令和元年度 第1回 高知声と点字の図書館運営協議会                日時:令和元年10月29日(火曜日)                   午後7時から9時まで                場所:オーテピア4Fホール 出席者 【委員長】  高知県社会福祉協議会 常務理事 福島 寛隆 【副委員長】  高知県眼科医会 会長 田内 芳仁 【委員】  有識者 上田 真弓  点訳ボランティア団体 高知ブライユの会 代表 小野 ちづる  高知県身体障害者連合会 視覚障害生活訓練指導員 金平 景介  高知県視覚障害者協会 会長代理 片岡 義雄  高知県視力障害者の生活と権利を守る会  正岡 光雄  音訳ボランティア団体 高知朗読奉仕者友の会 会長 松田 光代  高知県立盲学校 校長 八木 千晶  (欠席)NPO高知県肢体障害者協会 会長 森下 昭仁 【事務局】  声と点字の図書  館長  坂本 康久           副館長 青木 照子           係長  青木 利恵     【事務局関係機関】  高知市教育委員会 市民図書館長 貞廣 岳士  高知県教育委員会 高知県立図書館長 渡辺 憲弘  高知県地域福祉部 障害福祉課 課長 西野 美香  高知県地域福祉部 障害福祉課 課長補佐 上田 一彦      1 挨拶 (館長) 2 議事    議事1 点字図書館実態調査について(報告)       (事務局より報告) 福島委員長:  ただいまの説明につきまして,ご質問等があればお願いいたします。ご発言の前にはお名前をおっしゃっていただきますようお願いいたします。それでは,よろしくお願いします。 委員:  1番の,人口10万人当たりの登録者数というところで,視覚障害者手帳の所持者数を知りたい,この手帳所持者数がどう影響したか,手帳所持者の登録割合を見てみたいという感想を持ちました。  また,この結果を受けて図書館としてどう考えられたか,館長のご意見をお聞かせ下さい。 事務局:  館長の坂本です。この実態調査は,他の点字図書館と当館を比較することで,より当館の実態を知っていただくために調査したものです。  それで,まず先ほどの視覚障害者数ですが,そこも評価に入れようかと思ったのですが,今,広く様々な障害の方に対象者も広がったので,あえて人口ということにしまして,視覚障害者数はまたすぐ分かることですので,そちらはまた後日お示ししたいと思います。  感想ですが,全国の点字図書館ではまだまだ視覚障害者以外の方へのサービスというのはほとんど行われていないのが実情だなというところです。それともう一つは,積極的に障害者や障害関係施設等に働きかけている図書館がちょっと少ないなという印象を受けています。そういう意味で,先日の全国点字図書館大会でも言ったのですが,点字図書館が,様々な障害者にもっと利用してもらえるようになれれば,地域の読書困難な住民の皆さんの読書機会がさらに広がるのではと思いましたし,その意味で,当館はよくやっているという気がしていますけれども,まだまだこれからだなということも思っています。 委員:  こういう克明な記録は,高知の状況,全国の状況がよく分かってとても素晴らしいと思います。これを見ていきますと,いろいろと特徴があるということで,登録率(人口10万人あたり)では徳島に次いでいい,それから視覚障害者以外の登録率では高知がトップ,新規登録率でも高知がトップ。  貸出数(個人登録者1人あたり)は,高知が7位,これは愛媛や香川よりも遅れている,カセットが6位,これが愛媛や香川より遅れている,音声デイジーは2位で優れているということですが,サピエ図書館個人会員の登録割合では高知が7位,愛媛や香川より遅れている,図書制作数では点字図書が4位で香川より進んでいる,音声でいくと高知が12位で香川や愛媛より遅れている。このように登録の面では結構いいところをいっている,それからボランティアの活動面でも高知はいい,ただ利用の面でいくと対面音訳はトップですが,あとの面でいくとあまり利用が進んでいない,愛媛や香川より後を行っているということで,この辺がどういうことかなということです。  図書館の情報が,やはりみんなに届いていないというところがあるんですね。広報誌すばるなんかは,ごく一部の人しか利用していないわけですから,もっと高知の人に情報が届くということが利用の活性化に繋がると思うんですね。