100 316,000 150,000 300,000 144,000

望ましい規準の目標基準例 人口段階3万人未満 自治体あたりの蔵書冊数153,589.5 県内市町村立図書館の蔵書冊数 293,300 284,000 426,000 340,000      390,000

望ましい規準の目標基準例 人口段階4万人未満 自治体あたりの蔵書冊数220,523.4 県内市町村立図書館の蔵書冊数 128,000 154,000 241,000 251,000      292,000

望ましい規準の目標基準例 人口段階5万人未満 自治体あたりの蔵書冊数240,459.6 県内市町村立図書館の蔵書冊数 63,000 0 0 97,000 99,000

望ましい規準の目標基準例 人口段階6万人未満 自治体あたりの蔵書冊数293,787.2 県内市町村立図書館の蔵書冊数 0 70,000 85,000 0 0

人口段階〜6万人未満計   871.600 1,027,000 1,113,000 1,262,000 147,000

望ましい規準の目標基準例 人口段階30万人以上 自治体あたりの蔵書冊数1,157,204.5県内市町村立図書館の蔵書冊数 594,000 720,000 905,000     949,000 1,004,000

計 1,465,600 1,747,000 2,018,000 2,211,000  2,474,000

出典『日本の図書館 統計と名簿』電子媒体版 日本図書館協会19992020

 

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B都道府県別蔵書数の推移(都道府県立図書館と市区町村立図書館の蔵書数の合計)

単位 千冊

1998H10)東京37,814 大阪17,195 埼玉16,702 神奈川14,637 愛知14,393 千葉12,632 北海道12,279 兵庫8,745 静岡8,601 福岡7,821 茨城5,894 長野5,844 栃木5,834 群馬5,170 滋賀5,102 広島4,767 京都4,629 岐阜4,470 新潟4,227 岡山4,033 福島3,965 山口3,809 富山3,745 宮城3,706 鹿児島3,608 三重3,581 石川3,316 岩手3,214 愛媛3,044 福井2,935 奈良2,899 熊本2,790 青森2,692 徳島2,666 山形2,635 沖縄2,603 香川2,565 秋田2,563 大分2,122 山梨2,111 長崎2,096 高知1,915 宮崎1,897 佐賀1,885 島根1,844 和歌山1,821 鳥取1,522 計274,338

2003(H15)東京42,042 大阪20,032 埼玉19,801 愛知16,919 千葉15,618 神奈川15,591 北海道14,697 兵庫11,045 静岡10,689 福岡10,304 茨城7,665 長野7,314 滋賀7,261 栃木6,931 群馬6,313 広島5,979 岐阜5,758 京都5,536 新潟5,479 岡山5,465 山口4,720 宮城4,615 福島4,567 三重4,567 富山4,258 鹿児島4,166 石川4,102 岩手4,039 奈良3,910 福井3,907 愛媛3,603 熊本3,603 青森3,276 沖縄3,256 山梨3,217 徳島3,182 秋田3,002 山形2,980 長崎2,959 香川2,897 大分2,832 佐賀2,638 宮崎2,531 島根2,459 高知2,264 鳥取2,114 和歌山2,094 332,197

2008(H20)東京   45,505 大阪22,444 埼玉22,123 愛知19,363 千葉17,919 神奈川17,028 北海道16,967 兵庫12,962 静岡12,579 福岡11,855 長野9,724 茨城9,048 滋賀8,641 広島7,383 栃木7,244 岐阜6,944 新潟6,895 群馬6,888 岡山6,483 京都6,317 福島6,042 三重5,419 宮城5,315 山口5,238 石川4,910 鹿児島4,802 福井4,766 岩手 4,710 長崎4,685 奈良4,509 富山4,489 熊本4,340 愛媛4,202 山梨4,199 沖縄3,909 青森3,809 香川3,555 秋田3,545 徳島3,384 山形3,326 大分3,280 宮崎3,208 佐賀3,133 島根2,950 鳥取2,898 和歌山2,723 高知2,506 384,162

2013(H25)東京47,656 大阪24,416 埼玉23,834 愛知21,394 千葉19,488 北海道18,636 神奈川17,086 兵庫14,481 静岡13,801 福岡13,494 茨城10,231 長野9,877 滋賀9,478 広島8,592 岐阜7,819 栃木7,818 新潟7,569 岡山7,567 群馬7,315 京都6,862 福島6,547 三重6,045 山口5,886 宮城5,826 長崎5,543 石川5,480 福井5,452 熊本5,267 鹿児島5,260 奈良5,190 岩手5,110 富山4,999 山梨4,907 愛媛4,783 沖縄4,487 青森4,288 香川4,103 大分3,901 秋田3,859 徳島3,815 宮崎3,743 山形3,677 佐賀3,632 鳥取3,447 島根3,414 和歌山3,215 高知2,833 422,123

2019(R)東京50,370 大阪25,703 埼玉24,921 愛知22,851 千葉20,375 北海道19,349 神奈川18,114 兵庫15,761 福岡14,527 静岡14,484 茨城11,250 長野11,045 滋賀10,132 広島9,087 岡山8,635 岐阜8,568 栃木8,385 新潟8,026 群馬7,739 京都7,444 福島7,401 三重6,649 山口6,490 宮城6,437 長崎6,239 福井6,092 熊本5,985 石川5,915 鹿児島5,840 岩手5,763 奈良5,543 富山5,419 山梨5,400 愛媛5,284 沖縄5,202 青森4,754 大分4,423 香川4,339 宮崎4,287 秋田4,221 山形4,202 徳島4,155 鳥取3,979 佐賀3,940 島根3,780 和歌山3,675 高知3,267 455,450                                                            

出典『日本の図書館 統計と名簿』電子媒体版 日本図書館協会 19992020

集計の際、四捨五入しているので、計と内訳は一致しない場合がある。

 

