令和3年度 第1回 高知 声と点字の図書館運営協議会 日時:令和3年11月17日(水曜日)午後7時から9時まで 場所:オーテピア4F研修室 出席者 【会長】 高知県社会福祉協議会 常務理事 福留利也 【副会長】 高知県眼科医会 会長 田内芳仁 【委員】 障害者支援施設こくふ 施設長 上田真弓 点訳ボランティア団体 高知ブライユの会 代表 小野ちづる 高知県視覚障害者協会 会長代理 片岡義雄 高知県身体障害者連合会 視覚障害生活訓練指導員 金平景介 高知県視力障害者の生活と権利を守る会 正岡光雄 音訳ボランティア団体 高知朗読奉仕者友の会 会長 松田光代 NPO高知県肢体障害者協会 副会長 松本誠司 高知県立盲学校 校長 八木千晶 【事務局】 声と点字の図書館 館長 坂本康久 副館長 青木照子            【事務局関係機関】 高知市教育委員会 市民図書館長 森岡眞秋 高知県教育委員会 高知県立図書館長 山ア生 高知県子ども・福祉政策部 障害福祉課 課長 西野美香 高知県子ども・福祉政策部 障害福祉課 課長補佐 角田憲紀 1挨拶 (委員より挨拶) 2議事 議事1 第2期サービス計画の策定について 第1期サービス計画の成果・課題について (事務局より説明) 会長:ただいまご説明がございました、第2期サービス計画というところと、第1期サービス計画の成果と課題というところでございました。課題につきましては、一つ目がサービスを現在利用できていない読書困難者をどのようにバリアフリー図書の利用につなげていくかというところと、そして、視覚障害のある方々の様々なニーズに応えるための情報提供のさらなる充実の必要というところでありました。そして最後に、多大なご協力をいただいておりますボランティアの皆様の養成、そして活動の支援にどう取り組んでいくかという、大きくこの三つの課題があるというご説明がございました。 皆様から、忌憚のないご意見を賜りたいということになっております。いかがでしょうか? 委員:今年、バリアフリー法が施行されて、障害者の読書を支援するということになっておりますけれども、視覚障害者の電子書籍についてのことは、どうなっておりますでしょうか? 事務局:読書バリアフリー法では、特定電子書籍という言い方でデイジー図書、録音図書、マルチメディアデイジー図書、テキストデイジー図書などが位置づけられております。それともう一つ、一般的な図書の電子書籍サービスということになっておりますが、最近ではキンドル等のスマートフォンやタブレットで読むものについても日本で普及してきております。そういった電子書籍のアクセシビリティの向上は、今後の読書バリアフリーを進めるうえで非常に重要であると考えておりまして、それは当然ながら、出版社などの電子書籍を作る側の努力も大きいと思っておりまして、読書バリアフリー法ではそういった出版社やICT技術の進展についても各省庁で積極的に進めておりますので、それは是非期待してどんどん進めていただきたいと思っております。 ただ、それを待っているだけでは仕方がなくて、我々にできることは録音図書やマルチメディアデイジー図書などの今あるこうしたアクセシブルな資料をいかに読書困難な人に知ってもらうか、使ってもらうかということを考えておりまして、実はそのあたりが第2期サービスのメインになっております。 会長:そのほか、ご意見、ご質問等ございませんでしょうか? 委員:相談件数につきまして、視覚障害者に対する情報提供というところで、平成30年度は目標値を設定せずとなっておりますが、達成率が68.9パーセントになっておりますが、これはプリントミスか何かですかね?分母がないようですが。 それから、私たち視覚障害者協会の会員が60人ほどいて、スマホを持っている者が一人か二人ぐらいなんですが、そのあたりのデジタルデバイドというか格差がありますので、第2期サービス計画設定の時に指導したり、学習活動をしたり、それから機器を構えていただいて貸し出していただくなどのサービスもやっていってほしいと思います。 事務局:まず初めに平成30年度の達成状況につきまして、点字のほうのミスプリントかもしれません。確かめて修正させていただきます。墨字のほうは達成率なしとなっております。 次に、スマホや新しい電子機器等については、非常に重要だと思っております。ご指摘の通り、視覚障害者の方々がそういったスマホ等の機器が使いにくいということは十分承知しておりますので、要望のありましたサービスについても、今後、盛り込んでいきたいと考えております。ありがとうございます。 委員:その他ございませんでしょうか?では、次の説明をお願いしたいと思います。 3議事 議事2 第2期サービス計画の基本的な考え方について (事務局より説明) 会長:ありがとうございました。第2期計画の基本理念、基本方針、それから計画推進のためにということで、共生社会の実現を目指していくということ。そして、最初のところで三つ大きく課題があるということでご説明がありましたが、課題ごとの取り組みについて、また、その取り組みの達成目標、そういったものについてもご説明がございました。ご意見、ご質問等ございませんでしょうか。   委員:まず初めに確認したいのは、今後、この議題に対して何回審議するのかということです。