ということで,この利用が愛媛や香川より遅れているという点についてお聞きしたいと思います。 事務局:  名古屋市鶴間中央図書館の点字文庫の点字図書や,音声デイジーは島根ライトハウスなど,1人当たりの貸出数が非常に多いということで,この辺はこういった先進施設の事例なども参考にして,取り組み状況などをお聞きし活かしていきたいと思います。 委員:  二つほどお伺いしたいのですが,このデイジー図書の再生機の貸出に関して,保有台数が高知声と点字の図書館が圧倒的なのですが,その内容は,寄付によるところなのでしょうか。そして,その活用はどの程度されているのでしょうか。 事務局:  去年,さくらライオンズクラブさんから当館と高知図書館に46台のプレクストークをご寄付いただきました。最初に購入したものが60台ありまして,合計106台あります。そのうち,現在個人,団体に72台を貸出しています。  デイジー図書再生機は,ほとんどの方はお持ちでないので,録音図書(デイジー図書)を利用して頂くには必須のアイテムです。残りが約30台ぐらいですが,来年度には補充が必要であるという状況です。 委員:  それで,他県がえらく少ないというのはどういうことなのでしょうか。 事務局:  他県ではデイジー再生機を持っている人にしかデイジー図書を貸していないという状況だと思います。というのは,デイジー再生機は4万8千円と高額で,視覚障害の1,2級の方は一割負担,あるいは非課税の方は無料で購入できるという日常生活用具の給付制度がありまして,それを利用して自分で購入されている方がデイジー図書を利用している,つまり,視覚障害以外の利用が少ないのも,視覚障害の3級以下の方やその他の障害の方はほとんど利用できない状況になっているということです。  それで,公共図書館では,岡山県立図書館などは専用再生機の他にデイジー図書が再生できる携帯音楽プレーヤーなども貸出ているところもあります。そういう再生機の貸出をセットでサービスをやっているところの利用者が多いという状況になっております。 委員:  ありがとうございます。それともう一点です。この点字図書館の実態調査というのは,私どものやっておりますロービジョンの勉強会などでデータを公開してもよいものなのでしょうか? 事務局:  うちの独自の指標の中でやっている部分については,全面公開というのも齟齬があるのではないかと思います。たとえば,この人口10万人当たりの登録者数という指標が,適切であるかは検討の必要があります。ただ,比較するにはわかりやすいということで設定してみました。公表ということになると,各施設に承諾を得た上で公表したいと思います。ただ,内部の会などにつきましては,参考資料ということでお出しできると思います。  それから,一つ誤解がないように言っておきますと,全国に点字図書館が100施設程度あります。さすがにそれらを全部調査するのは難しいので,中四国以外の各ブロックから2施設ずつ,中四国ブロックから十施設抽出した上で,その中で回答があったのが13施設ですので,1位や2位と記載しておりますが,それは決して全国で何位というようなものではありません。 委員長:  時間の関係もありますので,次の議題に進ませていただきたいと思います。  それでは,令和元年度の取り組みについての説明を事務局からお願いします。     議事 2 令和元年度の取組状況について     (事務局より説明)    委員長:  ありがとうございます。ただいまの説明につきまして,ご質問,ご意見等ありましたらお願いします。   委員:  私が図書館の取り組みの中で一番大事だと思うのは,利用者とボランティア,図書館との交流の場です。ボランティアの方も利用者と話をしたいという声が強いようです。この前の三者交流では,各グループに分かれて話をしましたが,ほかのグループの様子が分かりませんでした。交流というのは,それぞれのグループで交流するのも大事ですけれども,全体で情報を共有することも大事です。ですから,あの場で全体のまとめをしていただくのが良かったように思います。  もう一つは,みんなに情報を流すということです。情報が不足しているから,図書館が活性化しにくいという面があるわけです。ですから,皆に情報を知らせていくということがすごく大事じゃないかと思います。