令和6年度 第2回高知声と点字の図書館運営協議会 日時:令和7年3月6日(木曜日) 午後3時から午後5時まで 場所:オーテピア4F研修室 出席者 会長 高知県社会福祉協議会 常務理事 井上 達男 委員 高知県身体障害者連合会 視覚障害生活訓練指導員 金平 景介 高知県視覚障害者協会 会長 中島 正美 高知県立盲学校 校長 中野 直喜 高知県視力障害者の生活と権利を守る会 副会長 藤原 義朗 音訳ボランティア団体 高知朗読奉仕者友の会 会長 松田 光代 NPO高知県肢体障害者協会 副会長 松本 誠司 高知市教育委員会教育研究所 特別支援教育担当副参事 八木 千晶 事務局 高知市健康福祉部 福祉事務所長 和田 秀幸 声と点字の図書館 館長 西岡 和美 副館長 都築 靖子 再任用副主幹 坂本 康久 事務局関係機関 高知県教育委員会 高知県立図書館長 杉本 幸三 高知市教育委員会 市民図書館長 石 敏子 高知県子ども・福祉政策部 障害福祉課 課長 森木 博也 高知県子ども・福祉政策部 障害福祉課 課長補佐 田村 由隆 1 議事 議題1 令和6年度の取組み(成果報告)について 会長:  それでは早速ではございますが,議事に入らせていただきます。  今回は,事務局から「議題1 令和6年度の取組み 成果報告」と,「議題2 令和7年度実施計画について」の2つの議題が提案をされています。それでは,議題1について事務局から説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 (事務局より説明) (関連説明として高知県読書バリアフリー計画が策定されたことに関する報告を行いたい旨を協議会に諮ったところ,会長より了承されたため,高知県障害福祉課長より説明) 会長:  ありがとうございました。それでは,先の議題報告と関連の読書バリアフリー計画に関する報告,これらについてのご意見,ご質問等ございませんでしょうか。 委員:  視覚障害者が音声読書をするに際してはプレクストークやセンスプレーヤー,パソコン上で使用するためのPC−TalkerやMyBookといった様々な専用機器を自治体に申請することになるわけですが,それには障害等級による制限,たとえば2級以上の方が対象といった制度がありますけれども,声と点字の図書館では障害の等級によって貸し出しの制限等はあるのでしょうか。  また,視覚障害以外の方に対しても希望があれば,読書支援機器の貸し出しを制限なく行っているのでしょうか。 事務局:  声と点字の図書館が取組みをしている機器の貸し出しは,読書に関する部分の貸し出しになりますので,今,貸出機器として準備しているのはプレクストークのPTN3です。それから,エンヴォイコネクトとその後継機種のポケブックを貸し出しできるように台数をそろえております。  等級に関してですが,委員がおっしゃったように,日常生活用具等で申請が可能な対象者というのが視覚障害者の手帳1・2級をお持ちの方になっており,それ以外の方は申請が対象外になります。ですが,やはりそういった対象でない方にも読書が難しい方がいらっしゃるので,その方々に向けてプレクストークのPTN3やエンヴォイコネクトなどの機器を貸し出しして,読書を楽しんでいただけるようにしております。 委員:  ありがとうございます。ちなみに今,声と点字の図書館で貸出機器は何台ぐらい用意されているのでしょうか。 事務局:  プレクストークPTN3は176台,エンヴォイコネクトが120台,ポケブックが20台を貸出用として準備しております。 委員:  この声と点字の図書館の機器貸出サービスは素晴らしいものだと思います。たとえ機器を申請しても,技術の進歩とともにどんどんと機器が古くなり,使わなくなってしまえばもったいないことにもなってしまいます。その意味で,この貸し出しサービスはその時々でその人に応じた機器を,サポートも含めて支援していただけるということで素晴らしい取組みだと思っています。これからも普及活動も含めて取り組んでいっていただきたいと思います。ありがとうございました。 会長:  ありがとうございました。他にございませんか? 委員:  貸出機器に関連したことでお伺いしますが,リンクポケットの後継機種に関して,携帯型の機種は何かあるのかどうか,そのあたりの計画についてお聞かせいただけますでしょうか。 事務局:  リンクポケットの後継機種としましてセンスプレーヤーというのが唯一1台あります。