今日頂いた資料は非常に不完全で、今日一回で承認できるような中身ではないので、今後の検討スケジュールをお示しください。 事務局:今回この素案というのを皆さんにご検討いただきまして、このあと、それを反映しまして計画案を作りたいと思っております。それを一度、高知市のパブリックコメントにかけて、さらに、一般のご意見等も頂いて、それを来年2月ぐらいに第2回の協議会を開いていただき、そこで最終的に論議していただいて、最終の計画案を決定したいと思っております。   委員:まず、この協議会で検討して案ができたものをパブリックコメントにかけるのであって、パブリックコメントにかけたものをここで承認するんじゃないですよ。手続きの順序が違うんじゃないかと思うんですけど。   事務局:今回の協議会で頂いたご意見を基に案を作ります。それをパブリックコメントにかけて、そこで出た意見等も踏まえて、さらに、最終的に2月ぐらいに、この協議会にお諮りしてご意見等をいただいて、それから最終案を作るということであります。   委員:計画の最終決定はどこでするんですか。 事務局:来年2月のこの協議会です。   委員:2月の一般公開される前に、我々委員には提示されないのですか?   事務局:パブリックコメント案を皆様にも見ていただくようにします。書面になりますが、それはお送りいたします。 委員:その時点では意見反映はないということですか?一般公開する前にこのことについて意見を言える場がないと。結局、市民の声が出てきた後で、最終的に我々が意見を反映できる場があるということですね? 事務局:この素案というものに対してご意見を頂くというのが、今日の協議会の議事でございます。ですので、まずは今日、協議いただいて、それからパブリックコメント案を作成しまして、それをお回ししますので、そこで協議会の開催ということにはなりませんが、そこで一回、ご意見をいただいて、パブリックコメント案を最終的に決定したいと思います。 委員:それで分かりました。それからもう一点、なぜ高知市の予算を使って他の市町村図書館のサピエ図書の会費を払う必要があるんですか?そんなの市町村に予算を組ませるべきです。それは非常におかしいです。   会長:まず、スケジュールのことについてでございますけれども、本日は審議時間も限られておりますので、ご提案がありましたように、今日の議論を踏まえて計画案を作成され、そして、パブコメの前に、もう一度、運営委員会を開催していただいて、委員の意見を取り入れていただくということをぜひお願いしたいと思います。その後、パブコメをされて、修正ということになりますけれども、逆に、パブコメ前に運営委員会をやれば、パブコメ後の運営委員会は必要ないと思いますので、ぜひ、そういう形でお願いしたいと思います。 次にサピエの会費について、事務局からお願いします。 事務局:なぜ、高知市の施設である声と点字の図書館が県内の図書館支援をするのかということですが、声と点字の図書館の運営というのは、高知市の施設ではあるけれども、高知県が運営費の半分を補助することにより、高知県全部を対象にサービスを提供するという大前提があります。したがって、我々は、高知市を含めて高知県全体の市民・県民にいかにサービスを提供するかというのが大きな課題ですので、そのなかで、声と点字の図書館だけが頑張っても、人も金も全然足りませんので、市町村図書館と連携して高知県全域の読書が困難な方にサービスを提供できる仕組みを来期は考えたいということです。   会長:ほか、いかがでしょうか。 委員:バリアフリー法における視覚障害者の読書の推進ということに関しまして、その実現のための具体案について、どのように考えておられるのでしょうか。また、3Dプリンタの活用法についても伺いたいと思います。   事務局:読書バリアフリー法についてですが、今回の資料の44ページに読書バリアフリー法の資料をつけておりますので、これから、その個所を読み上げいたします。(事務局から読書バリアフリー法の基本的施策の第9条を抜粋して読み上げ) つまり、図書館・点字図書館において、点字図書や録音図書などの今ある様々なバリアフリー図書をいかにして、読書が困難な人々に利用してもらうか、提供だけでなく、利用支援等もしていくということが、読書バリアフリー法で市町村に求められている責務となっております。したがって、今回の第2期サービス計画というのは、ここを重点的に、今できる取り組みを進めていこうということです。 委員:その支援部分の具体策を伺いたい。また、3Dプリンタはいかがでしょうか。   事務局:委員のように、バリアフリー法に基づく図書館サービスをフルに活用されておられる方がいる一方、まだまだ利用できていない人も多くいるということです。したがって、そういった利用できていない方にいかに利用してもらうか。そこが一番大きいところです。そして、3Dプリンタに関しましては、以前から申しております通り、それを声と点字の図書館で作るというのはとても無理です。ということで、先ほども申しましたように、触察3Dモデルの貸し出しを始めましたので、貸し出しも宅配で始めておりますので、ぜひご利用いただければと思います。 