三者交流のことをみんなに伝えることで,図書館としてその内どういう議論を取り上げていくのか。この議論はあまり重要視していないとか,それはもうちょっと時間がかかるから,もう少し先の問題として考えるとか。こういう図書館としての見解というものをみんなが聞いて,そのうえで情報共有を図っていくということが図書館を活性化していくのに大事ではないかと思います。  質問というより意見ですけれどもよろしくお願いします。 事務局:  今回は,お茶会のようなサロン形式で,いろいろと自由に印象に残った本のこととかを話し合っていただきました。事細かにはすべて掲載することはできませんが,当日の模様など広報誌でお知らせしたいと思います。 委員長:  ご質問の中で,その全体の交流を図る観点というのは,どういうお考えなのかお聞かせ下さい。 事務局:  参加者全体で30人くらいになると,自己紹介だけであっという間に時間がたってしまうということもあって,今回は各グループ分けしてより親密に行ったという感じです。全体で交流というのは,今,イメージが浮かびませんが,次回いろいろ考えてみたいと思います。 委員:  それぞれのグループで話をするのはそれで大事だと思うんですけど,後でまとめの報告をしていただくことで全体の合意を図ると。それからもう一つは,それを会員の皆さんに流すということですね。そういう場で出たみんなの意見を,図書館がみんなに伝わるような工夫をしていただくよう,検討をお願いします。   事務局:  ありがとうございました。そういう形で情報共有を次回から図りたいと思います。 議長:  より有益な伝え方のご検討をお願いします。ほかにございますでしょうか。 委員:  一番の,市町村別のところで,香美市6人というのは何か特別な理由があるのでしょうか。何か特別な理由があるのであれば,それを生かせばよいと思いますし。それと特別支援学校の数が増えていますが,これは個別訪問による結果かなあと想像できるのですが,その二点について是非教えて下さい。 事務局:  香美市さんが特に多い原因については分からないのですが,香美市さんは最近住民も増えておられますし,近いうちに新しい図書館ができるということで,図書館が活発に動かれる中で情報も伝わったのかもしれません。出前図書館も香美市さんでやりましたし,さくらバリアフリー文庫も積極的にかなり長期間やってくれたりしましたので,そういったところも影響しているのかもしれません。  それと,特別支援学校が多くなったというのは,今年,八木先生に段取りしていただいて,特別支援学校校長会などでうちの紹介をさせていただいたりしました。出前講座や視察・見学の受入など,今までいろいろやってきたことの効果がすぐにではないけれども,口コミなどで当事者につながっていくこともあると思います。新規登録者のどうやって当館を知ったかの問いに,結構,知人による紹介というのがありました。一般の方でうちの図書館を見て,知り合いの方に教えてあげたり,そこまで細かい追跡はできないのですが,そういうことも考えられるのではないかと思っています。   委員:  香美市6というのは,何かきっとあるんだろうなという気がしますので,分からないで済まさずに,今後のヒントにもなりますので,ぜひお願いしたいと思います。  それから質問の2ですけれども,特別支援学校や支援学級に桜バリアフリー文庫を貸したとき,その学校にある図書を子供たちが読みますよね?それを家に持って帰ったり,もしくは寮に持って帰ったりはしているのでしょうか。 事務局:  ちょっとそこまで頭が回っていませんでした。そういうことも可能だということを周知したいと思います。 委員:  その人たちが利用登録をすることで数が増えるということもありますし,実際利用しているわけですから,そういう図書が各家庭に届くということもとても大事なことだと思いますから,そういうところへ貸し出した際には「利用登録してね」といった形ででも促すこともぜひお願いしたいなと思います。以上です。 事務局: ありがとうございます。 委員長:  最初の質問の中で,新規登録者の原因の理由について,たとえば知人の紹介だとかそういったことについて,クロス集計みたいなことはやってないんでしょうか。 事務局:  副館長の青木です。それぞれの形で集計はしておりまして,香美市さんに関して先ほどの区分で特に特徴があればと思ったのですが,香美市図書館から,新聞記事から,病院・眼科医さんからとか,知人からという形となっておりまして,内容的にはばらばらという感じです。 