59ページ

1−2県全体の受入図書(冊数)に占める県立図書館の割合

高知県全体の受入図書(冊数)に占める県立図書館の割合は26.2%で、全国平均の9.3%を大きく上回っており、市町村立図書館の都道府県立図書館への依存度が高い状況です。

 

60ページ

1−3貸出点数の推移

県民一人あたりの年間貸出点数は、年々増加しています。オーテピア高知図書館が開館した平成30年度時点では、全国平均を下回ってはいるものの、開館前と比較して大きく伸びています。高知市では、オーテピア高知図書館の開館前と比較して著しく増加し、全国平均を大きく上回っています。

しかし、高知市を除く県内市町村では、増加傾向にはあるものの、全国平均の50%を超える程度にとどまり、厳しい読書環境・情報環境にあることがうかがえます。

 

市町村立図書館(高知市除く)

1998(H10)年度 人口397,353人 貸出数782,718点 1人あたり貸出数1.97

2003(H15)年度 人口389,365人 貸出数878,644点 1人あたり貸出数2.26

2008(H20)年度 人口388,160人 貸出数1,004,340点 1人あたり貸出数2.59点 

2013(H25)年度 人口380,452人 貸出数1,034,443点 1人あたり貸出数2.72

2019(R)年度 人口387,313人 貸出数978,164点 1人あたり貸出数2.53

 

高知市立市民図書館

1998(H10)年度 人口322,586人 貸出数1,319,487点 1人あたり貸出数4.09

2003(H15)年度 人口326,677人 貸出数1,512,785点 1人あたり貸出数4.63

2008(H20)年度 人口340,839人 貸出数1,717,231点 1人あたり貸出数5.04点 

2013(H25)年度 人口338,087人 貸出数1,554,423点 1人あたり貸出数4.60

2019(R)年度 人口330,167人 貸出数2,194,288点 1人あたり貸出数6.65

 

県立図書館

1998(H10)年度 貸出数218,000

2003(H15)年度 貸出数230,000

2008(H20)年度 貸出数152,000

2013(H25)年度 貸出数170,000

2019(R)年度 貸出数2,194,288

 

合計

1998(H10)年度 人口822,812人 貸出数2,318,205

2003(H15)年度 人口813,237人 貸出数2,621,429

2008(H20)年度 人口784,038人 貸出数2,873,571点 

2013(H25)年度 人口755,944人 貸出数2,758,866

2019(R)年度 人口717,480人 貸出数3,172,452

 

県民1人あたり貸出数(未設置町村含む)

1998(H10)年度 2.82点 

2003(H15)年度 3.22

2008(H20)年度 3.67点 

2013(H25)年度 3.65

2019(R)年度 4.42

 

出典:日本の図書館 統計と名簿 電子媒体版 日本図書館協会 19992020

 

61ページ

1−4資料費の推移

高知県立図書館と高知市民図書館の資料費は、オーテピア高知図書館の開館に向けて平成25年度に増額して以降、高い水準を維持しています。しかし、県内市町村立図書館の資料費を見ると、「望ましい基準」の目標基準例に基づき算定した資料費(県内市町村において基準上必要とされる資料費の合計)に対して、40%程度しか充足していません。県内市町村立図書館の資料費に県立図書館の資料費を加えたとしても、都道府県別の資料費(都道府県立図書館と市区町村立図書館の資料費の合計)のランキングにおいて、高知県は40位となっています。

 

@高知県立図書館・高知市民図書館の資料費

高知県立図書館の資料費

決算年度H101998)年度36,247千円 H152003)年度30,151千円 202008)年度25,718千円 H252013)年度80,322千円 H302018)年度108,220千円 

高知市民図書館資料費

決算年度H101998)年度74,557千円 H152003)年度87,427千円 202008)年度60,267千円 H252013)年度72,999千円 H302018)年度82,246千円

出典『日本の図書館 統計と名簿』電子媒体版 日本図書館協会 19992020

 

62ページ

A県内市町村図書館

単位 千円

望ましい規準の目標基準例 人口段階0.8万人未満 自治体あたりの資料費5,993 県内市町村立図書館の資料費決算額H101998)年度18,300 H152003)年度9,343     202008)年度5,850   252013)年度16,070        302018)年度26,696

望ましい規準の目標基準例 人口段階1万人未満 自治体あたりの資料費4,203 県内市町村立図書館の資料費0 0 0 0 0 

望ましい規準の目標基準例 人口段階1.5万人未満 自治体あたりの資料費8,277 県内市町村立図書館の資料費14,044 4,240 2,817 3,207     12,841 

望ましい規準の目標基準例 人口段階2万人未満 自治体あたりの資料費11,159 県内市町村立図書館の資料費18,210 18,355 8,592 15,030 9,389

望ましい規準の目標基準例 人口段階3万人未満 自治体あたりの資料費12,284 県内市町村立図書館の資料費44,910 19,885 22,936 21,029 20,734                           

望ましい規準の目標基準例 人口段階4万人未満 自治体あたりの資料費17,663 県内市町村立図書館の資料費11,951 17,277 15,288 19,449 17,964

望ましい規準の目標基準例 人口段階5万人未満 自治体あたりの資料費18,446 県内市町村立図書館の資料費5,571 0 0     5,528 6,931          

望ましい規準の目標基準例 人口段階6万人未満 自治体あたりの資料費17,665 県内市町村立図書館の資料費0 5,287 4,661 0 0           

人口段階〜6万人未満計 112,986  74,387  60,144  80,313  94,555

望ましい規準の目標基準例 人口段階30万人以上 自治体あたりの資料費89,232 県内市町村立図書館の資料費74,557 87,427 60,267 72,999 82,246