リンクポケットというのが,小型のもので直接インターネットからサピエ図書館のデータをダウンロードできるという機能がついているものになります。それに代わるものとして手のひらサイズのものはそのセンスプレーヤーになります。また,プレクストークPTR3も直接インターネットからデータをその機械にダウンロードすることができます。声と点字の図書館では,今PTR3を4台所蔵しており,センスプレーヤーに関しては来年度にまず展示用と貸出用に購入を検討しているところです。  PTN3やエンヴォイコネクトのように台数の確保というのはできていませんが,いろいろと研究しつつ,ニーズも探りながら検討が必要かと考えております。 委員:  委員に対するお返事になるんですけれども,センスプレーヤーはルミエールにあります。メーカーから1台お借りしていて,ダウンロードを試せる状況ですが,ダウンロードの時間に関してはあまり変わらないです。操作性はリンクポケットとメーカーが違いますので一概には言えませんけど,いろいろなことができる機械としてあります。  あとICT関連で小型でどこでも持っていける読書環境ということで言いますと,ルミエールでも,おそらく声と点字の図書館さんでも相談の多いiPhoneのアプリ,サピエ図書館からダウンロードできるアプリが2種類あって,ボイスオブデイジー5と,My Book Mobileです。この二つは,リンクポケットやセンスプレーヤーよりダウンロードは早いです。そのような実感があります。  マイクを頂いたついでによろしいですか? 会長:  委員,どうぞ。 委員:  利用状況のところでお教えいただきたいんですけれども,利用登録者数というのと,サピエの登録者数というのが微増という状況下にあって,図書の貸出数とダウンロード数というのが下がっています。利用者はそれほど変わっていないのに読まれている本の数が減っているという状況が,特に音声図書の今年の減り方がちょっと気になります。去年が5300ぐらい,今年が3700ぐらいで,コロナも明けて皆が外に出だしたからなのかとも思ったりするんですが,音声デイジーのダウンロードに関しても令和4年を最高に1万回ぐらい減ってるんですよね。これって,他の県の状況等,傾向があるのかなども含めて,想像できる理由があれば教えてほしいなというのが一つです。 事務局:  実はこの数値を出したとき,私自身もなぜだろうと思いまして,もしかしたら算出方法を間違えたかもしれないと思い,別の職員にも確認してもらったところ,実際本当にこの数になっていました。他館との比較ができていないというのが現状でありますが,気になる数の減り方ではあります。 委員:  他館の状況を調べるのは難しいかもしれませんが,たとえば高知図書館の貸出数がどうなのかとか,サピエ図書館の全国のダウンロード数などは調べられると思うので,高知県全体が図書から離れていっているのか,日本国民が図書から離れていっているのか,何かそのあたりが気になって何かそれに対する対策を打つ必要があるのではないかなと思いました。またそれに伴って,このバリアフリー計画にも関連してくるのではないかと思ったりしています。  またこのバリアフリー計画に関して一つ感想を述べさせていただきますが,この取組みというのは,ずっと前から声と点字の図書館がやってきたことだと思うんです。特にオーテピアが新設された時からのコピペではないかと思うくらい,同じ取組みかなと思うんです。せっかくバリアフリー計画ができて,新たに押し出していくものが特にあれば教えてほしいなと思っていて,計画を見ても,今まで声と点字の図書館が進めてきた内容がほとんどで,新しく何かこれといったものがあると嬉しいかなと思いましたので,何か感想等あればお教えください。 高知県障害福祉課課長:  従前からこのオーテピアの方での取組みというのを中心に進めてきておりまして,法律に基づく計画という地方公共団体が策定する努力規定のものでございまして,身近な地域で読書バリアフリーが進んでいくためには,市町村の図書館が提供していくというのも一つ大事な視点かと思います。その中で,県が県計画を策定して,さらに市町村の計画が進んでいく,その中で地域においての読書バリアフリーの環境が整っていくというところが非常に大事かと思っておりまして,市町村職員や図書館司書への研修であったり,学校現場への理解を深めていく取組みというところ,あとはデジタル技術の方で行くと,サピエ図書館への登録も進めていきましょうというところがポイントかなというように考えております。 