委員長:  ありがとうございました。ほかの方,ございますでしょうか。 委員:  先ほどお話して頂きましたように,特別支援学校校長会で,詳しく桜バリアフリー文庫のことなどお話をしていただきまして,校長先生方も興味深くお話を伺うことができました。視覚障害だけでなくて,いろいろな読書に困難を抱えている児童生徒はたくさんいますので,今後も積極的に利用を促していきたいと思います。また特別支援学校のセンター的機能として,地域の小学校・中学校等へサポート事業という形でたくさんの学級へ入っていますので,そういうところも活用しながら,こういうことができるんだよという情報を流すお手伝いもしていきたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。 委員:  新規登録の取り組みのところで,視覚障害以外の他の障害の方とか,障害がなくても読書が困難な方,これは読書バリアフリー法にもありますように,こういった方面にも広げていくといったことも当然必要です。そういった方針であるということは,先ほど館長さんからもうかがいましたが,私たちのような視覚障害者,盲学校の卒業生や中途視覚障害者も含めまして,そういった人たちにも十分な情報発信をあらゆる機会をとらえてしていただきますようお願いしたいと思います。以上です。 事務局:  今利用している方についても情報発信や,あと先ほど視覚に障害がある人の生活を支援する情報提供の充実ということで,9月末現在で,すでに相談件数が121件視覚障害の方からあっています。そういった困りごととか相談については訪問したりして,いろんな形でサポートしております。 委員長:  それでは時間の関係もありますので,次の令和2年度の取り組みについて事務局からお願いします。     議事 3 令和2年度の取組について     (事務局より説明)    委員長:  それでは来年度の取り組みにつきまして,ご質問等ございましたらお願いします。 委員:  電子書籍については,法律にも詳しく書かれております。視覚障害者が利用する場合に,利用できない電子書籍がたくさんあります。この電子書籍を利用できるように国に働きかけを行う必要があると思います。それから,実際に体験コーナーもやるということですが,そういうコーナーをできるだけたくさん持っていただいて,電子書籍を読めるようにしておくことも必要だと思うんですね。新しい動きに対応するのが生きる道だと思うので,ぜひよろしくお願いします。 事務局:  電子書籍がもっともっとアクセシブルになれば,多くの障害のある人が読書をできる環境が進むと思っておりまして,こういった電子書籍等を体験できる講座なども力を入れていきたいし,情報技術の進展に期待するところです。今年度は電子書籍体験会を開催しますので,ぜひご参加いただきたいと思います。 委員長:  私から一点。法律の施行が六月からということでしたけれども,この中で定められている基本計画の策定は現在協議中ということなんですか? 事務局:  国の方からは基本計画に関して,骨子案がでており,もうすぐパブリックコメントも実施するようです。目処的には今年度中ということで論議されておりますので,それも注目していきたいと思っています。 委員長:  分かりました。今年度中に国の方が基本計画を定める,その次に地方公共団体は努力義務として計画をどうするか,そのあたりの見通しはあるのでしょうか。 事務局:  国の基本計画を見てからというところもありますが,自分が個人的に思っているのは,このオーテピアだけが読書バリアフリーサービスを実施しても,県下のすべての読書に障害のある方に行き届くのは難しいかなと思っています。やはり市町村の公共図書館等がこういった障害者サービスに取り組むような体制にならないと,地域の住民の方々の読書機会の向上・充実は難しいと思っています。計画を策定するとすれば高知県全体でネットワークを構築していかないといけないのではないかと思っています。 委員長:  県として,障害福祉課長さん,いかがですか? 県障害福祉課長:  障害福祉課西野です。今,館長がおっしゃられたように,現在の国の計画の骨子案について意見照会が来ているところです。