187,543 161,814 120,411 153,312 176,801

出典『日本の図書館 統計と名簿』電子媒体版 日本図書館協会 19992020

 

63ページ

B都道府県別資料費の推移(都道府県立図書館と市区町村立図書館の資料費の合計)

単位 万円

決算年度1998(H10)年度東京540,244 埼玉237,103 大阪220,165 愛知215,269 千葉183,764 神奈川178,722 福岡145,226 北海道139,671 兵庫127,981 静岡112,022 茨城92,348 岐阜76,933 群馬75,974 滋賀74,462 新潟66,456 長野66,264 栃木63,554 広島63,242 三重57,814 京都57,494 岡山55,685 宮城54,092 福島49,952 山梨49,845 奈良49,684 福井44,902 佐賀43,449 石川43,094 鹿児島42,397 山口41,708 熊本38,459 岩手37,984 大分37,767 長崎36,465 富山34,694 香川34,571 愛媛32,411 徳島31,076 青森30,545 沖縄27,936 鳥取26,570 宮崎26,298 山形25,941 秋田24,963 高知22,413 和歌山18,953 島根18,924 3,775,486

2003(H15)年度東京438,013 埼玉236,769 大阪216,771 愛知193,741 千葉183,373 神奈川145,536 福岡130,573 静岡126,325 兵庫121,034 北海道120,964 茨城92,928 滋賀88,521 岡山74,843 長野72,197 群馬68,582 岐阜65,236 新潟59,316 京都59,241 広島55,648 栃木54,487 熊本53,925 山口53,577 宮城53,105 石川50,505 沖縄45,490 長崎44,498 山梨44,210 愛媛43,420 奈良43,292 三重40,589 福島39,268 福井37,619 富山36,553 岩手36,496 佐賀33,988 鹿児島33,983 香川31,843 徳島29,229 島根28,479 青森28,309 宮崎26,657 秋田25,660 鳥取25,148 大分24,674 山形22,801 和歌山20,919 高知19,196  3,577,525

2008(H20)年度東京573,576 愛知191,893 千葉166,919 大阪165,163 埼玉157,625 神奈川121,386 静岡114,257 福岡112,187 兵庫105,618 北海道98,780 茨城85,635 長野79,398 広島64,416 岡山63,491 岐阜60,774 京都57,775 群馬57,685 新潟56,583 滋賀54,208 栃木54,050 山口42,322 愛媛38,766 福井37,520 石川37,269 山梨36,667 長崎36,129 鹿児島35,419 三重35,139 奈良34,857 宮城34,149 佐賀33,946 熊本33,460 福島32,744 富山28,807 沖縄24,225 鳥取23,851 岩手23,374 香川23,126 和歌山22,252 宮崎21,609 大分21,353 青森21,068 山形18,294 徳島17,336 島根16,900 秋田16,034高知14,6133,202,642

2013H25)年度東京463,301

大阪167,963 愛知148,367 埼玉147,431 北海道143,641 千葉132,507 神奈川127,554 静岡102,113 福岡101,825 兵庫94,815 茨城74,480 長野64,464 新潟60,56 3広島57,579 岡山57,125 京都56,658 岐阜55,683 群馬54,660 大分54,128 栃木50,559 滋賀49,518 熊本48,621 山口43,802 長崎42,501 三重40,031 福島38,031宮城35,750 石川34,441 山梨32,421 愛媛31,488 福井31,162 岩手30,816 鹿児島30,49 8奈良28,820 鳥取28,614 富山28,121 島根26,177 佐賀24,619 香川24,163 高知23,363 沖縄22,950 山形21,952 青森20,999 和歌山20,496 宮崎19,375 徳島18,666 秋田15,134 計3,022,079

2018(H30)年度東京461,182 埼玉157,994 愛知149,872 大阪141,712 千葉125,661 北海道115,163 兵庫106,194 福岡98,214 神奈川94,005 静岡89,881 茨城79,474 長野66,137 岡山54,918 群馬54,378 栃木52,720 岐阜51,528 滋賀50,807 京都48,329 広島46,278 新潟46,250 長崎43,012 福島42,804 山口40,936 宮城40,040 熊本37,843 石川36,477 三重32,547 沖縄32,445 愛媛31,167 山梨29,722 福井29,111 富山28,871鹿児島28,683 奈良28,660 岩手28,625 高知28,502 大分28,019 佐賀27,677 鳥取25,853 和歌山24,388 山形23,225 香川23,190 青森22,337 徳島21,348 宮崎20,866 秋田18,658 島根16,582 計2,882,281

出典『日本の図書館 統計と名簿』電子媒体版 日本図書館協会 19992020

集計の際、四捨五入しているので、計と内訳は一致しない場合がある。

 

65ページ

2第2期計画策定の経過

21オーテピア高知図書館サービス計画に基づくアンケート調査の実施

調査内容は、8ページ22オーテピア高知図書館サービス計画に基づくアンケート調査に掲載

調査結果は、67ページ3オーテピア高知図書館サービス計画に基づくアンケート調査 結果の概要に掲載

 

2−2オーテピア高知図書館サービス計画意見交換会の実施

実施状況は、12ページ23オーテピア高知図書館サービス計画意見交換会に掲載

 

2−3図書館協議会の開催

図書館法に基づき、図書館の運営に関し、館長の諮問に応じるとともに、図書館サービスへの意見を述べる機関として設置している高知県立図書館協議会・高知市立市民図書館協議会において、第2期計画について検討を行いました。

 

開催年月日令和2年6月30日火曜日

令和2年度第1回

議事(1)令和元年度事業実績及び令和2年度事業計画について

(2)オーテピア高知図書館サービス計画推進委員会について

オーテピア高知図書館サービス計画進捗状況 ほか

 