県立図書館長:  令和6年度は読書バリアフリー計画の初年度ということで,今年度特に県立図書館としても声と点字の図書館と連携してバリアフリーサービスの取組みを進めています。市町村のブロック別研修会で特に今回バリアフリーサービスを大きなテーマにしまして,前期・後期に分けて,前期は入門編,後期は発展編ということで県内3か所で研修会をやっています。 これは,県立図書館の事業というよりも高知県図書館協会の事業ということで,県立図書館の方から一方的にやるということではなくて,図書館協会というのは県立図書館もそうですが,市町村立図書館や大学図書館,そういったところが経費を負担して運営しているということで,そういった図書館協会の方が主体となってこういった研修もやっています。研修も,やりっぱなしということではなく,研修の成果として私がお伺いしているのは,資料にもありましたが,室戸などは個別の研修を実施してほしいということで声と点字の図書館と一緒にそうした研修もしていますし,ある町では今までバリアフリー関係の機器・用具が0だったところ,図書を購入したり,声と点字の図書館の方から再生機をお借りして利用者に提供したり,それをきっかけにまた自分のところの図書館でも機器を購入したりと,そういった成果も上がっていますので,そうした成果がこの後も広がるようにご相談に乗ったりして取組みを進めていきたいと考えております。  それともう一点,同じく図書館協会の事業になるんですけれども,図書館サービスのヒント集「図書館が変える,地域が変わる」というチラシを作っているんですけれども,今年度「読書バリアフリーサービス編」ということで読書バリアフリーにスポットを当ててチラシを作成しています。このチラシが,一般の利用者向けということではなく,図書館向けの内容となっておりまして,中には市町村図書館での取組み事例なども載っておりまして,そういった事例も見ていただきながら,このサービスならうちでもできるんじゃないかなといった形で奮起をしていただくというか,そういう内容にしています。読書バリアフリー計画が策定されましたということもしっかり書いておりますし,こういったチラシを作ってすべての図書館であるとか,大学図書館などにもお配りして,少しでも読書バリアフリーが広がるような形で取り組んでいきたいと考えております。今年度,いわゆる計画が策定されて初年度ということで,力を入れて取組みをしています。 会長:  ありがとうございます。委員,どうぞ。 委員:  ありがとうございます。  もともと,前館長時代から各市町村図書館のバリアフリー図書サービスに力を入れていく取組みをされてきたと思うんですが,この計画が裏付けになって進んでいくことを期待しております。 会長:  私からも補足させていただくと,このバリアフリー計画の冊子本体の16ページに「連携の促進」という項目がございます。この中で各市町村立図書館間の連携を進めていくということになっているんですが,その中で一番下の方に「各種会議等における関係者への周知」というところもございます。ここに市町村教育委員会連合会,校長会議,それから先ほどお話のありました高知県図書館協会総会,加えて市町村障害福祉担当者会議というような,様々な場面で読書バリアフリーを進めていただくという風に位置づけをしていただいたところです。そのような中で,早速ブロック会議でもやっていただいているようでございます。  今までも声と点字の図書館でやっていただいているところでございますが,県庁の組織も上げてやっていくということで,県の教育委員会や福祉部門も含めて,総力を挙げて続けていっていただきたいという風に思っております。  委員,先ほどお手を挙げておられましたのでどうぞ。 委員:  読書バリアフリーを推進するための機器利用の観点から申し上げますが,自宅に整備しておくべき環境という点で,私はパソコンやWi−Fiといったものをそろえておりますけれども,最低限こういったものが家になければ,またこういったものを普段日常で利用していなければ使用ができないといったものがもしあればお教えいただきたいと思います。お願いします。 事務局:  読書を推進する機器として,プレクストークのPTN3やエンヴォイコネクト,ポケブックに関しては,その機械さえあれば読書が楽しめますが,センスプレーヤーやPTR3は,ネット環境がないと使えないという機器もあります。