それも含めまして,県としての計画についてはまだ始まってはいないのですが,県下全域でどうしていくかということは考えていく必要があると思っております。これから国の計画を見ながら検討を進めていこうと思っております。以上です。 委員長:  ありがとうございました。そのほかの方,いらっしゃいますでしょうか。 委員:  デイジー図書再生機の貸出に関して,来年度もさらにプラスしてということですけれども,これは,貸出のルールというのが決まっていて,利用が増えるにつれて貸出機の購入も増やしていくという形になるのでしょうか? 事務局:  デイジー図書再生機の貸し出しは,一か月という期間を設けて貸し出ししていますが,当然,使われる方には延長可としています。したがって,どんどん利用者が増えて行った場合には,どこまで予算対応できるかということになります。この再生機は国内1社しか製造されておらず,価格も1台4万8千円というのが今の状況です。今後,タブレット等,より安価でアクセシブルな機器等も出てくれば,それらの活用も考えていきたいと思っています。  今後の利用者増に対応していくためにも,再生機貸出サービスが,将来的には地域の市町村図書館でも実施されるようになっていくことが必要ではないかと考えています。   委員:  次に,今日のこの資料の解釈なんですけど,1と2が,令和元年度の事業における中間経過報告のようなもので,3の,令和2年度の取り組みというところが事業計画の事業内容の案になって,その審議としてバリアフリー推進事業を審議していくと,そういうとらえ方でよろしいでしょうか? 事務局:  そうです。   委員:  分かりました。ありがとうございます。 委員長:  来年度の具体的な事業内容,予算内容を聞くのは年度末か何かにもう一度機会があるのでしょうか。 事務局:  はい,年度末に二回目の会を開催させていただきます。 委員長:  その際には予算が決まった後の実施計画ですので,今回は方向性のご意見を頂く場ということですよね? 事務局:  そういうことでございます。 委員長:  ほかにございますか。ないようでしたら,最後の議題にいきたいと思います。事務局から説明をお願いします。    (事務局説明)  4 製作図書選定について 委員:  前々から選書会については提案していたのですけれども,選書会といってもただ集まるだけなので,アンケートを取ったり,その意見を全体に報告したりといったことが大事なんですよね。それでもって,みんなの図書館への希望を活性化していくということがすごく大事じゃないかと思う。これが図書館の基本になると。ですから,今図書館に来る人も少ないわけですが,もっと図書館に来る人が増えると。利用者も増えるということが,これから求められていくわけですね。ほかの障害者との交流も必要ですけれども,私たち同士の交流の場としての図書館として使われていくようになっていくと思うんですね。この選書会の意義は大きいわけです。ぜひそういう意味で,もう少し意見を担当者から話を詳しく聞きたいと思います。よろしくお願いします。 委員長:  結局その選書会の構成について,どういう考えを持っておられるのか。事務局から説明をお願いします。 事務局:  そちらにつきまして,実態調査の方でも他館の状況等も調べさせていただきました。13の回答があった内,選書委員会があるのが6館,ないところが7館でございました。それとは別に,全国視覚障害者情報提供施設協会の全国大会の分科会の方でも制作図書選書に関する調査がありまして,そちらの方で選書委員会があるのが31館,ないところが56館という形にもなっております。また,構成の方につきましてですが,職員が主になっているところが3館,ボランティアさん,利用者さんが入っているところが2館という形になっています。こちらの方なども参考にしながら実際の運営をどういう形にするかというのは,選書方針を定めてから,また皆様のご意見もお聞きしながら決定していきたいとは考えております。 委員長:  そういった委員の構成を最終的にどういう場で決めようとしているのか。で,そこに参画していただく方は,どういう方を参画していただこうとしているのか。そのお考えをお聞きしたい。 事務局:  実はまだそこまで,どういう風に決めるかまでは具体的には考えていませんが,まず今日は図書の製作方針について,それがこれからの図書製作の基本になってきますので,そのご意見を頂いてまずそこを決定したいと考えています。