開催年月日令和3年3月26日金曜日

令和2年度第2回

議事(1)令和2年度事業実績及び令和3年度事業計画について

(2)オーテピア高知図書館サービス計画推進委員会について

令和2年度オーテピア高知図書館サービス計画サービス指標の状況

オーテピア高知図書館サービス計画』に基づくアンケート調査概要・実施状況

(仮称)オーテピア高知図書館サービス計画(第2期)骨子案(たたき台) ほか

 

開催年月日令和3年6月21日月曜日      

令和3年度第1

議事(1)令和2年度事業実績及び令和3年度事業計画について

(2)オーテピア高知図書館サービス計画推進委員会について

オーテピア高知図書館サービス計画進捗状況(概要)

2期オーテピア高知図書館サービス計画素案 ほか

 

2−4サービス計画推進委員会の開催

図書館専門家2名及び学識経験者2名の委員で構成されるオーテピア高知図書館サービス計画推進委員会において、第1期計画の進捗状況及び評価を踏まえ、第2期計画の策定について、意見をいただきました。

 

開催年月日令和2年6月12日金曜日

令和2年度第1回

議事(1)オーテピア高知図書館サービス計画の取組状況について

(2)次期サービス計画策定に向けたアンケート調査について

アンケート調査概要 ほか

 

66ページ

開催年月日令和2年11月2日月曜日

令和2年度第2回

議事(1)オーテピア高知図書館サービス計画の取組状況について

(2)次期サービス計画の策定について

オーテピア高知図書館サービス計画に基づくアンケート調査概要・実施状況

アンケート調査結果(速報版)

オーテピア高知図書館サービス計画 中間評価

次期サービス計画策定方針(たたき台) ほか

 

開催年月日令和3年3月4日木曜日

令和2年度第3回

議事(1)報告

@オーテピア高知図書館サービス計画の取組状況について

Aオーテピア高知図書館サービス計画意見交換会での主な意見

(2)協議

(仮称)オーテピア高知図書館サービス計画(第2期)の骨子案(たたき台)について

オーテピア高知図書館サービス計画意見交換会 開催状況

オーテピア高知図書館サービス計画意見交換会 主なご意見への対応と第2期計画への反映状況

(仮称)オーテピア高知図書館サービス計画(第2期)の骨子案(たたき台) ほか

 

開催年月日令和3年5月28日金曜日

令和3年度第1

議事(1)オーテピア高知図書館サービス計画の取組状況について

(2)第2期オーテピア高知図書館サービス計画素案について

2期オーテピア高知図書館サービス計画素案

委員からの意見への対応等

 

注釈 令和2年度第3回は、令和2年12月に開催した『オーテピア高知図書館サービス計画』意見交換会の各分野の代表者5名が出席し、意見交換会で関係機関・団体から出された意見の骨子案への反映状況等について協議した。

 

 

2−5意見公募手続(パブリックコメント)の実施

第2期オーテピア高知図書館サービス計画(案)について、県民・市民の皆さまから意見を募集するため、パブリックコメントを実施しました。

     

実施期間令和3年7月6日から令和3年8月5日まで

提出された意見の数名から

 

67ページ

3オーテピア高知図書館サービス計画に基づくアンケート調査 結果の概要

第2期計画を策定するにあたり、第1期計画に基づく取組を分析・評価するとともに、利用者や関係機関・団体等の図書館サービスの満足度やニーズ、図書館の魅力や強みを把握し、サービスの磨き上げや新たなサービス展開の参考とするため、以下5区分による7種類のアンケート調査を実施しました。

 

@利用者満足度調査

対象 図書館の来館者

手法 来館者へのアンケート

実施時期 令和2年9月20日日曜日、9月25日金曜日、9月29日火曜日の3日間

実施状況 配布数:1,500部 回収数:1,403部 有効回収数:1,379部 有効回収率:91.9

 

利用者アンケート回答者の年齢  [利用者満足度調査]

設問内容 年齢をお答えください。

結果 年齢別の割合は、40代が17.0%と一番高くなっており、続いて50代が 16.2%、10代が15.5%、30代が13.7%となっている。

 

68ページ

オーテピア高知図書館の利用目的  [利用者満足度調査]

設問内容 オーテピア高知図書館をおもにどのような目的で利用していますか。

  

年齢別

 

69ページ

職業別

結果 オーテピア高知図書館の利用目的については、全体の半数以上(58.0%)が本や雑誌、CDDVDなどを借りたり返したりするためという回答であった。本を読むため(43.1%)がそれに続き、この二つの回答が多かった。

 

70ページ

オーテピア高知図書館の利用満足度  [利用者満足度調査]

設問内容 オーテピア高知図書館を利用してみて、以下の項目についてどのようにお感じになっていますか。

結果 本の品ぞろえについては、全体の8割を超える利用者が満足していると回答しており、その満足度は高いものといえる。

 

71ページ

オーテピア高知図書館のサービス認知度と利用状況  [利用者満足度調査]

設問内容 オーテピアにはさまざまなサービスがありますがご存知ですか。また、このサービスを利用したことがありますか。

結果 調べものの案内(レファレンスサービス)については、全体の約3割の利用者が知っていて使ったことがあると回答している。知っているが使ったことはないは37.6%、知らないは26.0%という結果であった。

データベースの提供の認知度は、43.9%が知らないと回答し、最も多い結果となった。知っていて使ったことがある利用者は1割程度と少なかった。

 高知県電子図書館は、全体の46.8%がその存在を「知らない」という結果であり、知っていて使ったことがある利用者はわずか5.2%であった。

当館の本や雑誌のバックナンバーをお住まいの近くの図書館を通じて借りるサービスについての全体の認知度は54.2%であり、そのうち実際に使ったことがあると回答した利用者は、18.3%であった。