やはりその方がどのような環境で読書されるかというところも大事になってくるかと思います。もしネット環境がある方で直接サピエ図書館にも加入してダウンロードしたいという方がいらっしゃれば,その方に応じた形の機器を紹介させていただくようになります。 委員:  私が独自で調査したところによれば,高知県内2600人余りの視覚障害者のうち,視覚障害1・2級の方を対象にパソコンの利用率と,今現在スマホを使用しているかを尋ねたところ,大げさな話ではなく全体のほぼ50パーセントを割っており,高齢になればなるほどその傾向は強まります。なぜそのような現象が起こるかと言えば,パソコン教室やスマホ教室が行き届いていない部分があって,またそのような環境がないところでは読書に親しみたいと思っても,なかなか環境が整わないという理由で読書を諦めてしまうところがあります。そうした環境にいる障害者の方に対しては,行政としてどのような支援や取組みがこれからできるのかを改めて考えていくべきではないかと思いました。  それともう一点,センスプレーヤーに関しては,最新機器ではあるんですが,多機能の分操作も複雑化しているというような話を取扱いの業者の方から聞いております。そこで,そうした機器を貸し出すにあたって,利用当事者の方の反応はどのような感じなのでしょうか。実際にそれら機器の使い方を教わった後,教えられたことを覚えていただいているものなのか,覚えたふりをしているのか,実際に利用しても途中から分からなくなり利用をやめてしまっているのか。前回も申し上げましたが,機器の申請者数と現在進行形の利用者数との数字は必ずしも一致しない。それは,あまりにも複雑化する機器にも理由があり,視覚障害者協会の会員の中にもそのような複雑な機器に抵抗を感じるといった声が上がっています。その点に関して,声と点字の図書館ではそれらの声をどう反映し,どのような取組みをしているのかなということをお伺いしたいと思います。 事務局:  パソコンやスマホに関しては,やはり高齢者の方などで今までガラケーを使っていてスマホに切り替えるのにちょっと戸惑っていらっしゃる方もいて,高齢の方になればなるほど新しい機械に変えるのは勇気がいることなのかなと思います。ただ実感として感じるのが,皆さん,周りの方にスマホがいいし簡単だからとすすめられて,使えるかどうか確かめずにスマホを買ってしまい,しかも視覚障害者の方が利用しやすいのがiPhoneにもかかわらず,Androidの方を安いから買ってしまって,操作が全然できなくて困るというような方がいるのも事実です。購入前にお試しができればいいですが,そういった機会もなく,ただルミエールサロンさんの方でスマホ教室をされていたかと思うんですけれども,一言頂けますでしょうか。 委員:  日を決めて来ていただく形でルミエールサロンではスマホ教室をやっています。高知市を除く市町村対象ではありますが,僕らが訪問して,ルミエールのiPhoneを使って納得いくまで使えるかどうか判断してもらってから購入してもらうという形で,県の視覚障害者相談訓練事業の中で実施をしています。  センスプレーヤーに関して,皆さんどうか誤解なさらないようにしていただきたいのが,センスプレーヤーはとってもいい機械です。確かにたくさんの機能がありますけれども,使いこなしていらっしゃる方もたくさんいます。僕らと一緒に練習して,リンクポケットからスムーズに移行できている方もたくさんいます。年齢がいくと新しいものに抵抗が増えるというのは相談を受けていて実感しているところではありますけれども,逆にやりたいこと,どうしても本が読みたいとか,そういう気持ちがとっても大事かなというのと,それを維持したり持ち上げたりというのは我々支援者だったり,同じ視覚障害を持つ仲間の方たちだと思いますので,そのように対応させてもらっています。 会長:  ありがとうございます。私など,かたくなにAndroidなんですけれども,それだとちょっと難しいということでしょうか。まだ現時点ではなかなか難しいかもわかりませんが,AIの音声でパソコンやスマホに話しかけることによって,どんどんと誘導してもらえるようなシステムの展開ができればいいかなあというように思います。 委員:  AIのお話が出ましたので一言。「何々をやって。」とパソコンを音声で操作するようなシステムは,高知システム開発で今作成中という噂はここ2年ぐらい聞いています。それが実現するかどうかは分かりませんが,AndroidやiPhoneを含めたスマホでは,ある一定音声だけで操作ができます。