選書会というのは,そういった図書を作るにあたってどういう形が一番効果的か,できるだけ皆さんに役立つ図書を作るというところが目的で,選書会はそのためにあるので,そのために必要な委員構成などを検討するというようなことを考えております。  選書会というのはその意義が非常に大きいというようなご意見もあるかとは思いますが,いわゆる手段の一つでございます。年間で,点字図書が200冊,録音図書が40冊ぐらいの製作規模の中で,まずうちがどのような本を作っていくのか,単に委員が集まって,その場で製作する本を決めるのではなく,どのような本を当館で製作するかという根本基準が必要です。まずはここを固めていただけたらと思っております。 委員:  選書会というのはもちろん,作っていく本についてのことも大事ですけど,もう一つは,うちの図書館がどういう本を買うかということも大事だと思うんでね。この間,会でいろいろと話を聞いていると,点字図書館の書架の前にいろいろなものが置いてあったりして書架を見ることができないということもあるわけでね。そういうことも含めて話をしていく必要があるわけです。 委員長:  事務局,何かご意見は? 事務局:  すみません,ここは議題として,声と点字の図書館の図書制作方針案についてご審議頂きたいと思っておりまして,まずそれをご審議頂けたらと思います。 委員:  点訳ボランティアの小野です。私どもは今,館から与えられた本を点訳しているのですけれど,以前から選書というのはとても大事だと考えています。というのは,私たちの打っている本は基本的に利用者さんあっての本なので,このお話を聞いていると,まだどういう話し合いで選書委員会をするか決めていないと言われるのですけれど,選書委員会の進行っていうときに,どういう構成者で選書委員会をするというのが最初にくるのではないかなと私は思います。少し言葉が足りないかもしれないのですが,図書館が選書委員会を作るというときには,利用者とボランティアの意見というか希望があるのではないかなと思ますので,まずはそれを考えていただきたいと思います。  それと,今日のお話でいくと,製作する全部の本を選書委員会でけっていするのか,それとも選書委員会とは別に館が選ぶ本があるのかとかいうこともお教えいただきたいと思います。 委員長:  二点あったと思いますが,一点目は,全部を決めるのかどうなのか。 事務局:  せっかく選書委員会を作るのですから,当然全部をそこで決めたらよいと思います。二点目は? 委員長:  委員をどういう風に決めるのか,主体をどうするのか。 事務局:  図書館職員だけで作ったり,図書館職員とボランティアだけだったり,利用者さんも含めて作ったりと,いろいろなパターンがあります。どれが一番良いのかとか,そういったことを考えていかないといけないし,正直,どのような構成がよろしいかとお考えでしょうか。 委員:  私は,基本的に利用者さんが入って,また私たち点訳,そして音訳している方たちが入ってやっていくのが一番利用者さんに喜ばれることではないかなと思います。 委員:  私も,選書委員会は必要だと思っています。なぜなら,求める人があって,はじめて提供する私たちの役目が回ってくるからです。利用者さんの声が届いてこなければ,ただ本を作って下さいというだけでは利用者さんの要求を満たすような書物を作ることはできません。あるとき,直接利用者の方に希望をお伺いすると,ハーモニカの譜面をお願いしたいというようなご要望がありまして,さっそく取り掛かりまして,それから着々とできております。このように,具体的に何をしてほしいかという要望を頂く場がほしいんです。 委員長:  ありがとうございました。今,事務局の方から委員さん個人に対して,どういう希望がありますかというお話から始まったかと思いますが,まさにどういう風に決めようとしているのか分からないので。この場で個人的な意見を言うのか。そうではないでしょう。どういう形で事務局として提案をして,それをどういう場でチェックをしようとするのか。この運営委員会というのはどういう役割を果たすのか。それを明確にしないと,今おっしゃっていたことが誰も理解できないと思いますから,その点の説明をお願いします。 