第2期オーテピア高知図書館サービス計画(案)の概要 ■期間:R4~R8(第1期:H29~R3)  ■策定:R3.9(予定) 意見公募 第1期計画(H29~R3)の評価 ○平成26年度 必要な情報が十分に得られる状況にない。 年間個人貸出点数:519,892点 年間レファレンス件数:23,989件 県民一人あたりの貸出点数:年3.7点 年間入館者数(県市合計):620,158人 可住面積あたりの書店数:全国37位(H26) 県内図書館蔵書総数(H25):高知:2,833千冊 徳島:3,815千冊 香川:4,103千冊 愛媛:4,783千冊 ○平成30年度 オーテピア開館 ○令和2年度 年間個人貸出点数:1,018,409点 目標値:110万点 年間レファレンス件数:26,530件 目標値:3万件 県民一人あたりの貸出点数:年4.4点(R元 目標値:4.2点 年間入館者数(オーテピア全体):707,197人 目標値:100万人 注)R2は新型コロナウイルスの影響等により32日間休館 国民一人あたりの貸出点数年5.13点(R元) 課題解決に向けたさらなる取組が必要 検証と課題の抽出 ■サービス計画アンケート調査(R2.9~10) 対象:利用者、関係機関・団体、学校、市町村立図書館、行政等 見えてきた主な課題:本の品揃えの期待、レファレンス・サービス等の認知度不足 など ■関係機関・団体との意見交換の実施(R2.12.7及び12.14実施) 4分野(商工・農林水産、健康・福祉、防災、中心市街地活性化への寄与・ 周辺施設との連携) 見えてきた主な課題:ニーズに即した資料・情報提供の強化や図書館と連携した取組への期待 など ■全国データによる分析 見えてきた主な課題:県民一人あたり貸出点数が国民平均以下。市町村における県立図書館の蔵書依存度が高い。など 高知県全体の受入図書(冊数)に占める県立図書館の割合:26.2%(H30) ※全都道府県平均:約9.3% 第2期計画で解決すべき課題 ① 図書館サービスの認知度向上、利用促進 レファレンス・サービスやデータベースの利用促進 等    ② 社会情勢の変化や地域課題への対応 「ポスト・コロナ」に向けた対応 等 ③ デジタル化のさらなる進展への対応 ICTやAI等の技術向上に対応したサービスの進化 ④ 連携強化を通じた図書館と各種団体等双方の機能の向上 団体・機関等と協働したサービスの向上 等 ⑤ 県市両図書館の独自機能の向上 県民一人あたりの貸出点数の向上 [県]市町村立図書館等の活性化に向けた側面支援の強化 等 [市]分館・分室、移動図書館のさらなる利用促進と学校ニーズに即した資料提供強化 第2期計画策定にあたっての基本的考え方の方向性 第1期計画期間中に得られた成果を踏まえ、サービス計画の基本理念及び基本方針を継承しつつ、見えてきた課題に対応するため、取組のさらなる強化や見直しを図る。 基本理念 これからの高知を生きる人たちに力と喜びをもたらす図書館 基本方針 1 情報提供機関として地域を支える図書館 2 県民・市民の資料要求に応え、課題解決の支援ができる図書館 3 セーフティネットの役割を果たす図書館 4 図書館利用に障害のある利用者に配慮した図書館 5 進化型図書館 ◆ 県市両図書館の独自機能のさらなる向上 SDGsを意識した取組の推進 基本理念・基本方針を継承・発展 第2期計画で強化・充実させるポイント(主なもの) 1 オーテピア高知図書館の基礎的サービスの充実 (横断的取組) 電子図書館等の非来館型サービスの拡充 マンガや動画を活用したレファレンス・サービスPRの強化 図書館司書の専門性を生かした図書館活用講座等の拡充 ICTやAI技術をサービスに取り入れることを積極的に検討 2 地域を支える情報拠点機能・課題解決支援機能の充実 転職・転業や資格取得等に関する資料・情報提供の強化 他機関との連携による移住希望者への情報発信の強化 専門機関との連携による社会的課題についての啓発の強化 3 利用者に応じた対象別の図書館サービスの充実 専門機関と連携した不登校の生徒等への学習機会提供の充実 やさしい日本語による在留外国人への情報活用サポートの強化 訪問等による障害のある利用者へのサービス周知の強化 4 連携・支援及び図書館の活用・強化 [県]市町村立図書館等のサービス向上に向けた支援の強化 [市]市民図書館全館が一体となった利用者ニーズに沿った市内全域サービスのさらなる拡充 教育・研究機関等のニーズに応じた資料・情報提供の強化 