 

72ページ

オーテピア高知図書館のサービスへの期待度  [利用者満足度調査]

設問内容 図書館が暮らしや仕事で直面する疑問や困りごとの解決に役立ったことがありますか。

結果 オーテピア高知図書館が、暮らしや仕事で直面する疑問や困りごとの解決に役立ったことがあるかについては、56.1%と半数以上の利用者が役立ったことがあると回答している。

一方、役立ったことは「ない」という回答は17.0%であった。わからないという回答が23.8%あったものの、図書館が暮らしや仕事の疑問や困りごとに役立つ存在であることが認められる結果となっている。

 

設問内容 うえの質問であると答えた方におたずねします。どういった事柄に図書館が役に立ちましたか。(複数回答)

結果 オーテピア高知図書館がどういった困りごとに役に立ったかについては、趣味が最も多く、53.7%であった。そのほか、ビジネス(30.1%)、学校の宿題やレポート(27.1%)、病気や健康づくり(23.8%)と続いた。この4項目が比較的多かったものの、ほかにも子育て(14.0%)、語学学習(11.0)など、役に立った項目は多岐にわたり、利用者にとって図書館が様々な疑問や困りごとに役に立っていることが顕著な結果となっている。

 

73ページ

オーテピア高知図書館のサービスへの期待度 [利用者満足度調査]

設問内容 オーテピア高知図書館のこれからのサービスについてどの程度期待しますか。

結果 本や雑誌の品ぞろえに対しては、全体の9割以上が期待し、その期待度は極めて高い結果となった。

電子図書館の品ぞろえに対する期待度は、全体の58.0%が期待するという結果であった。一方、期待しないという回答も12.0%、わからないも20.0%あり、電子図書館に対しては認知度自体の低さが期待度につながっていないものとも考えられる。

図書館の利用方法を学ぶ機会に対する期待度は、全体の58.1%が期待すると回答している。一方、期待しない利用者は14.5%という結果であった。

新しいコミュニケーションツールを活用した調べものの相談に対する期待度は、全体の62.7%が期待すると回答している。

調べものに対応する職員の専門性の向上に対する期待度は、全体の72.0%が期待すると回答している。

 

74ページ

A−1関係機関・団体アンケート(関係機関・団体)

対象 課題解決関連分野の関係機関・団体(ビジネス、農業、産業支援、医療・健康、防災、中心市街地活性化、周辺施設連携等)

手法 郵送

実施時期 令和2年9月18日金曜日から1013日火曜日

実施状況 配布数:90依頼箇所数 回収数:78部 回収率:86.7

 

サービスの認知度と利用状況  [関係機関・団体]

結果 提供しているサービスや取組の認知度、利用の有無を尋ねたところ、知っていて使ったことがあると回答した割合は、チラシやパンフレットの館内配置が34.6%で最も多く、次いで、貸し施設が30.8%、貸し施設でイベントを開催する際の関連本展示が14.1%と続いている。また、知っているが使ったことがないと回答した割合は、データベースの提供が66.7%と最も多く、次いで、調べものの案内(レファレンスサービス)65.4%、貸し施設が62.8%と続いている。知らないと回答した割合は、ブックリストの作成・提供、図書館の活用方法やサービス周知のための講師派遣が66.7%で最も多く、次いで、出前図書館の実施が59.0%と続いている。

 

75ページ

サービスの満足度  [関係機関・団体]

結果 サービスの満足度を尋ねたところ、大いに満足していると回答した割合は、調べものの案内(レファレンスサービス)、貸し施設が75.0%で最も多く、次いで、出前図書館の実施が66.7%、貸し施設でイベントを開催する際の関連本展示が63.6%と続いている。だいたい満足していると回答した割合は、団体貸出サービスが50.0%で最も多く、次いで、貸し施設でイベントを開催する際の関連本展示が36.4%、チラシやパンフレットの館内配置、出前図書館の実施が33.3%と続いている。やや不満であると回答した割合は、貸し施設のみで4.2%となっている。不満であるという回答はなかった。

注釈 有効回答票数が5票未満の項目は省略

 

76ページ

図書館の業務での有用性  [関係機関・団体]

結果 図書館活用は、業務に役立つと思うか尋ねたところ、そう思うが37.2%、おおむねそう思うが47.4%と、役に立つと思うと回答した割合が、84.6%となっている。一方で、思わないという回答はなかったが、あまり思わないが10.3%となっている。

 

 

サービスへの期待 [関係機関・団体]

結果 これからのサービスについてどのようなことに期待するかを尋ねたところ、本や雑誌の品ぞろえが61.1%で最も多く、次いで、図書館の場や資源を活用した広報活動が34.7%、特に資格取得や学び直しに役立つ本や雑誌の品ぞろえ、セミナーや相談会での連携が33.3%と続いている。

 

77ページ

A−2関係機関・団体アンケート(学校)

対象 高知県立学校(中学校、高等学校)、高知市立学校(小学校、中学校、義務教育学校)、高知大学附属学校(小学校・中学校)、学校法人(県内に所在する小学校、中学校、高等学校の設置母体)

手法 郵送

実施時期 令和2年9月18日金曜日から1013日火曜日

実施状況 配布数:110依頼箇所数 回収数:99部 回収率:90.0

 

サービスの認知度と利用状況 [関係機関・団体_学校]

結果 提供しているサービスや取り組みの認知度、利用の有無を尋ねたところ、知っていて使ったことがあると回答した割合は、学校見学の受け入れが44.4%で最も多く、次いで、団体貸出サービスが39.4%、貸し施設が33.3%と続いている。知っているが使ったことがないと回答した割合は、データベースの提供が79.8%で最も多く、次いで、調べものの案内(レファレンスサービス)、貸し施設が63.6%、視聴覚機材の団体貸出が61.6%と続いている。知らないと回答した割合は、貴重資料の画像データの提供が44.4%で最も多く、次いで、児童図書選定支援コーナーが35.7%、視聴覚機材の団体貸出が34.3%と続いている。