事務局:  選書会が議論になっておりますが,先ほど言われましたように,ボランティア・職員・利用者で委員を構成するとすれば,どうやって委員を選ぶのか。例えば大勢の利用者さんのうち,誰が委員になるのか。そういったこともいろいろ考えています。どうしたらいいのかなというのが正直なところです。たとえば,利用者さんに委員になってもらうとして,その委員さんは全員の方に頼むのか,たとえば利用者さんがどなたかを選ぶのかとか,どうしたらいいと思いますか? 委員:  それは,誰が入るだとかいうのは,具体的に利用者も,私たち点訳・音訳ボランティアも,もちろん館も入るという前提のものであって,それも決まってないうちに進められても私たちとしては私たちも入れてほしい,利用者さんも入れてほしい,まずはそれなんです。それから具体的に何をするか,どれぐらいの規模でするか,それは全員でやるのが一番よろしいのではありませんか?けれどそういうわけにいかないから,その前の段階として,館として選書委員会をどういう枠でするかというのはお決めになって,それに私たちが入っているという前提でやっていただきたい,それだけです。 事務局:  そこはみなさんのご意見を踏まえてやりたいと思いますし,例えば,利用者さん,ボランティアさん,職員の三者で作るべきというご提案を頂ければと思います。   委員長:  この場で意見を聞いて,それを十分尊重して,それに沿って事務局案をこれから作ります。で,その案をどういう場で公表して,最終的に決定をします,そのプロセスを説明して下さいと,お願いしているわけです。今意見を聞いたので,事務局がこれで決めました。決めたので,もうこれ以上はひろがりません,そういうやり方なのかということです。 事務局:  すみません,それはこれからというところなので,こういう場での論議ということでしたら,次回の運営協議会でお諮りさせていただきたいと思いますが。 委員長:  最終的にこの場で決定するということでよろしいですか? 事務局:  はい,それまでに利用者さんとかボランティアさんとかのご意見を聞かせていただいて,そのあと提案を出させていただいて,決定していただくというような形でどうでしょうか。 委員長:  はい,今事務局の方からやっとまとまった提案がありました。それぞれの委員さんが,今後たとえば事務局の方にこの方は是非いれて下さいということを申し上げて,事務局の方で案を作る。で,その案を次回この場に出して,それで議論をして最終決定をする。そういうことでよろしいですか? 事務局:  はい。 委員:  この選書委員会を,事務局さんとしてはいつごろから稼働するご所存なのでしょうか。 委員長:  それは,具体的な立ち上げ時期の見通しということでしょうか? 事務局:  来年度を考えています。これから選書会について検討させていただいて,次回の協議会の方で提案させていただき,決定というところで,実際の立ち上げはそれ以後ということに,早ければ来年度初めからということになると思います。 委員:  分かりました。うちの団体でも,いろいろと意見を聞いてみたいと思います。 事務局:  ご意見,お待ちしております。 委員長:  そういうことで,各委員さん,よろしいでしょうか。最終的にもう一度次回のこの運営委員会に事務局案として出していただいて,そこでご議論いただくと。で,その前段としてそれぞれの委員さんの出身母体なりのご意見等を取りまとめていただいて,事務局の方に出していただくと。加えて利用者の方の意見をどういう風に集約していくのかというのは,事務局としてしっかり検討していただきたいと思います。 事務局:  今回の議題は,この声と点字の図書館の図書製作方針についてなのですが,ご承認いただけますでしょうか。これについては,特に問題ございませんでしょうか? 委員長:  第四の,選定方針を承認するかというところですよね?ここについては,一般的な事項を中心として,最終的に選考委員会で製作図書を決定するということになっているので,選考委員会について議論が集中したと認識しております。選定方針について,ご異論はないという集約でよろしいでしょうか? (異議なし)    では,選定方針については,事務局案の通り承認をしたいと思います。で,委員会の方についても慎重な検討をよろしくお願いします。  それでは,長時間のご議論,どうもありがとうございました。以上を持ちまして,令和元年度,第1回運営協議会を終了いたします。