会長:委員からもご意見がございましたけれども、この計画を見てみますと、読書が困難な人の読書・情報環境の充実ということで、対象が広くなっておりますので、それぞれ視覚障害がある方、知的障害のある方、こういった方々にとってどんな風にサービスが充実するのかというところをもう少し細かく記載したらどうかというのが、私の意見でございます。そこが、全体を見てみると、少し分かりにくくなっているのではないかなという気がいたします。その点、事務局にまたご検討いただきたいと思います。 その他、ご意見ございませんでしょうか。 委員:スマホやタブレットにアクセスしにくい、視覚に障害のある方も含めて、そういった方がたくさんいらっしゃって、そういう方に対して、直接、使い方講座をやったほうが良いのではないかと思います。電子書籍へのアクセス方法の研修、講座、機器の貸し出しなどもやっていくというようなお話もありましたが、ぜひ進めてもらえればよいのではないかと思います。 それと、視覚に障害のある方以外への声と点字の図書館の広報として、いくつか挙げられていましたが、前にもお話ししましたが、リハビリテーション科のドクターなり、セラピストの方たちへのアクセスというのは、高知県内でも熱心にやられている方が大勢いらっしゃるので、そこへアクセスして広報すれば、継続的なユーザーにつながるのではないかという気がします。ルミエールの職員二人で年間15人を紹介できた実績を思えば、県内のセラピストの方からご紹介いただければ、何百人という単位になる可能性もあるわけですから、そのような方達から日常的に紹介してもらえるような仕組み作りができればなと思いました。 それと、3Dモデルの貸し出しは、県外へはしていらっしゃるでしょうか? 事務局:現状では高知県民・市民を対象としておりますので、県内に限られております。 委員:3Dモデルも含めて、どこか全国の場で広報できるような機会がないかと考えておりまして、たとえば、職員さんが視覚障害者リハビリテーション協会の学会のようなところでサービスについての発表をしてみれば、声と点字の図書館を全国的に広報できるのではと思いました。オーテピアの取り組みは、全国で発表していくべきことだと私は考えておりますので、そのようなお話をいたしました。 もう一つ、先日、私は高知県の離島に仕事で行ってまいりました。そこには20人ほどの島民しかおらず、図書館はありません。そこに視覚障害者の方がいらっしゃって、図書の利用などを勧めまして、他の島の方も来ていて、点字図書いいねえといった話になりましたが、そもそも自分達の島には図書館がないという話になりまして。そういった図書館のない場所の人も読書困難者ではないかと思いまして、オーテピアがやるべきことなのか、宿毛市の図書館がやるべきことなのかは分かりませんが、そういう所の人達に図書を届けるのもすごく大事なことなのではないかと思いました。それが、オーテピアの果たすべき役割なのか、声と点字の図書館か、各市町村図書館のやるべきことなのかは分かりませんが、気になったので、少しお話をさせていただきました。 高知県立図書館長:島への本の配達ということでお話をいただきましたが、県立図書館では市町村の図書館を人的・物的に支援するという取り組みを行っております。それは、オーテピアにある図書を、協力貸出という形で貸し出しもしておりますし、加えて、県内には公共図書館がない市町村もございます。ですから、市町村の保育所とか学校、教育委員会、そういう所を拠点として、移動図書館バスというものを年間200日以上走らせております。ただ、島へはバスでは行きにくいかと思いますので、宿毛市でしたら、宿毛の拠点までは移動図書館バスが行き、団体貸出をして、そこから島への輸送ということにつきましては、市町村さんのほうと相談させていただかなければいけません。おっしゃりたいことは非常によく理解いたしましたので、また勉強させていただきたいと思います。以上でございます。 委員:ぜひ島にも行っていただきたいと思いますが、その移動図書館バスにはデイジー図書も入っているのでしょうか。 事務局:読書困難者に利用が制限されているため、デイジー図書は入っておりません。移動図書館などのサービスが難しいため、郵送に力を入れています。その島の方も利用者登録をしていただければ、郵送で貸し出しいたしますし、機器も是非、持って行きたいと思います。 会長:その他、ございませんでしょうか。 委員:説明の中で、大学図書館や学校図書館での読書バリアフリーサービスを実施ということで、各学校、子供たちにそういうサービスができたらいいなあということをすごく思っています。そんな中で、第4次高知県こども読書活動推進計画が策定され、私もその策定委員の一人なんですが、令和4年度に向けて策定されておりますので、その中で、ぜひ、声と点字の図書館の役割を計画の一環として明記してもらえたら、もっともっと学校の先生方にも認知が広がってというふうに考えています。ですので、同じ県ということで、連携を取っていただけたらと思っています。よろしくお願いします。 会長:その他、ございませんでしょうか。 それでは、予定の時間となりましたので、今日、頂きましたご意見を踏まえまして、計画案を策定していただきたいと思います。以上を持ちまして、本日の審議を終了させていただきます。