 

78ページ

サービスの満足度 [関係機関・団体_学校]

結果 サービスの満足度を尋ねたところ、大いに満足していると回答した割合は、貸し施設が83.3%で最も多く、次いで、学校見学の受け入れが60.0%、調べものの案内(レファレンスサービス)41.9%と続いている。だいたい満足と回答した割合は、団体貸出サービスが59.0%で最も多く、次いで、調べものの案内(レファレンスサービス)58.1%、児童図書選定支援コーナー、データベースの提供が50.0%と続いている。やや不満と回答した割合は、児童図書選定支援コーナーが12.5%で最も多く、次いで、団体貸出サービスが5.1%、貸し施設が3.3%と続いている。不満と回答した割合は、児童図書選定支援コーナーが12.5%で最も多く、次いで、学校見学の受け入れが2.5%となっている。

注釈 有効回答票数が5票未満の項目は省略

 

79ページ

サービスへの期待 [関係機関・団体_学校]

結果 これからのサービスについてどの程度期待するかを尋ねたところ、大いに期待と回答した割合は、本や雑誌、新聞の品ぞろえが86.6%で最も多く、次いで、ブックリストの充実が72.4%、所蔵資料などを活用した探求的な学習の場の提供が60.2%と続いている。まあまあ期待と回答した割合は、図書館司書による教職員を対象とした図書館活用方法の説明が48.5%で最も多く、次いで、新しいコミュニケーションツールを活用した調べものの相談」が48.0%、調べものの相談に対応する職員の専門性向上が43.3%と続いている。あまり期待しないと回答した割合は、図書館司書による教職員を対象とした図書館活用方法の説明が6.2%で最も多く、次いで、図書館司書による学校図書館の運営やサービスについての相談が4.1%、児童・生徒を対象とした出前講座、新しいコミュニケーションツールを活用した調べものの相談、調べものの相談に対応する職員の専門性向上が3.1%と続いている。

 

80ページ

Bバリアフリーサービスアンケート

対象 図書館サービスに障害のある人

手法障害者等関係団体・施設(92箇所)への協力依頼

実施時期 令和2年9月23日火曜日から1013日火曜日

実施状況配布数:1,000部 回収数:610部 回収率:61.0

 

バリアフリーサービスの認知度と利用度 [バリアフリーサービス]

サービスの内容

対面音訳サービス

宅配貸出サービス

録音・点字図書郵送貸出サービス

サピエ図書館の利用(点字図書や録音図書などをパソコンやスマートフォンなどにダウンロードして読んだり、貸出しも申込みができるインターネット上のサービス)

結果 オーテピア図書館と、高知声と点字の図書館のバリアフリーサービスの認知度、利用の有無について尋ねたところ、知らないが69.3%で最も多く、次いで、知っているものがあるが、利用したことがないが21.6%、知っているものがあり、利用したことがあるが9.1%となっている。

 

81ページ

バリアフリーサービスの満足度 [バリアフリーサービス]

結果 バリアフリーサービスの満足度を尋ねたところ、大いに満足していると回答した割合は利用方法の案内のわかりやすさが26.2%で最も多く、次いで、イベントなどの情報発信が23.7%、やさしい(わかりやすい)本やマンガの品ぞろえが22.0%と続いている。だいたい満足していると回答した割合は、点字図書の品ぞろえが31.7%で最も多く、次いで、利用方法の案内のわかりやすさが31.0%、録音図書の品ぞろえが28.9%と続いている。やや不満であると回答した割合は、利用方法の案内のわかりやすさが11.9%で最も多く、次いで、イベントなどの情報発信が10.5%、録音図書の品ぞろえが5.3%と続いている。大いに不満であると回答した割合は、録音図書の品ぞろえが5.3%と最も多く、次いで、利用方法の案内のわかりやすさが4.8%、イベントなどの情報発」が2.6%と続いている。

 

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バリアフリーサービスを利用しない理由 [バリアフリーサービス]

問5で知っているものがあるが、利用したことがないと回答した方に、バリアフリーサービスを利用しない最大の理由を尋ねたところ、図書館に行くことが難しいが28.1%で最も多く、次いで、図書館を利用する必要がないが14.9%、その他が13.2%と続いている。

 

情報の入手方法 [バリアフリーサービス]

結果 暮らしや仕事で必要な情報をどこから入手しているかを尋ねたところ、テレビが70.8%で最も多く、次いで、家族・知人が62.7%、新聞・雑誌・本の購入が40.0%と続いている。

 

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C行政職員アンケート

対象 高知県・高知市の職員

手法 行政端末のアンケートシステム

実施時期 令和2年1019日月曜日から1031日土曜日

実施状況 対象数:約8,200人 回収数:1,715部 回収率:約20.9%   

注釈 個人端末を有しない職員もいるため、回収率は概数の扱いとする。

 

共通利用カードの有無  [行政職員]

結果 オーテピア高知図書館・高知市民図書館分館室の共通利用カードの有無について尋ねたところ、持っているが45.8%、持っていないが53.1%、わからないが1.1%となっている。

 

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サービスや取り組みの認知度と利用度  [行政職員]