ただ残念ながら音声だけで図書まで行くかというとそこまでは来ていないかなと思いますが,近い将来はできるようになると思っていますし,実際取組みが始まっているというような噂も耳にしますので期待したいところです。なるべく簡単に図書にアクセスできる未来は近いと信じています。 事務局:  補足です。高知システム開発さんでは,高齢者の方がパソコンの操作をするのにキーボードの入力が難しいということで,キーボードの入力を極力しないような装置なども開発中のようでして,高齢者の方も利用しやすいような形を目指しているようですので,委員がおっしゃるように期待できるのではないかなと思います。 会長:  ありがとうございます。障害のあるなしにかかわらず機器の操作というのは非常にややこしいので,そのような形で音声でやれれば大変便利になると思うので期待したいところです。  委員,どうぞ。 委員:  読書バリアフリー計画のところでお訊きしたいのですが,司書の養成課程で読書バリアフリーについて知ってもらうというのが非常に重要になるんではないかなと思うんですが,その部分で何か法律に規定があるかどうかに関して,分かる範囲でお教えいただけませんでしょうか。 県立図書館長:  司書の資格取得の講義の中で,読書バリアフリーに関するものも当然入っていると思います。ただ,法律に明記されているかどうかについては承知しておりません。 委員:  教員免許を取る際などにもそういった研修は必須となっていますので,司書過程でも取り入れられるよう国に働きかけをしていけば,より読書バリアフリーが普及していくのではないかと思いました。 会長: 貴重なご意見,ありがとうございました。他,ございませんか?  委員,どうぞ。 (委員,喉不調のため,高知朗読奉仕者友の会副会長による代理質問を要望,運営協議会会長により了承) 委員(代理):  利用者交流会の実施に関して,利用者とボランティアと職員,3者の交流会が5年ぶりに開催されました。全体29人のうち,利用者が6人,ボランティアが12人,職員が11人だったかと思います。利用者6人の内訳でいくと,地元利用者は実質3人と少なく,残念でした。それで,対面の実利用者数が13人とあります。次回また機会がありましたら,こういった方々にもお声がけいただいて,ボランティアや職員と同レベルの人数になるよう,積極的にお声がけをしていったらどうかなと思います。  次に,各市町村の登録者数というところで,市の区分のうち,室戸市だけ一桁と少ないんですが,これは何か状況的にどのようなことがあるのでしょうか? 事務局:  室戸ですけれども,前期の活動でもご報告させていただきましたが,まず4月に広報誌の方に読書バリアフリーに関して掲載していただく機会を得まして,『広報むろと』4月号に「声と点字の図書館よりお知らせ」ということで読書バリアフリーについて掲載いただきました。そのあと2024年の8月2日に,室戸市の人権教育研究大会というのに参加をし,その中でバリアフリー図書の展示・紹介をいたしました。  また,室戸の障害関係の窓口にチラシを置かせてもらうなどの取組みをしまして,その中で新規の利用登録者があり,個人の方で1人,団体で1施設の利用の申込みを頂きました。今回,こちらの資料12ページの市町村別登録者数ですが,室戸市にお住まいの方では実際4人の方が利用登録を頂いております。うち,5年以内に利用があった方が3人,新規利用登録の方が1人という内容になっております。 委員(代理):  それから先ほど委員からお話のあったサピエの利用率の低さなんですけれども,この間全面停止の期間があったことも多少影響しているのではないかと思いました。 事務局:  ありがとうございます。確かに,サピエの全面メンテナンスということがあり,サピエ図書館が1か月休館のような形になっていた時期がありましたので多少は影響しているかもしれませんが,それにしてもこれはちょっと課題かなと思います。  それから,3者交流会に関しましてご意見ありがとうございます。また今年度も実施を考えておりまして,前回第1回目の協議会で委員からもご意見を頂きましたが,テーマを決めて,そのテーマの内容に応じてボランティアの方と職員と,それから利用者さんと交流をはかれるような形を取れたらよいかなと考えておりますので,またご相談させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 会長:  ありがとうございました。 