サービス提供体制の強化・充実 1 サービス提供の基盤となる資料・情報の充実と司書の専門性の向上 2 サービスの普及・啓発(連携・広報) 3 ボランティアや民間等との連携・協働 ※第2期計画で新たに盛り込まれた取組 4 業務継続計画(BCP)の策定 ※第2期計画で新たに盛り込まれた取組 第2期サービス指標 年間個人貸出点数:115万点(第1期:110万点) 年間レファレンス件数:31,000件(第1期:3万件) 県民一人あたりの貸出点数:年5.2点(第1期:4.2点) 年間入館者数(オーテピア全体:100万人(第1期100万人) <今後のスケジュール>(予定) 6月  定例教育委員会(県・市) 市議会(経済文教委員会) 7月  県議会(総務委員会) パブリックコメント 8月 県市図書館協議会・サービス計画推 進委員会への最終案提示 9月から10月 定例教育委員会(県・市) 県議会(総務委員会) 市議会(経済文教委員会) 第2期オーテピア高知図書館サービス計画で強化・充実させるポイント(案) 参考資料 1 オーテピア高知図書館の基礎的サービス(横断的な取組) 強化・充実のポイント 電子図書館等の非来館型サービスの拡充 マンガや動画など、多様な広報手段によるレファレンス・サービスのPR 図書館司書の専門性を生かした図書館活用講座等の開催 情報の探索・収集にとどまらず、情報の評価・選択、整理、活用までを射程に置いた体系的な情報リテラシー向上支援のプログラム提供 具体的な施策の概要 (1)資料情報の提供(貸出し・閲覧・予約・レファレンス) 一般図書は、国内年間出版点数の5割以上を目指して収集 雑誌や新聞は、一般的なものだけではなく、専門的なものも含めて2,000タイトル以上を収集 電子書籍サービスのさらなる充実 レファレンス・サービスについて、ウェブ・サイト、ブログやFacebookなどのSNS、チラシ配布、出前図書館に加え、動画やマンガを活用した分かりやすく具体的なPR活動の実施 (2)情報リテラシーの向上支援 図書館の活用法や蔵書検索、ウェブ・サイトでの情報検索、情報の収集と活用技術等について、年代や対象に応じた図書館活用講座の開催 情報リテラシーが身に付くよう、各種のパスファインダー(テーマごとの情報の探し方案内)を作成・提供 【写真】レファレンスの様子 2 地域を支える情報拠点機能・課題解決支援機能の充実 強化・充実のポイント 転職・転業や資格取得等の資料・情報提供の強化 他機関との連携による移住希望者を対象とした情報発信 専門機関との連携強化によるサービス拡充と社会的課題についての啓発 庁内職員対象の図書館活用講座の実施による検索技術の向上 関係機関等との情報共有による高知県関係資料の散逸防止 具体的な施策の概要 (1)ビジネス支援サービス 観光や移住、アフターコロナでニーズが高まる起業や転職、資格取得等の資料・情報を重点的に収集・提供 図書館で得た情報がビジネスに役立った事例をさまざまな媒体でPR (2)健康・安心・防災情報サービス アルコール依存症やひきこもりなどの社会的な課題に対応した資料の収集・提供 他機関と連携し、がんやひきこもり、防災などの社会的課題を理解し、県民・市民の抱える課題の解決につながるイベントや相談会の開催 (3)行政支援サービス 情報を探す方法、情報の信頼性を確かめる方法などを習得するための図書館活用講座の開催 図書館の活用に向けた提案やサービスの周知を積極的に実施(アウトリーチ・サービス) (4)高知県関係資料の収集・保存・提供 関係機関等との情報共有や収集の分担・調整により高知県にとって必要な資料の散逸を防止 貴重資料等をデジタル化してウェブ・サイトで公開し、利用機会の拡大・原資料を保護 【写真】がん患者の感じるコロナウイルスへの不安について(展示説明) 3 利用者に応じた対象別の図書館サービスの充実 強化・充実のポイント 「子育て応援コーナー」での情報提供の強化 専門機関との連携による不登校の生徒等を対象とした学習機会の提供 やさしい日本語等による在留外国人への情報活用のサポート 知的障害者等を対象としたやさしい読み上げサービスの検討 関係団体等への訪問等による障害のある利用者へのサービス周知 具体的な施策の概要 (1)児童サービス 動画やパスファインダーなどの多様な手段による子どもたちの情報リテラシーの学習機会の提供 「子育て応援コーナー」から各コーナーの子育て支援に関連する資料・情報へ案内するためのブックリストの作成・提供 (2)ティーンズ・サービス 県内各地の中高生世代と協働して読書推進活動を実施するため「オーテピア・ティーンズ部」の部員公募 専門機関との連携による不登校等のさまざまな事情を抱えるティーンズへの学びの機会の提供 (3)多文化サービス ことばによる情報格差に配慮し、外国語ややさしい日本語を使った利用案内の作成・提供 役立つ情報を集めたパスファインダー、リンク集の提供や、やさしい日本語を使った館内ツアーによる情報活用のサポート (4)図書館利用に障害のある人へのサービス 知的障害者等を対象とした、資料を分かりやすく読み伝えるサービス(代読サービス)の検討 学校・施設、関係団体等への訪問等や多様な媒体の活用によるサービスの周知 【写真】県内在留外国人等を対象としたオーテピア館内ツアー 【写真】出前図書館(講座等のテーマに合った本を会場で貸し出すサービス) 4 連携・支援及び図書館の活用 強化・充実のポイント [県]動画配信等を活用した研修機会の提供と協力貸出用資料の充実 [県]市町村立図書館等での課題解決支援サービス創出への支援 [市]職員の調査支援能力等の向上を受けて分館・分室・移動図書館が一体的に実施する、利用者のニーズに沿った市内全域サービスの拡充 [市]市内小中学校のニーズと実態に即したきめ細かな資料提供と支援 [県]積極的な学校訪問による学校のニーズの把握 ブログでの学校図書館に役立つ情報発信 教育・研究機関等のニーズに応じた資料・情報の提供 商店街や宿泊施設等への団体貸出の実施に向けた検討 具体的な施策の概要 (1)市町村立図書館等への支援(県立図書館機能) 経験年数に応じた階層別の研修やニーズの多いテーマの研修の実施による人材育成。動画配信等を活用した図書館職員のための学習機会の提供 住む場所に関わらず、県民が等しく、必要な図書館サービスが受けられるよう協力貸出用資料の充実 市町村立図書館等での課題解決支援サービスの創出に向けた事例紹介や提案等による支援 (2)高知市全域サービスの拠点(市民図書館機能) 分館・分室等においても、利用者の求める課題解決支援を十分に行うため、職員の資質向上に役立つ研修等を実施 市内の小中学校や義務教育学校、特別支援学校に対する単元に即した資料の収集と貸出 学校図書館支援員の能力向上を目的とする研修の実施 (3)県立学校図書館等との連携・協力(県立図書館機能) 積極的な学校訪問によるサービスの周知や学校司書等との連携関係の構築 学校図書館等の要望に応じた読み聞かせ講座や図書館活用講座の実施 (4)大学等の教育・研究機関等との連携・協力 ニーズに応じて、団体貸出等の方法による資料の提供 (5)中心市街地活性化への寄与・周辺施設との連携 商店街や宿泊施設等への団体貸出について、ニーズに応じて実施に向けた検討 【写真】セット貸出し(例)「アクティブラーニング」 【写真】「高知まちゼミ」に参加 【写真】高知農業高等学校図書部との連携展示 サービス提供体制の強化・充実のための取組 強化・充実のポイント 資料・情報の充実と司書の専門性の向上 サービスの普及・啓発(連携・広報) ボランティアや民間等との連携・協働 業務継続計画(BCP)の策定 具体的な施策の概要 (1)資料・情報の充実と司書の専門性の向上 ■資料・情報の充実【一部再掲】 一般図書は、国内年間出版点数の5割以上を目指して収集  雑誌や新聞は、一般的なものだけではなく、専門的なものも含めて2,000タイトル以上を収集 電子図書館で提供するコンテンツの充実 視聴覚資料やデータベース、デジタル化した資料などの電子媒体の資料の充実 必要な予算の確保 ■司書の専門性の向上 接遇研修の継続的な実施 国立国会図書館等が行う専門研修への参加 先進図書館の取組事例の調査等の実施 専門機関等と連携した職場研修の実施 専門機関等のセミナーや講座等への職員の参加 (2)サービスの普及・啓発(連携・広報) SNS等のさまざまな広報媒体を活用し、積極的に情報を発信 対象を絞ったプッシュ型の広報でサービスのPRを強化 図書館の活用事例を活用した分かりやすい広報の実施 相互の信頼関係に基づく、各種団体・関係機関とのネットワークの構築・拡大 各種団体・関係機関との協働事業の実施 (3)ボランティアや民間等との連携・協働 ボランティア等の積極的な受入れ 図書館が活用できる民間等の人材や外部資金について研究 (4)業務継続計画(BCP)の策定 【写真】データベース 【写真】オーテピア高知図書館 【写真】春野高等学校から布絵本の寄贈