結果 提供しているサービスや取り組みの認知度、利用の有無を尋ねたところ、知っていて使ったことがあると回答した割合は、貸し施設が28.1%で最も多く、次いで、チラシやパンフレットの館内配置が13.0%、調べものの案内(レファンレスサービス)7.0%と続いている。知っているが使ったことがないと回答した割合は、貸し施設が52.8%で最も多く、次いで、調べものの案内(レファンレスサービス)48.3%、チラシやパンフレットの館内配置が38.4%と続いている。知らないと回答した割合は、ブックリストの作成・提供が82.6%で最も多く、次いで、図書館活用方法の説明のための講師派遣が82.3%、貴重資料の画像データの提供が78.9%と続いている。

 

85ページ

情報の入手方法  [行政職員]

結果 仕事で必要な情報をどのように入手しているか尋ねたところ、インターネットの閲覧が98.6%で最も多く、次いで、個人で書籍・新聞・雑誌を購入が49.9%、所属で業務用の書籍・新聞・雑誌を購入が31.1%と続いている

 

図書館活用の役立ち [行政職員]

結果 図書館の活用は、仕事や勤務先(所属)の業務に役立つか尋ねたところ、そう思うが31.1%、おおむねそう思うが41.6%、あまり思わないが13.9%、思わないが1.9%、わからないが11.5%となっている。

 

86ページ

役立たないと思う理由 [行政職員]

結果 問8であまり思わない 思わないと回答した方に、役立たないと思う理由を尋ねたところ、図書館の利用以外の方法で、必要な資料・情報を得ることができるが37.6%で最も多く、次いで、図書館を利用して、必要な資料・情報を探す時間がないが16.9%、仕事や勤務先(所属)の業務に図書館がどう役立つか、想像がつかないが13.5%と続いている。

 

87ページ

サービス期待度 [行政職員]

結果 オーテピア高知図書館のこれからのサービスについて、どのようなことを期待するか尋ねたところ、本や雑誌の品ぞろえが64.4%で最も多く、次いで、電子図書館の品ぞろえが29.0%、図書館を業務に生かすための活用方法を選ぶ機会が20.7%と続いている。

 

88ページ

D−1市町村支援アンケート(市町村立図書館)

対象 市町村立図書館

手法 メール等

実施時期 令和2年1016日金曜日から1026日月曜日

実施状況 配布数:30依頼箇所数 回収数:30部 回収率:100

 

支援の利用状況 [市町村立図書館]

設問内容 オーテピア高知図書館が実施している以下の支援を利用したことがありますか。

支援の利用度を尋ねたところ、協力貸出が86.7%、資料の検索や借受依頼を行うための横断検索・相互貸借システムが90.9%、資料を送付するための物流サービスが96.7%となっている。

 

89ページ

支援の満足度  [市町村立図書館]

設問内容 よく利用する ときどき利用すると答えた項目についてお尋ねします。利用してどのようにお感じになりましたか。

結果 利用している支援の満足度を尋ねたところ、物流サービスが96.7%で最も高く、横断検索・相互貸借システムが96.4%、協力レファレンスが93.8%、協力貸出が93.1%となっている。

 

支援の期待度  [市町村立図書館]

設問内容 オーテピア高知図書館に、今後どのようなことを期待しますか。

結果 今後期待する支援について尋ねたところ、本の品揃えの充実が93.3%、日常業務に関する相談が70.0%となっている。県内で実施する研修は60%を越えているが、県外研修への参加助成は40%となっている。

 

90ページ

各館・室におけるサービスの実施状況  [市町村立図書館]

設問内容 あなたの図書館では、現在、以下のサービスを実施していますか。

結果 各図書館でのサービスの実施度について尋ねたところ、趣味や生活を楽しむ資料の収集・提供が76.7%で最も高くなっている。ほとんど実施していないサービスは障害者サービスが73.3%、外国人を対象としたサービスが76.7%となっている。

 

各館・室で今後重視して実施する予定のサービス  [市町村立図書館]

設問内容 あなたの図書館では、今後(概ね5年程度)、以下のサービスについてどの程度重視して実施する予定ですか。

結果 各図書館が今後重視するサービスについて尋ねたところ、児童へのサービスが66.7%と最も高く、次いで趣味や生活を楽しむ資料の収集・提供が60%となっている。

 

91ページ

市町村の重要施策のうち図書館で取組をしているもの、または取り組みたいもの  [市町村立図書館]

設問内容 あなたの市町村の重要施策のうち、図書館でも取組みをしているもの、または今後取り組みたいものがありますか。

結果 各市町村の重点施策のうち、図書館でも取り組みたいテーマを尋ねたところ、子育て世代への支援が33.3%、集落の活性化が23.3%、学校教育の充実が20%となっている。

 

92ページ

D−2市町村支援アンケート(図書館未設置町村の図書室等)

対象 図書館未設置町村の図書室等

手法 メール等

実施時期 令和2年1016日金曜日から1026日月曜日

実施状況 配布数:14依頼箇所数 回収数:14部 回収率:100

 

支援の利用状況 [図書館未設置町村の図書室等]

設問内容 オーテピア高知図書館が実施している以下の支援を利用したことがありますか。

結果 支援の利用度を尋ねたところ、物流サービスが85.7%と最も高く、次いで移動図書館による貸出が83.3%となっている。

 

93ページ

支援の満足度 [図書館未設置町村の図書室等]

設問内容 よく利用する ときどき利用する と答えた項目についてお尋ねします。利用してどのようにお感じになりましたか。  

結果 利用している支援の満足度を尋ねたところ、物流サービスが92.3%、業務相談・業務支援が90.9%、新刊情報誌の提供等の選定支援が83.3%の順に高くなっている。

 

県立図書館への期待度 [図書館未設置町村の図書室等]

設問内容 オーテピア高知図書館に、今後どのようなことを期待しますか。

結果 今後期待する支援について尋ねたところ、移動図書館の運行・搭載する本の充実」が78.6%と最も高く、次いでオーテピアの本の充実 市町村支援用のセット貸出資料の充実 が42.9%となっている。