議題2 令和7年度実施計画について 会長:  それでは続きまして,第2の議題に移りたいと思います。令和7年度実施計画案について,事務局から説明をお願いいたします。 (事務局説明) 会長:  ありがとうございました。先ほどの事務局の説明に対して,ご質問,ご意見はございませんでしょうか? 委員:  著作権法37条に関連して申し上げます。50年ほど前から視覚障害者が大学に行くようになり,受験のための参考書が数多く点訳されて,関西では関西Student Libraryというグループができて,使用した点訳参考書を後輩に回して活用したという事例がありました。これは点字ですので著作権としてはフリーでしたが,時代が下って今ではこれがテキストデータやテキストデイジーという形になり,たとえば自分が受けた防災士の資格試験など,テキスト化していただいた参考書等を一般の個人が次の人にそのまま渡すというのは著作権的にしてはいけないこととなっています。一方,文科省の指定を受けた図書館などの団体にはそれができるとされていて,これが今の著作権法です。  自分は引き続き他の資格にも挑戦中で,そのためのテキストデータなども多く依頼しているところですが,もし他の視覚障害者で同じ資格に挑戦したいという方がいれば,図書館のプライベートサービスとして一回限りのものにせず,データとして保存してご活用いただけるようお願いしたいと思います。 事務局:  プライベートサービスにおいて変換したデータにつきましては,保管管理についても課内で改めて検討させていただきたいと思います。 会長:  他にはございませんか? 委員,どうぞ。 委員:  次に代筆についてです。代読をお願いしたいという人は,だいたい代筆もお願いしたいという人が多いです。対面音訳の際に知り得た情報から,その場で往復はがきで申込みをしたり,アンケートを記載して送付したいというような場面が自分にもありますが,声と点字図書館の対面音訳サービスの案内には代筆はありません。代筆には一定のニーズがあると思いますので,検討をお願いできればと思います。 事務局:  代筆に関しましては,一応個別対応という形で今は職員が対応しております。今後もご相談いただきましたら対応させていただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。 会長:  他にはありませんか? 委員,どうぞ。 委員:  今月3月31日に声と点字の図書館の会議室をお借りしまして,視覚障害者協会の交流会を開催します。そのプログラムの中で,「Alexaとお友達になろう」という企画があります。実際その参加者の中にAlexaに非常に感動した方がおられて,もし声と点字図書館にAlexaがあるならそうした視覚障害者を対象とした体験会や交流会を開いて,『すばる』に載せてもらえるとありがたいといった声が上がっていました。声と点字の図書館にはAlexaがあると思いますが,それは普段,どのような形で活用されていますか? 事務局:  声と点字の図書館には,Echo ShowというAmazon Alexaのスマートスピーカーが2台ございます。これは,Alexaを購入する前に実際に試してみたい方のために置いております。3年ほど前に購入して,ご希望があれば貸し出しをしています。今までにも10件ほど貸し出しをしております。ご自宅に持ち帰っていただいて,ご自宅のWi-Fiにつないで試していただくということでやっていますし,ご家族のAmazon IDとパスワードで試されて,実際に購入に至ったというような例もございます。次回の交流会でも体験していただいて,ご説明もさせていただきますので,どうぞよろしくお願いいたします。 委員:  是非『すばる』にもそうした情報を提供して頂きたいとのことでしたので,よろしくお願いします。 事務局:  すでに何回か掲載しておりますけれども,改めて載せるようにしたいと思います。 会長:  他にございませんか? 委員:  図書館入り口にある機器展示コーナーに,視覚障害があり,かつ途中から難聴になってしまった方向けの,何か便利なグッズなどあれば展示していただけないでしょうか。そのような方々からご相談をよく頂くんですが,そういったグッズは正直少ないんです。もしそういうのを見つけたら,是非展示コーナーに置いていただきたいと思います。ルミエールさんも是非ご意見をお願いします。 会長:  委員。 