 

94ページ

各室で今後力を入れたいと考えている取組 [図書館未設置町村の図書室等]

設問内容 あなたの図書室についてお尋ねします。以下の項目の中で、今後、力を入れたいと思う取組みがありますか。

 

結果 各図書室で力を入れたい取組みを尋ねたところ、日常的に楽しめる本の購入・貸出が92.9%と最も高くなっている。次いで児童へのサービスが35.7%、高齢者の活動の場の提供、子育て世代の活動の場の提供が35.7%となっている。

 

95ページ

4用語説明

あ行

アウトリーチ/アウトリーチ・サービス

説明 図書館の館内でサービスを提供するだけでなく、図書館の外に出向いて積極的にサービスを提供すること。

 

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)

説明 フェイスブックなどの人とつながり、それを活用できる情報サービスのこと。

 

絵本の読み聞かせや図書の紹介等

説明 ブックトークやストーリーテリング(物語を覚えて語ること)など。

 

LLブック

説明 知的障害や発達障害、失語症、聴覚障害等、読むことが難しい方向けに作られた、写真や絵、絵文字、短い言葉等で構成された本。LLはスウェーデン語のLättläst(やさしく読みやすい本)の略。

LGBTQ   L(レズビアン)G(ゲイ)、B(バイセクシュアル)、T(トランスフェンダー)、Q(クエスチョニング、クィア)の頭文字をとった表現で、性的少数者の総称。

 

か行

貴重資料

説明 古文書や古記録等、歴史的に貴重な資料。

 

協力貸出

説明 県立図書館が市町村立図書館等に対して行う資料の貸出しのこと。

 

高次脳機能障害

説明 交通事故や脳血管障害等で脳が衝撃を受けたことで起こる、認知障害や行動障害など。

 

さ行

サピエ図書館

説明 全国視覚障害者情報提供施設協会が運営する、日本最大の録音・点字図書等を提供するネットワーク。視覚障害者や、視覚による表現の認識に障害のある方々が利用できる。音声デイジー・データ5万タイトル以上、点字データ16万タイトル以上のほか、全国の点字図書館が所蔵するデータ89万タイトル以上がリクエストにより利用できます。

 

情報リテラシー

説明 情報を客観的に判断するとともに、自己の目的に適合するように活用できる能力のこと。

 

資料

説明 図書や雑誌、新聞、パンフレット、地図、DVD、CDなどのこと。

 

ストーリーテリング

説明 語り手が物語を覚えて、聞き手に語ること。

 

相互貸借

説明 図書館の間で、お互いに所蔵していない資料の貸し借りを行うこと。

 

96ページ

た行

データベース

説明 特定の情報を編集や加工、蓄積して、コンピュータによる検索等を容易にできるようにしたもの。

 

デイジー

説明 視覚障害者や高齢者、ディスレクシア(知的な遅れはないが、読んだり書いたりすることが苦手な人たちのこと)など、印刷物を読むことが困難な方々のためのデジタル図書の国際標準規格。

 

ディスレクシア

説明 全般的な知的発達に問題はないが、特に読み書きなどに困難を伴う方のことです。文章を見ると波打ったり、左右対称に見えるなど、文字情報の読解に困難を伴います。

 

デジタル化

説明 オーテピア高知図書館サービス計画では、紙に印刷された情報や写真のネガ・プリントなどの画像を、コンピュータで表示・取り扱いのできる形で作成、または変換するという意味で使っています。作成されたデータは、コンピュータ上で検索や閲覧等を容易に行うことができます。

 

デジタル資料

説明 情報をコンピュータで取り扱える形式(デジタル方式)に変換した資料又は元からデジタル方式で作成された資料。

 

デジタルファースト

説明 デジタル手続法により、行政手続きを原則、電子申請によって行うこと。

 

は行

パスファインダー

説明 あるテーマに関する資料や情報を探すための手段を簡単にまとめたもの。

 

バリアフリー図書

説明 文字による読書が困難な方も利用しやすい図書のことで、大活字本、LLブック、デイジー、布絵本等がある。

 

ビブリオバトル

説明 書評合戦。1人5分の持ち時間で、1冊の本について語ることによって進め、2〜3分のディスカッションの時間をとる。最後に参加者全員で、自分も読みたくなったともっとも思ったものに投票を行い、勝者を決めます。

 

ブックトーク

説明 テーマやトピックを決めて、それに沿ったいくつかの本を聞き手に紹介すること。必ずしも本の全部を読まないところが、読み聞かせと異なります。

 

ブックリスト

説明 あるテーマに関する資料の情報をリストにまとめたもの。

 

ま行

無線LAN

説明 無線通信を利用してデータの送受信を行うLANシステムのこと。

 

ら行

ラーニング・コモンズ

説明 利用者が、図書館等の資料を活用し、自由に学習したり、議論をし合うなど、さまざまな交流や活動を行う場のこと。

       

97ページ

利用制限付き録音図書

説明 著作権法により、市販の本を点訳や音訳(デイジー含む)、テキスト・データ化した資料は、その使用が視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者に制限されています。オーテピア高知図書館では、図書館利用に障害のある人に対し、事前登録すれば、これらの資料が利用できる仕組みを構築します。

 

レファレンス/レファレンス・サービス

説明 利用者の問合せに図書館資料(図書や雑誌、新聞、データベースなど)を案内したり、図書館資料に基づいて回答すること。

 

レファレンス協同データベース

説明 国立国会図書館が、全国の主要な図書館のレファレンス回答結果をウェブ・サイトで検索、閲覧できるようにしたもの。

 

レフェラル・サービス

説明 レファレンス・サービスのみでは不十分な場合、利用者が必要とする情報の情報源となりうる人もしくは機関・組織を紹介するサービスのこと。