委員:  これは県にお願いした方がいいんじゃないかとも思いますが,物品購入に関しては声と点字の図書館とルミエールでかぶらないように可視化のできる環境で,できるだけいろいろな種類をそろえられるよう連携してやっています。  確かに聴覚関係を補助するような道具はルミエールには置いていないんですが補聴器とかとなるとデモ機として置くようなものではないので,補聴器屋さんにご紹介する程度のご案内しかできていません。また,聴覚障害の手帳をお持ちでない当事者の方から便利だという補助器のような集音器をいくつか聞いて知ってはいますが,実物はなかったり,Apple Watchのような振動する時計や,AirPodsのようなワイヤレスイヤホンが集音器の代わりになるといったような話を聞いたことがあります。 委員:  ここ1,2年,補聴システムの技術進歩も目覚ましいものがあると聞いておりますので,これはグッズというより施設整備に関わる話になるとは思いますけれども,それもまたオーテピア全体でご検討いただければと思います。よろしくお願いします。 会長:  先ほど委員より物品購入に関して県との連携というようなお話が出ておりましたが,高知県障害福祉課としていかがでしょうか。 高知県障害福祉課長:  県の委託事業としてルミエールさんには実施をしていただいておりまして,来年度に向けましてはICTサポートセンターの役割も担っていただくということになっておりますので,ICT機器の購入,利用の支援,それから実際に使っていただくための紹介等も充実させていきたいと考えておりますので,声と点字の図書館とも情報共有をしながら進めていければと思っております。 会長:  他にはございませんか? 委員。 委員:  声と点字の図書館の利用のコツについて,このような利用法もあるということを,声と点字の図書館側からもっと発信できないかと考えています。たとえば自分は対面などで地図を見てもらいながら旅行の計画を立てたり,自分のファンのチームの試合日程を見てもらって応援活動を楽しむなど,大いに活用させていただいています。何かそうした利用のコツの発信に関して,事例をお示しいただくことはできませんか? 事務局:  ご意見ありがとうございます。利用者さんが実際に体験したことや,上手に声と点字の図書館を利用するコツといったことを,コラム的な形で取り上げることを委員のお話をお聞きしながら考えましたので,今後検討していきたいと思います。 会長:  委員。 委員:  声と点字の図書館についてまだ何も知らないまっさらな新規登録者の方に対して,今の声と点字の図書館が何を提供できるかという視点も大事ではないかと思います。もちろん読書に関心があるとか,どのようなジャンルが好きかといったことも大切ですが,声と点字の図書館に何ができるかという情報を知らせることで,より登録に繋がるのではないかという気がしています。 会長:  ありがとうございました。そのようないろいろな観点も加味しながらご検討いただければと思います。  もう少々時間もございますので,他にご質問等ございませんか? 委員:  ちょうど明日,お声がけを頂いて,うちの特別支援教育担当の指導主事にタブレットを活用したマルチメディアデイジーの活用について説明をしていただくことになっております。これをきっかけに,できたらうちの方では小学校,中学校,義務教育学校にいる特別支援教育コーディネーターの担当者会の中でお話をしていただくような機会を設けて,図書館支援の方にはPRをしていただいていますので,両方から支援して学校の中で活用ができるようになったら良いのかなと考えております。あとはGoogle Classroomで特別支援教育の担当,学級担任が情報共有できるような形をとっていますので,そこのところにも動画等でアップができれば良いのかなと,うちの担当の間では話をしていますので,是非連携をさせていただきたいと思います。  それと,高知市には弱視学級がありますので,盲学校の方からサポートに入ってきていただいていますので,具体的な活用については盲学校からの支援を頂いて進めていけたらよいなという風に思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 会長:  ありがとうございました。 会長:  皆様,貴重なご意見,ありがとうございました。  そろそろ時間も参りましたので,他にないようでございましたら,本日の審議はこれで終了とさせていただきます。ありがとうございました。